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ニューヨークジャーナル 114

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カンクン、キューバの旅からNYに帰ってきて一息!旅の記録は追々。
NYに着くなり、なにやら面白そうなものは何ひとつ逃すまいと貧乏性のスイッチオン、
妙な焦燥感がすこし心地よく感じるのは都会ホリックだからでしょうか。

先月頭にNYに参上した母ケミィが、NYで人々を興奮させる正体は街中を占拠するイエローキャブのあの「黄色」やないやろうか?とぬいぐるみ顔のケミィにしては鋭い分析を。
色の心理効果というやつですね。マクドナルドのヴィヴィッドな赤、黄色などの色の組み合わせは主に子どもたちを「楽しい」という興奮状態にさせ来店の誘導に効果的である、などと聞いたことがありますが
(そういえばアンパンマンも似た配色ですね!)そうか、この「黄色」がハイにさせるんかもねぇ。試しにNYのすべてのキャブを地味めな茶色になんてしてみたら、NY全体にどのような効果が生まれるのだろう、という興味が湧いてくる。


「街中でもインターネットの世界でも、すべての看板や広告は(一瞬まったく広告とは思わないものまで)人が最終的にはお金を落とすように仕掛けられている。商業的な時代や街で生きる以上、私たちはいつも何かに操作されていて(しかも最後まで操作されているとは気付かないことも)トラップだらけの場所に生きていると思う悲しいよね。自分の意志と思って動いていることのほとんどが、なにかしらによって誘発されている。」とNYで出会った最も頭脳派のキレものと言えようアメリカ人の友達が言っていたのが印象的、
そんな彼もネット上でまさにその仕掛けのシステムをつくっている張本人。
30代前半という若さでどこでも仕事ができ、
いつ何時でも旅をすることが可能なノマディック自由人間なのだが、
人の心理を読んで仕掛けた誘導が見事機能して、人(クリック)が群がる様やお金の流れを見ていると、
わたしとは空の高度が遥かに違う高い目線で物事を鳥瞰しているのかなぁなどと想像する。
予想した通りに人やモノが動くという仕事の手応えと共に、
おそらくその単純さや、大衆心理の恐ろしさみたいなものを日々目の当たりにして
きっとわたしが知らない景色を見ているんだろうなぁ、
彼から発せられる言葉たちには天才ならではの上から目線の空気感よりも、若干の悲しさが漂う。
お金も時間も自由で好奇心も旺盛、やろうと思えばなんだってできる彼が何を考えているのか話を聴くのは興味深く、視点がいつも面白い。
今はとりあえず、「明日からトルコかな」くらいの思いつきで世界各地をまわっているようだ。
わたしたちの本当の根源的な欲求ってなんだろう、
しかし果たして、生理的欲求以外の欲望(ああなりたい、とかあれ欲しいとか)は
溢れる情報やモノ、比較対象といった外的要因なしに生まれ得るのだろうか。
砂漠や深海で感じた、なにも無いのにすべて有るという充足感を思い出すたびに
わたしはモダンタイムスのような資本主義の欲望の滑車に自ら飛び込んで、ぐるぐるしているような気がしてくる。それでもわたしは都会が好きなのはまた何故だろう。
彼が話していて賛同した言葉。
If you are depressed you are living in the past,
if you are anxious you are living in the future,
if you are at peace, you are living in the moment!
(もしあなたが落ち込んでいるなら、あなたは過去を生きている
あなたが不安を感じているならば、あなたは未来を生きている
もしあなたが平穏を感じているならば、あなたは現在という瞬間を生きている)
程よい向上心はいつも携えながらも、
けれどもそれによって過去や未来に重きを置きすぎるよりは、そういったものは裏ポケットにそっとしのばせ
たまにチラっと見るくらいにして、「じゃあ今なにやろう。これでいいのだ」とにんまり、
毎日が本番なのだ。




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六月からイベント満載な夏のNYを駆け巡っています!夜の9時まで陽が落ちぬいま、夏のNYはあつい!
たくさんの屋外イベント、ライヴが行われているのですが、印象的だったのはスザンヌ・ヴェガを聴きに行ったRIVER TO RIVER FESTIVAL。このフェスティバルでは三週間ほど毎日時間刻みで朝から晩までフリーイベント(音楽、アート、ダンス、芝居、、、)が行われていました。マルチメディアオペラという映像を多用した作品を観に行ったり、公園のライヴに行ってみたり。


思い思いにピクニックセットを持って芝生に転がって鑑賞。サンセットに照らされるステージを目の前に音楽を聴くリラックス感は格別なものでした。その場全体が、美しかった!市ぐるみで文化芸術を支援して、誰でも平等に楽しめるようにと無料で開かれた場を積極的に創っているNYって本当に粋としか言いようがない!



ケミィとNYロブスターを食べにウエストヴィレッジのPearl Oysterbarへ!おいしい。
ケミィ滞在中に観劇した米倉涼子さん出演のブロードウェイミュージカル、シカゴもとても素敵でした。
本当に努力されたんだろうなぁ、と勇気をもらえます。
舞台背景の20年代シカゴも振り付けののBob Fosseも、音楽のKander&Ebbも大好きなので
シカゴのナンバーは全曲ピアノで弾いて唄えたりして。
ロキシーの、色気とスキャンダルを武器にして、なにがなんでも金と男と名声を!という
賞賛に値するあっぱれの強欲さ(NYに来て肌で感じたアメリカンドリームへの憧れや、お金や名声や成功への欲求をてらいもなく直球に表現する感じ)はアメリカ人独自のものなのか、
アメリカの大都市で育つ中で培われる独特なもののような気もして(そういった気概は今やコリアンやチャイニーズにも感じるかもしれない)とても美しくチャーミングな米倉さんは、
わたしが今まで観てきたロキシーの中では最も上品な、
「しおらしさに」もっとスポットの当たった、また違ったロキシーを魅せてくれました。
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by akiha_10 | 2012-07-19 09:26 | NY Journal
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