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ニューヨークジャーナル 158

しばらくブログを書いていないと思ったら、すっかりひと夏スキップしていたのですね。
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この夏は日本で芝居の音楽を書かせて頂いたり、北欧を探索したり、めまぐるしく過ぎ去ってしまった。少しずつ思い出を掘り起こして書き留めていこう。

コネチカットに住む友人が近所のコミュニティで開催されるホットチリ料理コンテストに出場するというので遊びに行ってみた。郊外に行くと、可愛らしい家やよく手入れの行き届いたガーデン、工具がたくさん置かれたガレージ、といかにもアメリカらしいゆったりとした風景に出会う。NYはアメリカというより、どこにでもある大都市の風景にパッと見似ている。愛着の目で見ると、どの都市でもないNYだけのアイデンティティをどんどん発見していくのであるが。

ホットチリ(チリコンカーンのことを言っているらしい)とはメキシコ料理で、よくタコスやホットドッグの上にソースとしてかけられている。チリコンカーンは挽肉、トマト、唐辛子、タマネギや豆を炒めたものがベーシックで、ハーブや香辛料、チョコレートを入れてみたり、というアレンジで味があらゆるベクトルへと変化する。なにを入れても外れはない、という創作実験意欲を受け止める柔軟性かつ包容力のある料理というところでいうと、日本のカレーのようだ、という印象を受けた。

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参加者は12組で、レストランから近所の子どもたちまで参加し個性豊かなチリをふるまう。入場は20ドルで、チリを食べて周り、地ビールもついてくる。そして一番好きだったチリに投票。ご近所さん達で行う小さな集まりのイベントだったが、この長閑な風景はNYで日々違ったハブリングや出会いを楽しみ、時に消耗させなが追求しパワーを持って生きる(なければならない)大都市にいる自分と鮮やかなコントラストとなって、似非シティガールは想いに耽る。



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とうがらし着ぐるみ…
The Spice Guys…
わたしが思うアメリカっぽさ。

コーヒーパウダーと無糖チョコレートでコクをつけた
という友人のチリは三位に入賞しました!







フードといえば。
フードコラージュムービー「Hungry Kitty2」をアップしました。フードへの情熱、フードある空間への愛を形にしていきます。なぜわたしは表現や創作をしたいのだろう?という事を考えた時、その根幹には生きる楽しみや味わい深さ、生きる不思議さ、「生きる甲斐」のある美しい瞬間や幸せを、周りの人と共有したいという思いがあるからなのです。わたしは小さい頃から「なぜ生きているのか」という永遠の命題から逃れられずにいます。この世を見るため、味わうため、笑うため、美しいものに触れて心を震わせるため、とわたしなりの考えを信念として持っています。人によっては、何かを成し遂げる、名を残す、子孫を残す…と答えはそれぞれでよいと思うのです。そもそも答えなどなく「なぜ生きているのか」考えることそれ自体が生きる目的なのかもしれませんし。その疑問に至らない人生もまた、天然にふんわりと過ごせるラッキーな状態かもしれませんね。

そうして「楽しむための人生」を掲げた時、食べる事は一日なんと2,3回も(間食もいれたらもっと!)わたしに生きる楽しみを与えてくれている、時に救われている。美味しいものを食べている人の顔を見るのが好き、そこでひろがるホクホクした空間が好き、おいしい食べ物の前で人は無防備になる。その瞬間がたまらなく好きなんです。わたしの楽しみ、好奇心のコアである食や食文化に、新しいアプローチで寄り添っていきたいです。

去年の暮れから米国アーティストVISAアプライの準備を自分で始めて取得することができたり、真剣に考え抜いて新しい事を始めた体験を通して感じていること。目標を掲げ、それにむかう行動の大切さ。「舞台の制作に関わりたい」と掲げた中学生時代、北九州の田舎でえいっと出したデモテープがきっかけで、今こうして関わらせて頂いているのも、あの時の行動があったからこそ。自分の未来は今の自分がつくっている。行動のひとつひとつは「これはちょっと違ったかな?」という事でも、それが判断材料になって次に試す方法が芋づる式に自然と浮かんでくる。これはただボヤっと考えていただけでは起こりえないこと。トライ&エラーとはこういうことなんだ。コレ!というものを見つけるために、進んでエラー(かもしれないもの)を踏んでいく。エラーの方法を全部試したら、消去法で正解は炙りだされる。エラーをおそれない、恥をおそれない。ワンチャンスの自分の人生、悔いのないように。楽しいことが大好きなニューヨーカーが、遊ぶことが大好きなアメリカ人が、時にエクスキューズ混じりに口々にする”Life is short”、まさにその通りだからね。

気長に楽しく続けますのでどうぞ応援よろしくおねがいします!
Hungry Kitty Facebook


by akiha_10 | 2013-11-01 01:59 | NY Journal
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