![]() ローワーイーストサイドに引っ越して数日が経った。 今まで短期で宿を繋いでいたけど、少し長く住みたいなぁ。 こちらの家は家具付きであることが多い。 いつ旅立つかわからない旅人としては、そちらのほうが好都合で家具を買う必要はないのだが、 寝具をそろえたりと(ベッドは備え付け)何かと細々生活を調えるのに奮闘していた。 それなりに人間らしく(窓があったり、お湯が出たり。)マンハッタンで暮らそうと思えば、 その家賃といえば決して大袈裟ではなく 東京都内のよいロケーションの新築物件のワンルームのそれよりも ルームシェア(バス、キッチン共用)をするほうが高く、皆その高さにいつも嘆いている。 だからNYでは恋人、またはデートしている相手と比較的すぐ一緒に住みだす。 それはいつも一緒に居たいという甘い響きや、次のステップという人生計画という意味ではなく 第一の理由は家賃のためだったりする(もちろん上記のことも込みだと思うが)。 そして恋愛関係が冷めきって別れても、次の場所が決まらず、または家としては居心地がよいからと そのまましばらく一緒に住み続けるという奇妙で微妙なパートナーシップを暗黙に 結ぶ事はわりと一般的らしい。 特にNYに限ってだと思うがこういった欧米人の感覚は、 よく映画であるように、元妻に今の彼女を紹介するといったような デリカシー的に「妙」なフレンドリーさ?にもともと見られるように思う。 いつものように巨大なんでも掲示板craigslist(クレイグスリスト)で見つけたお部屋。 不動産業者ではなく、住んでいる人や部屋を直接訪ねて交渉、というのが わたしたちの世代(サヴァイヴしている人?)ではかなり一般的。 わたしのルームメイトといえばアメリカ人、イギリス人、フランス人、インド人という マルチナショナルなルームメイトで、映画「スパニッシュアパートメント」を彷彿とさせる。 大抵の人は二人か三人でシェアをしているので「学生寮かよ!」と友達につっこまれたが 大きめなアパートメントでバスルームは2つあり、頻繁にクリーナーが来ているので清潔、 わたしの部屋には大きな窓もあり、いくつか見た中でも、なんだか直観で気に入ったのだった。 大好きなロケーション、しかも静かで、ルームメイトもナイスで、こんなによくっていいのかしら! と幸せすぎる不安を抱いていたら、そうは満点は採らせません。 ![]() ある夜キッチンで、這っているそれを横目に見てひぃっ!となった。 南京虫、ゴキブリ、ねずみ、はNYC住宅が抱える最大の問題らしいが、 いたよいたよ、ゴキブリさんが。 日本ほど大きくなく黒光りしていない、茶色いよわっちそうなやつだけど、いや!絶対いや!! 友達の話を聞くと、清潔如何にほとんど関わらず、まあ大抵の場所で出るらしい。 新築やセレブマンションでない限り、 月1プロの駆除業者がスプレーを散布しにくるのは一般的で 今までの家で出ていなかったんじゃなくて、たまたま見なかっただけだよ、と言われた。 ちなみに南京虫には好かれていたよ。 「多様性と共存の街だから」と先輩。 民族間を越えて、with虫ですか。 はじめてゴキの横切りを直視したわたしはおののきすかさず 我が家の大黒柱的ムードメイカー、アメリカ男子マイケルを呼びつけ、殺生してもらった。 マイケルは「リラーックス」と余裕の表情、慣れた手順でキッチンペーパーでそれを握りつぶしておった。 マ、マイコー…こやつは、ゴキをルームメイトならぬルーム虫として迎え入れ、 共生していこうと覚悟を決めておるな。 そうこうしているうちにフレンチガール、カミールがワインを片手に 「どうしたの〜?」とキッチンに駆け寄る。 「ああ、ゴキブリでしょー。わたしも昨日見ちゃって、粉を振っておいたのよ〜」と。 よく見ると白い粉が控えめにパラパラとキッチンに撒かれていた。 「ありがとう!なんか私もなんか対策考えるよ!」としばらく三人で談義していたところ。 カミール、「ていうかさ、そもそもこの粉なに?マイケル? これポイズン?なんて書いてあるのかしら?あはは〜」 って知らんかったんかーい! という感じに、どうやら彼らの中ではあまり問題視されていないようなので、それであればわたくしめが。 根本的に根絶やしにしたい!巣までやっつけたい! 色々と調べたところ、既製のコンバットやスプレーよりも 愛情たっぷりホームメイド「ホウ酸団子」が一番効くらしく、 作ってみました、ホウ酸団子inNYC。 なんだかいっつも虫と戦っているYo!inNYC。 ![]() ホウ酸と小麦(こむぎ!)、たまねぎと牛乳を混ぜてネリネリ。 あ、なんかおいしそう!って違うか。 小麦隊長特製の粉もんだよ〜! 寄ってらっしゃい見てらっしゃい! たんとお食べ〜!と いつのまにやら毒林檎をつくる魔女の「ヒヒヒ」の表情。 効いてくれますように! まあ痒いより全然いいや!と逞しさに磨きがかかる我が精神よ。 エスニックジョーク(それぞれの民族文化のステレオタイプをジョークにするもの)というものがある。 日本人は金持ち、勤勉、精密精巧な思考とものづくり、計画的、集団行動をとる、 自己主張しないというイメージにされているものが大半。 例えば。 豪華客船が沈没して多国籍の人々が救命ボートに乗りました。 しかし定員オーバーで、男の人たちに降りてもらわないと沈んでしまいます。 そこで人々は アメリカ人に対しては、「あなたはここでヒーローになれる」 と言いました。アメリカ人はガッツポーズをして海に飛び込みました。 次にイギリス人に対して「あなたは紳士だ」 と言いました。イギリス人はうなずいて海に飛び込みました。 ドイツ人に対しては「あなたは、飛び込まなくてはならない、それがルールだ」 と言いました。ドイツ人は納得して海に飛び込みました。 最後に日本人「あなた、飛び込まなくていいんですか?ほかの男の人は、みんな飛び込みましたよ」 と言われました。すると日本人は左右を見渡すと慌てて海に飛び込みました。 ![]() ゴキブリ対策に置き換えるならば。 アメリカ人は、特になにも考えず その都度敵を力づくで握りつぶし、 フランス人は、なんだかよくわからないが ワイン片手に陽気にその場をしのぎ、 日本人は、計画を練り、団子を練り、 練って練って練りまくる! みんな(人間)がうっかり団子を食べてしまわぬようにゴキ駆除強化月間の旨を冷蔵庫に。 Don't let them occupy our kitchen!! 多民族と虫?とのルームシェアの始まり。これぞNYC!胸の高鳴りは絶えずして。 NYで創りたいものがあって、おたずねしていた人と先日会うことができました。話して一層わくわく! 出会いとご縁の街! アメリカはイースターです。
by akiha_10
| 2012-04-06 23:07
| NY Journal
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瓜生明希葉/INFORMATION
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