<< page m-9   マンスリ... page t-30   ... >>

page f-5 「クラッシュ」

久々に、深いところにつき刺さる映画を観ました。
「クラッシュ」。




人種差別に対する問題提起というより、
もっと根本。
人の心の、ありのままの姿を、
すこしずつ剥がすように、明かしていく。
なんと、よわくて、臆病で、ズルくて、愚かで、うつくしいことか。
観終わったあとは、ただ受け入れるだけ。
潜水するように、わたしの心のなかにはいっていき、
哀しく光る塊が、ずっしりと居座る。
表にされたLAの社会問題は、
例えば皮膚に現れたデキモノのように、
「衝突」を目に見える形にした一例だと思うのだ。
衝突は常に身近で起こっている。
この映画では、なんでそうなってしまうのか、という
人の心の、ねっこの部分にメスをいれる。


二年前に旅したロス。
ケミィとわたしは飛び乗ったバスの中で、なんとなく縮こまってしまった。
相互に発している、「よそもの感」がクラッシュしていたのだ。
そんな空気のねっこにあるのは、
たぶん反射的に自分で作りだしている恐れであって、
その恐怖は目に見えるわけでもないのに相手に伝わってしまい、
より一層お互いの境界線を強めるモトになるのだ。

始終、自分を問う映画でもありました。
しかし登場人物全員を、なぜにこんなに愛おしく感じてしまうのだろう。
なんど振り返っても、ほんとうに、すばらしい脚本!






立て続けに「ホテルルワンダ」も観ました。
役者ドン・チードルつながりでもあります。
先に観た「クラッシュ」で、問題の中枢に触れていたのもあって、
なんでこうなっちゃうのかな…、
でもこれがひとなんだね…わたしもそうだし…
といろんな考えが巡り巡って、憤りの涙がとまらないのです。


衝突は、単に人の心がつくりだしているだけなのかもしれません。
目に見える形で起こった衝突は、自分と相手の心の衝突であり、
紐解いていけば、それらの大本は、
結局、自分自身の心の中で起こっている衝突なのかもしれません。


film
「クラッシュ」 
「ホテルルワンダ」

よかったらみてみてね。
by akiha_10 | 2006-02-24 01:11 | film
<< page m-9   マンスリ... page t-30   ... >>