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page d-231                窓額に、ある絵


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ずっと気になっていた軽井沢の「星のや」に行きました。
美しい建築と雰囲気ある集落の佇まいは
とてもコンセプチュアルで、
洗練された、新しい解釈の日本、という空間でした。




自然が描く木々と川の曲線、無駄のない2トーンの宿泊棟の直線。
棚田になった芝生や段々に並ぶ棟が立体的。
あったかいようで、ぴんと糸を張った程よい緊張感がありました。
建築設計は東理恵氏という女性の方。


一番印象的だったのは、レストランとライブラリーになっている棟。
きもちよく伸びる高い天井、下から上まで一面窓で、
揺れ動く木々や、流れつつ波紋をつくる水の表情が絵となるのです。

この、窓が額となって見えてくる絵、
わたしがとても感銘を受ける構図です。
と、思わず昔の写真のファイルをひっぱり出す。




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思い出すのはパリ郊外ポワッシーのサヴォア邸の小窓。(写真左)
台所にあった小窓。
ちょうど、視線の高さに、横に長く、生活と共に、さりげなく。

または、デンマーク、ルイジアナ美術館。(写真右)
圧倒的な自然、という解釈をしたかのようなサイズ感と、
縦に長い、天に伸びる生命力。


外の景色を窓というスクエアの枠でとらえる。
陽の偉大さや移りゆく季節、木々を通して感じる風の表情、
決して飽きることのない絵です。


額でなにをとらえるか、
その額でどう見えるのか、
どう見るのか、
それに意味を感じる、持たせる、持たせない、のはいつも人である、
きっとそうなんじゃなかろうか、なんて、
それらしい事を考えながら
シャッターを押してみたりする。
by akiha_10 | 2010-06-17 00:50 | Daily thinking
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