すこし長めの旅に行っていました。
パリの空気はすでに秋の気配。 パリ… ああ。もう、どうして、こんなにひかれるのだろうと、 テラスに座ってゆっくり考えてみました。 パリはゆっくりが似合う。 美術館のような街並と、そこを颯爽と歩く人々の雰囲気や、 街角にちらばった芸術…とか歴史?色?いろいろ? 目に見える「好き」を挙げたらキリがないね。 だけど、多分一番大きな魅力は価値観だと思います。 もしかしたら、フランスに流れる価値観が自分に合っているか、 またはそうありたいと思っているのか、そんな感じではないかしら。 なんせ前世は思い込みミシェルやからね。 着るものを工夫したり、食を楽しんだり、居心地のよいものに囲まれる。 たしかにね、衣食住の量的な充実ぶりなら、日本は負けない。 けど、なんか違うのね。 日本は、生活を豊かにするための衣食住が、 手段を越えて、本来の目的をのみこんでしまいがち。 とにかく短気で、求めてもないのに、いつもお腹いっぱいなの。 こっちは、自分の(じぶん、というとこが鍵。)生活を豊かに楽しくするための 手段として、求めてはじめて用意されるかんじ。 だから自分の好きな物も事も、自然に見えてくるし、 それに対して周りもほっといてくれる。 いっぱいあるのは選択の練習をさせてくれる環境と、考えるための充分な時間。 だからさ、街全体が自由で気ままで、無理がないんだよね。 フランスには「アール ド ヴィーブル」という言葉があるんだって。 日常生活を芸術として楽しむっていう意味らしい。 隣でワインを飲みながら誰かを待っているマダムとか、 お客とずっと話して鼻歌まじりに笑うギャルソンとか、 メニューを「マドモアゼル」と言ってさらりと置いちゃうウェイターとか、 あー、この言葉が根底に流れているのね、と思う。 フランス人は働かないとかいい加減とか言われるだけに、 なるほど、さっきお会計を頼んで、全然来る気配なし、 いやいや街行く人が絵画になるなら、それを楽しまなきゃ。 すべてのことは必ずプラスとマイナスを持っているからさ。 ビジターだけに、きっと見えてない部分もあるんだろうけど。 あらためて、豊かさってなんだろね。 こんな具合に、さんざんまどろんでも伝票が来なくって、 ウェイターを呼んじゃうあたりが、まだまだ私、短気なビジター。 旅の写真は残暑のギャラリーにて。
by akiha_10
| 2005-08-16 00:36
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瓜生明希葉/INFORMATION
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