ベルリン滞在中、
![]() 朝、扉をあけるとキーパーさんがちょうどワゴンをひいて通りすぎたり、 昼、一度荷物を置きに帰ったらちょうど自分の部屋を掃除していたり。 自分の泊まっている、5階のフロア担当なのかな、なんて思いながら、 気付けば、今日はそのキーパーさんと会うか会わないかという、 小さな期待も抱くようになっていた。 というのも、キーパーさん、同世代らしき女性で、 なんとなく親しみのわく空気を持っていた。 それは曖昧なものだが、言葉を越えた、 ピピピとくる交わりであった。 互いに目を合わせてふふふ、とするうちに、 連帯感みたいな、妙な結びつきというのか、そんなもんを感じた。 毎朝決まって同じ車両で出くわす、あの人、といったところだろうか。 わたしは小さい頃から、旅行先の宿泊地でペンとメモが用意されていたら、 最終日にキーパーさんへ、ありがとうメモを残す事がよくある。 なんとも素敵なエピソードに聞こえるが、 ゆったりとした時間にペンとメモがあったら、手持ちぶたさに、 つい落書きしちゃうよね、の延長であって、きっかけは「遊び」なのだ。 (感謝はほんものよ) いつもは去り際に「置き手紙」をするのがスタイルだけども、 今回は特別、滞在中の朝にメモを残してみた。 いつも完璧なベッドメイキングをしてくれるあのキーパーさんにお礼もこめ、 「Ms.cleaner If you like,try me.」 というメモとチップ、日本から持って来たおかきを添える。 さすがに、知らない外人からの食べ物のもらいものは躊躇するだろうと、 おかき、は小包装のものにした。 よし、さて出かけようと部屋を出ると、やっぱりちょうどエスカレーターで 入れ違いになって、互いにまた、ふふっと会釈した。 下がっていく階数ランプを見つめながら、 ベッドサイドのテーブルのおかきを思い、にやりとした。 外の雲は今日も低い。 またまた、ミッテ行きのバスに乗る。 一番行きたかった、ベルリーニッシュギャラリーは 昨日、足場とアクセスが悪いなかでちょっと頑張って行ったが、 ちょうど休館シーズンのようで入れなかった。 お得なシーズンオフの旅では、 気候とメジャーな観光スポットのオフ、には目をつぶらなければならない。 しょうがないね! ミッテは、観光地というよりも根付いている街。 寒くても吹雪いても開いている店が多いのでありがたい。 今回の旅で一番空間として心に残ったのが、 テレビ塔にほど近いステーショナリーのお店、「RSVP」。 これぞ、東西融合、モダンノスタルジーじゃない?と思わせる空間。 天井から床まで突き抜けているシャープな格子の棚、 シンプルで簡素なドアや窓。 しんとした店内。 どうしてそんなに冷たく感じないかというと、 店内全体が優しい色合いの木素材でできているから? 人と絶妙にいい距離感。 無口なノートやペンを見つめると、ふつふつと、物欲が沸騰してきた。 買いたければどうぞ?という佇まいもまた、そそられるのです。 大人しく可愛いステーショナリーは、店内にとても合っている。 本当に、それ必要?という問いかけは、コレクターにはほとんど無意味である。 持ってるだけで、しあわせ。 この、しあわせ、があるなら、それはモノを買ったのではなく、 しあわせを買ったんだもんね。ぷつっと切れた。 ポストカードとか、シールとか、これもあれも、かわいい!買っちゃお! 筆まめになると決めて一昨年買いこんだ、ケートスペードのカードたちも、 結局、カンカンの中で「いいもの」として保存されている。 「宝の持腐れ」だとふとよぎるが、モノには使うものと、 所有して見て楽しむことで充分に役目を果たすものがある。 それはたしかよ。 一目惚れのコヒノールのカラーペンシル! ![]() コヒノールはチェコの文具メーカー。 あらら、一緒にベルリン来ちゃったね。 ペンの上をプッシュすると、カラー芯がするっと出てきます。 本当に感動するほど綺麗なペン。うっとり。 なぜか脳内では、これをディスプレイする キャビネットのイメージが飛び交い、 話はさらに飛躍して、そのキャビネットは こうゆう部屋に置かれるべきだと想像したり、 いっそモダンノスタルジーにお部屋を改装しようかなんて企んだり、 降りるバス停を間違える程、空想会議は白熱したのです。 ほらね、アイテムひとつでここまで拡がるならば、‘買い’でしょ? 部屋に戻ると、 サイドランプに照らされた メモがひかっている。 Ms.501 Thank you very very much! Snack is so good,,I am so happy. From cleaner かしこまったベッドに、すこし照れた。
by akiha_10
| 2006-04-27 00:21
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瓜生明希葉/INFORMATION
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