アテネ夕暮れのカフェ、実は主役は後ろのおふたり(焦点がね…)、の図。
![]() サントリーニ島から本土ギリシャ、アテネへ。 地下鉄がかなり近代的で清潔! パルテノン神殿でツーリスト欲もおさえつつ、 アテネの街並。ギリシャ文字が街をエキゾチックに。 ![]() アテネは、ヨーロッパというには誇示するほどの華美さはなく中東というには独特のカオス感に欠ける。 (中東はイメージだけども) ヨーロッパという括りだけども、 地理的ポジションがそのまま見事にこの街の文化ミックス度合いに反影されています。 そういえば、「カオス(空虚、混沌)」とはもともとはギリシャ語らしく、 ギリシャ神話にでてくる、はじめの神なのだそうです。 なーにもないカオスという所から 大地の神ガイア、冥界の神タルタロス、愛欲の神エロスという神が生み出されます。 帰国して少しだけギリシャ神話についての本を読んでみたのですが、 日本神話と類似点が結構あってなかなか興味深いです。 多くの美術作品はギリシャ神話が題材になっていて、そのあたりも面白い。 カオス(空虚)というところから大地が生まれたというならば、 わたしたちが生まれ帰るところは大地、ひいてはカオス(空虚)かと思うと なにをしに生まれ生きているか、それは分からない、と考えぬいた末おっしゃたお釈迦さまの言葉も 出どころ違えど(神話は宗教ではないが)合点がいくというものです。 空虚、といえば、 「空庭」という曲を書いたとき、「空」というものについて考えたことがあります。 空(ソラ)とは遠く四方八方、無限に広がる空であり、その終りを把握することができません。 それはわたしたちの頭上に「在り」ながらも、 終りがないものはそれは同時に空(カラ)ということでもあるのです。 空(カラ)が「在る」とはどのように捕らえたらいいのでしょう。 これは例えばヨガの瞑想時にもいえることです。 「無」になれといわれても、わたしはいつも脳裏に「無」という漢字が浮かんでしまうのです。 無が「在る」ことを感じてしまうのです。 時には10畳くらいある半紙に身長より高い筆を持って「無」と書道するためにたったと走り回る ねじり鉢巻の自分さえ浮かんでしまうのです。 これにはいつも、フフ、フフフフフ、と心の奥底で笑ってしまいます(全然集中しておらん!)、 もしくは、残念なことに完全に寝てしまっています(ひどい)。寝てしまっては無意識の世界なんよね、 意識が在りながら、無かあ。朦朧状態ってこと?きもちよさそうやけど危険な香りやね。 本当の無ってなんだろうなあ。 わたしたちは、たとえば空を仰いで指で額をつくるようにしてその把握範囲を 定めて、はじめて安心して「空」を認識することができます。 自由というのが、ただ永遠に何もしなくていい時間には存在しないように。 改めて空という漢字はよくできているなぁと思うのです。 それにしても「カオス」の意味が「空虚」でありながら「混沌」で在るというのは 一見矛盾しているようで、なんとも奥行きのあるふっくらとした豊かな言葉ですね。 つまり、なーにもない「カオス=無」は同時に混沌だって、それってすごくおもしろい! ある時友人が悩みがないという悩みが一番つらい(スーパー平穏無欲状態、贅沢な!と思うけども) と言っていましたが在る悩み(悩みの根源は欲です)のほうが少なくとも明確で、 そういった明確な事に心を砕いてる状態よりも ただ漠然と漂うことがいかに難しいかは、なんとなくわかるような気がする。 あれがしたい、これがしたい、もっとこうなりたい、 が無くなった時がそれこそ無、すなわち混沌へようこそである。 混沌の渦中にただ静かに腰をおろせる、それが悟りというものでしょうか。 そんな「カオス」を生みの親として、大地と冥界(死後の世界)と並んで愛欲の神が生まれるとは、 人間の本質は「生と死と愛欲」であり、それらに翻弄され躍起になった挙げ句、空虚に帰すという、 あーあ、もうそれ言っちゃったらさぁ、といった感じに先にオチを提示されたかのような気分ですね。 だから、なんだか考えれば考えるほどバカバカしくって、 宇宙だかなんだか、空虚やら混沌とやらから気まぐれで天文学的な確率で選出された(されてしまった) カオスツーリストとしてはこの不思議なツアーに積極的に参加して、 できれば感謝しながら、一生懸命ドラマを味わって、笑っちゃって過ごしていければもうけものやね! (難しい時もね、それもね、きっとツアーの見所なんよ。) 頭がギャラクシーの彼方へ寄り道してしまいましたが、アテネに戻りましょう。 ![]() 期待以上にごはんが美味しかったのが印象的! フェタチーズがもりっと乗ったグリークサラダ。 日本では「ケバブ」でおなじみの味、 ラムをミンチにしたギロス。 ズッキーニのフライ、 タコのマリネ。 さすがに海産物はとても美味しい。 味付けも思っていたよりも合う! ![]() 街にあったイケアのエコポックス。 みんなペットボトルなどを入れていました。 イケア家具の不親切な取説にも出没する 一筆書きみたなキャラクター(イケア人?) て実は世界的な知られざる有名人よね。 サブリミナルキャラやね。 ギリシャの財政危機、緊縮財政によるストライキの旗が シンタグマ広場を中心に掲げられていました。 ギリシャにとどまらず、自然も含めて、世界、それこそ地球がいろんな意味で変動していることを感じます。 なにが起こってもおかしくないもんね、でもこれって、本来はそうなんですよね。 もとはといえばカオス(無秩序)の中で、人間が知恵を出し合って組み立てた秩序らしきものに、 有り難いことに勘違いさせて頂いたままここまで来れていますが、 ここから目に映るものは一体どういったものなのでしょう。 ひとまず今、生と死の間の束の間、 大きな愛と欲を持ちながらあらゆる事を感じられる 健全な身体と心と周囲に感謝、それが許される範囲で旅は続きます。ありがとう! わたしはきっと笑っているでしょう。
by akiha_10
| 2011-07-31 23:55
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瓜生明希葉/INFORMATION
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