曲をつくる時、唄う時、
ハートの形をした、 巨大な感情タンクを、 真ん中からすとんと割って、 その断片をじっと見ている気になる。 それは時に澄んだ青そらのようにも見えるが、 単に、毛細血管がはりめぐった器官に見えることもある。 模様のバリエーションは無限で、 どこの惑星よりも広い空間で、 ひとときも同じ形を残さない。 模様をつくるのは、思い出なのか、今の気持ちなのか、 むかし、こんな想いがあったような、なかったような、 時には大げさに青春しているふりをして、 だから感情はやっかいだと思いながら、 実は大事に抱きしめている。 あつくるしいのは苦手だが、 それは単に共感できないあつくるしさだからだ。 自分のものについては、 おそらく後で「やっていた」ことに気づく。 ど真ん中で感動している時には、もう遅い。 自分も相当あつくるしい。 感情の断片。 人間の細かい表情や仕草がみせた、 色合いと、質感が、自分の断片と似すぎて、 わたしのものとなる。 なにも起こらない短編小説のなかに散らばる、 たとえばソファーの隙間にぴったりはまって気持ちいい指のような、 ちっさく深い共感が、 心の宝箱の鍵をそっと開けて、 ずっとずっと、居座るのだ。 愛と、人間の、なんと情けないこと。 映画「パリ、ジュテーム」を観た。 様々な監督の、パリの街角を舞台にした5分のショートムービーをつなぐ。 もっと映像がテクニカルだったり、 ファッション色の強いものかと先入観があったが、ちがった。 絵はがきを繋いだようなイメージのパリ、をこえて、 等身大のパリがある。 憧れのパリではなく、愛着のパリである。 そして、まさにパリが20区、エスカルゴ状に成っているように、 感情の断片が、陰ったり光ったりしながら、各地で渦を巻く。 からまったままの、ビーズのネックレスのように。 キラリと見えた、断片の、なんてうつくしいこと。 これ、わたし、好きだ。 結婚記念日の近い両親にチケットをわたした。 ![]() 3月7日、2マンライヴにお越し下さった方、 本当にありがとうございました。 また遊びにきてくださいね。 21日は大阪に行きます。 目標は、 一曲一曲を、短編小説のように。 頂きもの、スコーンとジャムと午前11時
by akiha_10
| 2007-03-10 19:28
| Daily thinking
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瓜生明希葉/INFORMATION
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