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page a-1 おじいちゃんのアトリエ

page a-1 おじいちゃんのアトリエ_a0028990_204030.jpg強い雨や風が吹くと心配になるような
家につなげて作られた木造の部屋。
それがいつ作られたかは知らないけれど
おそらくオリジナル増改築。

屋根は低く薄暗い
大きな木の机と、雑然と置いてある作品
何やら布に覆われて、こんもりとした物体達

憧れたのは、引き出しの中の様々な道具
描くものが、細いのから太いのまで揃っていて、
削るものが、鋭いのから平らなものが並んでいて、
紙の色も質も様々で、あらゆる素材が所狭しと詰まっている

手を伸ばせばすぐに取れて、好きなものに囲まれて…
きっとそこはおじいちゃんのオアシス
いろんな柄の色紙を、使うわけでもなくただ集めて、
上から三つめの引き出しに色別に入れて、眺めては満足していた私と似てる。

そして、おじいちゃんはコモる。
『あれ、おじいちゃんは?』ってなった時は、大抵ここにいる。
ひょっこり覗くと、それにほとんど気付かず無心に作業を続ける。
テトテト…と机まで寄っても、ほとんど喋らず作業を続ける。
『出来てからのお楽しみ…』と、しゃがれた声で言ってたような、
多分、そんなかんじ

なんと言ってもおじいちゃんの得意分野は『チラシアート』

そう、作品の半分くらいの素材は、新聞に折り込んできた、広告チラシ。
チラシはカラフルだから、普通の色紙じゃ出せない風合いを表現できる。
その中でも、安っちい感じのザラザラ紙より、テカテカ光ったチラシ(蜜柑とか食べるときに敷くやつ)の方が勝負紙なんだろうな、と子どもながらに感じていた。確か、色別、質感別に分けて机に置いてあった。

なにはともあれ、おじいちゃんはその頃既にエコアーチストだったわけだ。

綿棒雛人形、チラシ鞠、カラフルアルバムー旅路のチケット添え、本日の薬袋。
おじいちゃんは、幼少のころの私の専属ノッポさんだったわけだが、
それらのネタをどこから収集していたのかは謎である。

大人になった今、やっとおじいちゃんのアーチスト魂に気付いたが、
当時は幼い私も、周りの人もそんなに気に留めてはなかった。
「また、そんなのこしらえて!」と逆につっこまれていたおじいちゃん。

でもねおじいちゃん、芸術家はいつ芸術家になるか分からないもの。
かの芸術家達は眠りについて何十年後、あんなに評価されたんだから。

創り続けたことは決して無意味ではなく、気付かない所で、誰かの心に残り、影響を与えているのです。
やっぱり心地よい評価を、すぐに人は期待するけど、そんなの構わず、ただひたすら夢中に創り続けるーこんなおじいちゃんは天性の芸術家だったのかもね。
by akiha_10 | 2004-07-07 20:41 | Art
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