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page t-145       土のかほり、メキシコの彩り 8

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メキシコシティの国立人類学博物館へ。
メソアメリカの歴史を存分に楽しめます。
人類学は佐永子さんの専門分野でもありますので、特別解説員つきの贅沢なミュージアムツアー!
まさに彼女が特に専門に研究しているという、
歴史や系図を読み解く、鹿革に書かれている「絵文書」がなかなかヘッポコでかわいい。
歴史的重要文化研究資料にヘッポコとは無礼ですが、
ご研究に尽力されていらっしゃる当のご本人も
「これが当時の一流の絵書きが描いてると思ったら笑っちゃうよね」と
その道の人公認のヘッポコ具合。
その愛らしさも、熱心な研究へと導いた魅力のひとつでもあるよう。

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え、身体付き木?
木がなんやブロッコリーみたいやし。
謎の風船コスチュームをまとった人類たち。
かなり好きかも。





未だメキシコはどこもかしこも掘ればぽこぽこと遺跡がでてくるほど、
メソアメリカの歴史の解析はまさに現在進行形でなされているらしく、
これはなんだったんだろうね?というのがほとんど。
一度ほぼ断定に近く歴史が紐解かれても、それが次なる証拠と研究で大きく覆ることもしばしばあるそう。
その調べ尽くされていないのが、難解なところでもあり、魅力なんだそうです。
そういったことを聞いていると、研究や創作スパンの見地からすると
ひとつの事ですら、なにかを本気で探求するには人ひとりの人生はあまりにも短いと思う。


1790年に発見されたという、
マヤ文明が残した噂のアステカカレンダー(太陽の石)も。写真右下まるいの。
都市伝説的に2012年12月21日(説によっては22-24日)人類滅亡説は耳にしたことはありますが、
滅亡というものを信じるか信じないかはあなた次第だとしても、
このカレンダーからすると、ただ歴史的な区切りであることは確かのようです。
アステカカレンダーは一日365日の太陽暦と260日の太陰暦のふたつの循環史観をもっており
そのふたつが再び同じスタートに戻るのが最小公倍数の1万8980日、
つまり52年目になり、それを一周年として刻まれているようです。
アステカカレンダーからすると、一人の人生、
二周年をむかえられるかどうか、と思うと果敢ないものですなぁ。


さらにアステカカレンダーには5つの太陽の時代が刻まれています。
4つの太陽の時代は既に滅び、現在は5番目の太陽の時代だとされます。

石には2万5640年ぶんの歴史が記録されていて、それを5等分した、5128年が1つの太陽の時代サイクル。現在の五番目の太陽の時代の始まりは紀元前3114年8月11日であり、2012年12月21日が、今サイクル最後の日となっているわけです。
そう考えると、何が起こるか起こらないかは別としても、
果てしない遠い昔から刻み続けた5128年の区切りの終わりにたまたま遭遇するのは、
なんというか、すこし感慨深い気持になりますね。

ちなみに今まで滅びてきた太陽の歴史は
第一の太陽の世界は神の創った巨人が住み、農耕は知らず、洞窟に住んで野生の果物や木の根を食べて暮らしていたが、ジャガーに食われて滅びた。
第二の太陽の世界は人間は嵐のために滅びたが神は風に吹き飛ばされないように人間を四足の猿に変えた。
第三の太陽の世界はすべてのものは火山の溶岩のため滅び、神は人間を鳥に変えて難を避けさせた。
第四の太陽の世界はすべてのものが大洪水で滅び、神は人間を魚に変えて命を助けた。
(この洪水伝説は、聖書の中の「ノアの箱舟」と似ているらしい。)

となっています。
佐永子さんから説明されて、思わず考えてしまいましたが
第五の太陽は「太陽の子供たち(現在の地球上の人類)は、火と飢えと地震によって滅びるだろう」
と刻まれているらしいです。


マヤ文明のカレンダーだけに限らず、
オカルト的なものから事実まで、偶然にも2012年をきっかけとする事柄が他にもあるからか、
歴史的モチーフである数字「2012」は映画にもなりましたが、
なんであれ、個人レベルとしてはだたただ果てしない宇宙空間と天文学的数字から続く線の
たった一点のたまたま現在、宇宙カメラからするとチリサイズとしてですら捉えられない微力さでありながら
思いっきり息ができて、生活を創作でき、考え感じ、人々と交流し笑える
奇跡とこの超ラッキーさに、感動し感謝して、
どこに居ようが、なにをしていようが、
いつ生の光が消灯しようとも「ありがとざんすー!」と
笑って流れ星のように潔く宇宙へと流れていけるように、
精一杯今日を生きようというところに、やっぱり、立ち返るのであります。



博物館を巡回中にやたらと写真を一緒に撮ってください、と子どもたちに言われるので
「あらあら、まさかのメキシコで噂のモテ期?」とふざけていたら、
どうやら博物館に来ている異国人と写真を撮る、というのが社会見学の課題?
だったようで、完全なるぬか喜び。
メキシコの中学女学生(←昭和?)と。メキシコティーンは無邪気でかわいかった!
by akiha_10 | 2011-11-05 06:42 | Trunk
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