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page t-21 週刊 北欧④

一番好きだったストックホルム。page t-21  週刊 北欧④_a0028990_453355.jpg
動きやすく、好きなお店もいっぱいあり、
なにより景色がいい。
ストックホルムの中心地は運河をはさんで
北側と南側に分かれている。
地下鉄は、北と南を運河に浮かんだ
ガムラスタンという地区をはさんで
南北に行き来する。
街の中で地下にもぐっていたメトロは
橋を目の前にして、
パーッっと視界を広げる。
地上に出る瞬間だ。



これがやみつきになって、フリーパスをいいことに
朝、昼、晩と無駄にこの橋を渡る区間だけ地下鉄に乗ってみました。
これはまるでポケットティッシュ欲しさに、さりげない小芝居をまじえながら
そこを何往復もするのと、たいして変わりません。
それでも空の色を変えていく景色を橋の上から眺める時は
自分のちっちゃさを吹き飛ばし、うっとりさせてくれます。
「ここだけもっとゆっくり走ればいいのに…」と
また!乗っている東洋人は勝手なことを思うのです。

南側のスーデルマルム地区は楽しいお店がいっぱい。
ティオグルッペンというブランドのポーチを3年前くらいに買ったことがあって、
それがストックホルムのブランドだということはここで知りました。
マリメッコ同様、なんとなく本店はおさえときたい、
と思わせるこの気持はなんでしょうか。
そして、なにを買うわけでもなく「行った!」
ということが心を落ち着かせるのです。
かなり個人的満足の世界ね、あはは。

page t-21  週刊 北欧④_a0028990_463993.jpg友人に教えてもらっていたモデルセブンティという60〜70年代の
雑貨(主に食器)や生地を置くお店ものぞきました。
原色でポップ、素材はプラスティック、が目立つ70年代の食器は
おままごとセットのようです。
凹んで仕切ってあるプレートはお子さまランチを蘇らせます。
弁当箱なり機内食プレートなり、フレーム好きの私は、
その枠内になにが置かれるのか、考えるだけで楽しいのです。
いい加減な性格ではありますが、
一定の空間内でバランスよくまとまってるのを
見るのは、なせだかとてもきもちいー。
結局食器は買わなくて、
いかにも北欧らしい生地がまとまってあったので、
これでスカートをつくろう、と企みながら買いました。
バービーのような店員さんに「タック(ありがと)」と言って店を出ます。


そうそう、旅をする時、その土地の
「こんにちは」とか「ありがとう」とか、使えそうな言葉だけを
てっとり早く覚えて、無駄に言いたくなるこの気持はなんでしょう。
そういえば私はイタリアでブオナセーラを連発し、
フランスではメルシーメルシー言ってた記憶があるような。
しかし、それで気をよくした現地のおばちゃんとかがその言語で話を続けようもんなら
急にさっきまでの威勢はしぼんで、ノーノーと首を振りながら後退するしかないのです。
ここストックホルムでも、はじめは「タック」ととりあえず言いたいので
ここだ!というチャンスは逃さず言っていきました。
でも、だんだん飽きてくると、気のぬけたアヒルのように聞こえてきて
「なにがタックよ」と自分にしらけていったりもします。



page t-21  週刊 北欧④_a0028990_472212.jpgスーデルマルムから橋を渡ると北のエリアに着きます。
小道に迷いこめば、照明もぐっと落ち着いて、
点在するカフェやリストランテがおでむかえ。
本当に美味しそうな香りがして、
美味しい会話がまた、ナイフとフォークが皿上で奏でる音と
心地よく馴染んでいるのです。
石畳の小道は、「侵入禁止」と書かれた看板が
さがっているような気がして、だからなおさら気になる。
この雰囲気、どこかに似ていると思ったら、ベネチアかもしれない。
運河と小道、人と食、光と影。
そして、いつでも見えないものは神秘的で、こわくて魅力的。


そろそろっと2、3歩踏み入れて戻るのだけど、
見た感じ、小道は秘めごとを巻きこんで続いてる。



基本的には記憶貯蔵庫の容量があまりない私。きっかけ次第でいっきに蘇生するのだけど。
記憶が曖昧になってきていても、最近やっとその時の北欧の季節に追いついてきたもんね。
写真を見ながら、これどこ?と首をかしげながらも、旅は終われません。
あと少し続きます。
by akiha_10 | 2005-10-31 23:06 | Trunk
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