![]() パリっ娘、ポリーン来日。 せっかくだからジャポネなところに行きたくって、 甘味やさんでお茶をした。 去年、パリから帰国する便で隣の席になったのがポリーンだ。 パリの大学で薬学を学ぶポリーンは年下なのに、 わたしよりはるかにしっかりしている。 彼氏が日本人で、 度々日本には来ているとのこと。 機内では、日本とフランスの恋愛観や職業観について話した。 ポリーンがあんまり流暢に英語を喋るから、 わたしはありったけの単語を掻き集めてはパズルをしていた。 たまについていけなくても、 オーイェ!とかなんだか言っちゃって、 やたらレアリー??と驚く自分にレアリー??とおもう。 それでも12時間上空で、同じプラの飯を食えば、 しだいに仲良しに。 面白いことに、「隣の芝生」現象は明らかであった。 わたしが欧風文化や、フランス女のマイペースさ、 自由で自立していて、楽しみ上手な生き方を讃えたかと思えば、 ポリーンは、東京の面白さ、日本の女の子のカワイさがとてもいいと言う。 フランス女は誰しも、わたしはわたし、 という意識が強いものだと思っていたのだが、 ポリーンは自分と他者の「比較」をしていて、それはとても新鮮だった。 比較文化の落とし穴は、すぐまとめたがるところだ。 どこの国でも、人によりけり、ということを忘れてはいけない。 「日本の女の子はみんな痩せてるし、お洒落だわ…」とポリーン。 これまた日本でくくってしまうのも大雑把だが、 少なくとも東京の中心にはそういう、 否が応でも、天秤にのせられる感覚、まわりと違ったらやばい、 と思わせる力が潜んでいるのでは、と自身の実感も思い出してそう考える。 敏感な女の子であればなおさら。 彼女と喋りやすいのは、 ポリーンもわたしも、「こういう価値観があるんだ」 というところを共有しているからなのかなあと、思う。 そんなポリーンであったが、 今回はフランス女のパワーを存分に発揮していたように思う。 議論好きのフランス人、と言われるだけあって、 和カフェでは、粒あんそっちのけで、あれはどうだこれはどうだと、 ポリーンはよく話した。 とくに、日本における女性の立場、というテーマについては ポリーンは白熱していた。 職業観、結婚観、育児、日頃男性が女性に接する態度。 ヨーロッパ、女性強し、ね。 でもね近頃は、日本でも女のひと強いのよ、と言っておきました。 これだけ豊かな日本で、なぜこんなにストレスフルな人が多いのか、 なぜ日本の女性は占いが好きなのか、流行に熱中するのか。 わたしは語彙が足りなさすぎて、時々パントマイムでごまかしたが、 そういえばそうよねえ、と 日頃答えを簡潔にしていなかったことを、 英語にする作業の中で、できるだけ簡単に、そぎ落として、 改めて考えることができた。 日常の渦中になじんでしまうと、 あの時感じた、感情の灰汁、疑問、憤り、が次第に気にならなくなってくるから恐い。 消えてはいないが、放ったままなのだ。 そうはいっても今日の自分のご飯が大事だものってね、 弱いからね、そうなるんよね。 ポリーンと一緒に、外から日本を見る。 ただいつも思うのは、 東京だけをみて、日本人はいいなあ、と思うことは、 パリだけを訪れて、フランス人はいいなあ、 と思うようなことと同じミステイクだと思う。 東京=日本はないように、パリがフランスではない、 ニューヨークも同じく、イコールアメリカではないように ここはもうひとつの「国」のようなもの。 特殊な場所であることを、忘れてはならない。 東京は、わたしから見ても時折外国である。 「dixsept、anniversaire、chez lui、 東京のお洒落な街を、三歩歩けばフランス語を見るわ。 日本人はフランスっぽいのが好きなのね! 使い方が変なのもあって、おもしろいわ」 とクスクスポリーン。 「そうそう、みんなミーハーなのよ、あっはっは」とわたし。 自分のブログのタイトルに はりきってフランス語「curieux(意。好奇心の強い)」 を使っていることは内緒にしておこう。 そしてポリーンはグリーンティーを、 わたしはカプチーノをすするのである。
by akiha_10
| 2007-04-22 23:15
| Daily thinking
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瓜生明希葉/INFORMATION
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