強い雨や風が吹くと心配になるような家につなげて作られた木造の部屋。 それがいつ作られたかは知らないけれど おそらくオリジナル増改築。 屋根は低く薄暗い 大きな木の机と、雑然と置いてある作品 何やら布に覆われて、こんもりとした物体達 憧れたのは、引き出しの中の様々な道具 描くものが、細いのから太いのまで揃っていて、 削るものが、鋭いのから平らなものが並んでいて、 紙の色も質も様々で、あらゆる素材が所狭しと詰まっている 手を伸ばせばすぐに取れて、好きなものに囲まれて… きっとそこはおじいちゃんのオアシス いろんな柄の色紙を、使うわけでもなくただ集めて、 上から三つめの引き出しに色別に入れて、眺めては満足していた私と似てる。 そして、おじいちゃんはコモる。 『あれ、おじいちゃんは?』ってなった時は、大抵ここにいる。 ひょっこり覗くと、それにほとんど気付かず無心に作業を続ける。 テトテト…と机まで寄っても、ほとんど喋らず作業を続ける。 『出来てからのお楽しみ…』と、しゃがれた声で言ってたような、 多分、そんなかんじ なんと言ってもおじいちゃんの得意分野は『チラシアート』 そう、作品の半分くらいの素材は、新聞に折り込んできた、広告チラシ。 チラシはカラフルだから、普通の色紙じゃ出せない風合いを表現できる。 その中でも、安っちい感じのザラザラ紙より、テカテカ光ったチラシ(蜜柑とか食べるときに敷くやつ)の方が勝負紙なんだろうな、と子どもながらに感じていた。確か、色別、質感別に分けて机に置いてあった。 なにはともあれ、おじいちゃんはその頃既にエコアーチストだったわけだ。 綿棒雛人形、チラシ鞠、カラフルアルバムー旅路のチケット添え、本日の薬袋。 おじいちゃんは、幼少のころの私の専属ノッポさんだったわけだが、 それらのネタをどこから収集していたのかは謎である。 大人になった今、やっとおじいちゃんのアーチスト魂に気付いたが、 当時は幼い私も、周りの人もそんなに気に留めてはなかった。 「また、そんなのこしらえて!」と逆につっこまれていたおじいちゃん。 でもねおじいちゃん、芸術家はいつ芸術家になるか分からないもの。 かの芸術家達は眠りについて何十年後、あんなに評価されたんだから。 創り続けたことは決して無意味ではなく、気付かない所で、誰かの心に残り、影響を与えているのです。 やっぱり心地よい評価を、すぐに人は期待するけど、そんなの構わず、ただひたすら夢中に創り続けるーこんなおじいちゃんは天性の芸術家だったのかもね。
by akiha_10
| 2004-07-07 20:41
| Art
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瓜生明希葉/INFORMATION
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