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page s-2 とろとろの魅力

黄色と赤のビビッドな色合いpage s-2  とろとろの魅力_a0028990_183052.jpg
ひっそり佇む薄紅色と調和しながら、
とろりと流れゆく、さらにビビッドな黄色

大抵の人はなぜか、とろとろに弱い。
ぼそぼそ、とかはあんまり人気ないのにね。
「それがさ、卵割ったらとろ〜ってしてて」という発言に対し、多くの人が具体的な想像を頭に浮かべ「うゎ〜」とある種、官能的な表情を浮かべる。しかも、みんなだいたい似てる表情。

心地よい食感というのは、『おいしいと感じる味覚』と同じように生理学的に基準があるのかな。
そうだとしたら、とろとろは、どうやら大多数の人においてヒットらしい。

さて、ある日。
情報収集に熱心な上、生まれ持ったミーハー精神で食を追求している相方ケミーと、
オムライスに定評のある老舗洋食屋に足を運んだ。

 格式ある店内は、アンティーク調のインテリアでまとめられており、
キッチンがオープンになっていて、
他店では見たことのない演出が施されている。
いいねいいね、セレブっぽいね、なんてソワソワしながら、オムライスとグリーンサラダをオーダー。
 ここは、正直ちょっとお高め。全てにおいて平均的な洋食屋さんの二倍くらいはする。
しかしこの雰囲気といい、この値段のオムライスはどんなもんだ!と期待は高まるばかり。
 運ばれてきたオムライスは、なんて気品があるんでしょう。
演出に洗脳されているということも否定できないが、食べてみて味にも文句なし。
いわゆる、とろとろ系だったわけだ。
 
 しかしオムライス以上に特記すべきはグリーンサラダ。前述したようにファミレスの三倍の値段はするだろうそのグリーンサラダは、文字通りのグリーンオンリーサラダだったのだ。見たところドレッシングすらかかってない、レタスのみ。
これにはケミーも私もびっくり。
見つめあって「ぐ、ぐりーんさらだ?」と口パクでハモッた。
「これレタス三枚くらいだから家で作ったら50円もしないわよ〜」
「焼肉屋では御代わり自由のサービスよ〜」
なんて超小声でひそひそ交わし、セレブ気取りの皮もすっかり剥がれ、毒舌おばちゃんと化していた。
 が、やはりここは老舗洋食店!ただのレタスのわけがない!
そう、そのレタスはドレッシングなんてダイナミックな味付けではなく、おそらく塩にこだわった、とても繊細な味を表現していたのだ。そのおかげで、レタスはレタス本来の食感を損なうことなく、またレタス自身の甘みを存分に楽しめるる作りになっていたのだ。
 レタスを一口食した後
「これは、きっと良質な塩使ってるのよ〜」
「この味は他では食べれないわよ」
なんて、ころっと態度を変えている私達は、とても単純なのであった。

こだわりを感じる。このお店の他メニューへの興味も尽きない。
コンソメスープを頼んだら、具は全てスープに溶けましたといわんばかりの、
金色の具なしスープが出てくるのかも。
by akiha_10 | 2004-06-27 19:41 | Stomach
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