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page s-9 ぐまちゃんとランチ

幼馴染みのぐまちゃんとランチに行く。
ぐまちゃんも食べるのが大好きで、よく笑うので
よく会っては二人で畳み掛けて笑う。
彼女が私のことを「ウリュウさん」と呼ぶのが、既におもしろい。
幼馴染みなのに。

行ってみたかったオーガニックカフェに入るが、
ちょっとチョイスミスかもしれない。
しっとり空間に、大笑いと方言はマズくないかい?
「隅の方がいいねぇ」と言っていた矢先、案内されたのはちょうど真ん中の席。
「今日は、しっとり系で。」と打ち合わせるが、次第に大きくなる声は誰にも止められない。
ぐまちゃんとご飯を食べると、味より話に夢中になってしまうから、実はあまり覚えていない。
ただ、野菜と蓮根がシャッキシャキだったのは確か。

ちょうど、何周年かのキャンペーンをやっていて、
オーガニック野菜や、グッツが当たるくじをやっていた。
当たる気がしなかった私は、案の定ハズレたが、ハズレ賞の愛媛無農薬蜜柑をひとつ頂いた。
そして、ぐまちゃんは、5等賞を見事に引き当てた!!
「なんだろね、なんだろね。」と期待に胸をふくらませて待っていた。
見事な5等賞品は「子どもがすくすく育つ本」。
「へぇ〜や、やったぁ」と言いながらも、残念顔を隠しきれてない。
さすがはオーガニックカフェ、オーナー執筆の本であるが、
ラッキーぐまちゃん、どうも納得がいかない顔をしている。
実際食べ物を期待してたからね、グッツならまだ良かったね、てゆうか子どもいないしね。
ぐまちゃんの心の声が手に取るように分かった。
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6等賞が、その店自慢の「ごま塩ふりかけ」だと知って、
ますますぐまちゃんは苦笑いになった。
たしかにテーブルに常設してあるごま塩は美味しかった。
分けた小蜜柑をむきながら、「ごましお!」と呟いて惜しんだ。
くじ引きの賞品の順位なんて、人それぞれ。
商店街のくじ引きで、
老夫婦が一等のスノボセットを当てた時のように。




そのうえ、ぐまちゃんは小さなオシャレバッグで来ていたので
もらった本が入らない。
最後にぼそっと「ウリュウさんコレ要る?」と言ったのが忘れられない。

ちゃんと読んだかな。
by akiha_10 | 2005-01-12 10:57 | Stomach
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