写真を眺めるのは好きみたいで、
写真を勉強している友人の作品展などにふらっと行くことも結構ある。 そういえば、メトロポリタン美術館のポートレイトコーナーが興味深くて 昨年、若干バテ気味で先へ先へ行こうとする同行者ケミィの腕をおさえながら鑑賞した。 直立不動でならんだ家族、夫婦の写真がただひたすら続く。 カメラとまっすぐ向きあう表情には、ごまかしがきかないようで、 一枚の写真で不思議とその人物達の生活や関係、ほんの一部だけど内面が伝わる。 時間の瞬間を切り取った絵だけで全部を決めつけてはいけないけど、 その一枚が微笑ましい気分にさせたり、じんと心痛む気持にさせたり、 写真には瞬間だけにおさまらない過去と未来を感じさせる力があると思う。 きっとこうだったんだろうな、これからこうなるのかな、と。 現実には、人も環境もその時々で驚くほど変わることも多いけど。 でも過去の分量が多い老夫婦の写真ともなれば、単なる想像ではない。 いろーんなことが刻まれた顔が、ごまかせない証拠。 気になっていた「森山新宿荒木展」に行ってきた。 日本を代表する写真家の森山大道さんと荒木経惟さんが新宿をテーマに撮影。 こうして改めてみると、新宿は「日本の東京の新宿」というよりも、 なににも属さない「新宿」という一つのワールドだなあと思った。 どこにもない独自の文化を持ち、 街も人間も感情も入り交じっていて、エネルギーがある。 新宿特有の猥雑さ、早朝のだるささえ、この街を鮮やかにしている。とても人間っぽく。 でもさ、同じ新宿でも、いろんな偶然が作り出した、 この写真と同じ新宿はもう見ることはできないよね。 ここに映っている女の人と、この自転車の人は多分二度と擦れ違わない。 写真のおもしろさは、こうゆう偶然性とか瞬間美にあると思う。 いろいろ考えてみたけど。 いつもと同じではないのね おもしろいことは細部に宿るのねと、しみじみ。 少しあったかくなってくるので、ちょっと歩いてみようかね。マスクマンになってね。 ね。
by akiha_10
| 2005-03-08 22:49
| Art
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瓜生明希葉/INFORMATION
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