![]() さて、映画「ロスト イン トランスレーション(みじかくLIT)」の 舞台は、まさにこの見上げるホテル、 パークハイアット東京なのである。 二人の外国人男女が、訪れた東京の雑踏の中を過ごす。 馴染まぬ土地で、浮彫となった人間の空虚感や孤独感が 淡々と描かれます。 そんな二人が出逢い、共感し合い、通じ合う場所が、このハイアット。 ちなみにこの作品、私は偶然にも「ロンドン一人ふらり旅」の帰路の 機内で観たのです。 解放感と興奮に包まれながらも、慣れない土地で、 ぬぐいきれない孤独と共に過ごした数日。 あまりにもタイミングとシチュエーションがぴったりなので、 「そうだよね、そうだよね」と深い感動に浸ったことを覚えています。 監督のソフィアコッポラは、名監督フランシス・フォード・コッポラの娘。 女優、フォトグラファー、デザイナーなど、多岐にわたる活躍ぶりはめざましい。 ただ、いわゆる七光的な環境もあってか、その姿勢には賛否両論、厳しい目もあるよう。 私は、チャレンジャーソフィア、好きです。なにより本人が楽しそうだもの。 LITの、二人がタクシーから眺めた雑然とした渋谷や、ホテルの上階の客室から見下ろす都会の新宿は、 セリフの少ない二人の心理描写のよう。 ちりばめられた絵的なカット、 ここはやはり、フォトグラファーでもあるソフィアならではのセンスではないかな。 印象的なのは、さぞかし素敵なお部屋に連泊しているだろう、ヒロイン、スカーレット・ヨハンソンの切ない表情。空がひろがる大きな窓も、心地よいリネンのシーツや一流のサービス、東京を一望できる空間も、 彼女の心の穴を埋めることはできない。 場所や物それ自体には、ほんとは何もなくって、それを感じる心が全てよ、と教えてくれる。 そんな高層ピルを見上げながらエッグパイを楽しむ私は、(軽く憧れは抱きつつも) 単純なことに、結構幸せなのです。
by akiha_10
| 2004-11-30 20:32
| Art
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瓜生明希葉/INFORMATION
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