<< page t-43    T... page m-14  マンスリ... >>

page t-42  Tool mouth 3

page  t-42  Tool  mouth   3_a0028990_052408.jpg




ケミィ撮影員に撮っていただいた写真の中でも、
一段とうれしそうな写真は、
他でもないゴハン写真だったりします…。
ああ、くいしんぼうめ、、でも、、食べるのしあわせ…!
おいしいっ!




本能に直撃する満足感、、、、
ああ、イタリアよ、健康な身体よ、ありがとう。グラッツェ、オーソレミヨ。
なんといっても、粉ものの美味しいこと!
パスタはもっちりとしている。
うどんでいうコシ、弾力がちがう。
グローバル食大国の日本であっても、
味付けこそ、ほとんどそっくり輸入できていても、
この、コシだとかは、なかなか真似できないように思う。
ニューヨークのベーグルにしろ、
一体なにが違うのかと不思議に思う。
気候とか、湿度とか、小麦の状態だとか、力加減とか、
もう、いろーんな条件の微妙な違いなのかもね。




一本一本の芯が残っています。
もっちゃりしてないのね。
リゾットなんかも、雑炊になるべからず、しっかりと芯が残っている。
だからリッチなクリーム系でももたれない。つかれない。
パスタならば、ソースと絡んだ生地感を楽しむのに、
幅の広いフェットチーネなんかもいい。
トスカーナ系のあるお店では、
ガーリック風味のオイルをフェットチーネに絡め、
上からトリュフを散らしていました。
とても香ばしい味、おもわず微笑む味。
フォークのスピンは速くなるばかり。
いやらしく鼻につく上等さですが、
1000円前後のランチとして楽しめたりもする。
きっともともとある食材が豊富なのね。
本場のちからね。




パンもおいしい。
しっかりとした塩気があるけれども、噛めば噛むほどモアボーノ…。
パスタを食べつつフォカッチャをつまむ。
まるで、お好み焼きと御飯の組み合わせ。
調味料追求隊のケミィは、
オリーブオイルやバルサミコをいつもチェックします。
指先で舐めてみては、あら癖がない、とか、いろいろ言ってました。
美味しいオリーブオイルと塩だけで、
かなりの食材が魔法にかかるといって良いでしょう。




よくお目にかかったのは食材は、page  t-42  Tool  mouth   3_a0028990_29915.jpg
パプリカ、ズッキーニ、ナス、トマト。
なんとも鮮やかである。
イタリア発のインテリアやお洋服、
その色合い組み合わせやセンスは、
これら幼い頃から親しみのある食材だとか、
お料理と無関係ではないと思うのです。
実際、ピッツァマルゲリータの、
トマト、モッツァレラ、バジルの色は
イタリア国旗の色そのものであるように。







しっかりとした味付けのイタ飯には、
さっぱりとしたプロセッコやイタリアンワインが合うのかしら…
と超、生意気にマリアージュなんかに考えをめぐらすことは、
「大人」のわたしへとっておきたい楽しみのひとつなのです。
といいつつ、まだまだ「こども」のくせに、
生意気にも今、ワインに詳しいミュージシャンの方の
お話を聴くことがとても楽しかったりします。
なんだかとてもセレブリティな話題なので、
縁遠きかと思いきや、なかなか興味深い。
おっしゃることには、
フランスのワインは傾向として、奥があって味わい深く、
イタリアのワインは享楽的で、とにかく楽しいのだそう。
面白いね、ワインを切り口にしているけれども、
これって、お国気質、人柄、空気、文化芸術、
すべてに共通してそうだもんね。

好きこそものの上手なれ。
「夢中力」にかなうものなし。わくわく。
いま、書いているまさに最中、
このテンションの高さに、
自分の食好き具合を再び自覚するのです…
ところで、一体「大人」になるのはいつかしらねぇ??









たっぷりとエネルギーも蓄えたところで、
やはりここに登らずして帰れません。
フィレンツェのシンボルともなるジョットの鐘楼、
その頂上をめざし、
狭く薄暗い414段の階段を休み休みにのぼりつめる。
この閉塞感と限られた採光、
永遠と続くかのような足場の浅い階段、
城に閉じ込められた姫を思わずにはいられない。





たどりついた頂上でいっきに場面は変わる。page  t-42  Tool  mouth   3_a0028990_0502610.jpg
息のはずんだ身体も、もう上がらない足も、
すべて報われる。
ドゥオモをとらえたフィレンツェの鳥瞰図。


「ずっと観てたいねぇ…」
どうやら、剥き出しの太陽もくたびれたらしく、
涼しげな風に流れをまかせて、
雲の下にそっと身を潜める。
真上の鐘が街空に響き渡るころ、
控えめにも美しい夕陽にかわる。







…………
ケミィとわたし。
ふたりして顔をオレンジに染めて、
しばらく黙ってしまうのだ。
by akiha_10 | 2006-08-07 01:35 | Trunk
<< page t-43    T... page m-14  マンスリ... >>