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page i-25        ペールトーン

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蛍光ペンって、どうしてこうデリカシーがないんだろう!
とずーっとずーっと思っていた。
色の問題というか、出過ぎる、濃すぎる。強すぎる。
下敷きで隠せる赤緑ペンも嫌やったけど、
蛍光ペンでチカチカしている教科書はもっと許せなかった。
(のわりに、数学のノートの裏から漢文がはじまったり、こだわり散漫)

だから、わたしは実家のリビングにある何年も前から置いてある引き出しの、
家族用ペンコーナーから発掘される、ほぼゴミ同然のカラッカラに乾いた蛍光ペンが好きだった。
薄〜く、よわよわしく擦れながら出るのがちょうどいいんよ。文を邪魔しない。主張しすぎない。


しかし、この息絶え絶えのオールド蛍光ペンに巡り会えることなんてそうそうあるもんじゃなく、
ついに力つきる時(寿命は短いもんで)、ああっ!!と嘆いて、
また首を長くして、誰かに積極的に使われた、元気のない蛍光ペンを待つのだった。


そうして過ごしてきた日々。
だから商店街の文具屋でこのマイルドライナーを見つけたとき、
とっても感動したよ。
やっと理解者に会えたような。
ああ、同じことを思っている人がわたしの他にもおったんやなって。
同じ思いを抱えた知らない彼らと円陣組んで、長年に渡って取り組んだチカチカ反対抗議が上に通って、
晴れやかにばんざいしてる姿がよぎったよ。
今こそペールトーンの時代だーって。
「淡い色味で目に優しい」のコピー。
そう、我々はこれを待っていたのさ!!
by akiha_10 | 2010-04-27 23:44 | item
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