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ニューヨークジャーナル 153

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日本に帰ってお風呂に入る度にお湯のやわらかさに感動する。なにか特別なことをするわけでもなく、普段のシャンプーとコンディショナーだけで髪がしっとりとするのが手で触ってわかる。NYでの滞在が長くなると、その硬い水の質のせいか、強い紫外線のせいか、日本に居る時と同じものを使っていてもすぐに髪がパサつく。美意識の高い日本に身を置いて、常日頃自然とケアに意識がむく状況と、誰もおかまいなしのNYに身を置いた時の自意識の低下、という問題も多いにあるとは思うが。つい最近東京観光から帰って来たアメリカ人の男友達が「女の人がみんな綺麗にしていた!」と目をキラキラさせながら一言目にそう感想をもらしていた。





まあいっか、とサロンにも行かずただただ髪が伸びていたが、先日ふと鏡にうつった髪のワイルドさに「これは。」と自ら警鐘を鳴らしC.O.Bigelowに走った。C.O.Bigelowはニューヨークのグリニッジ・ビレッジにある、アメリカで最も歴史あるアポセカリー(調剤薬局)だ。オリジナルのハンドソープや、創業以来成分が同じだという、ふわっと香るレモンクリームをよくお土産に買う。パッケージもかわいい。





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ここのスタッフは皆取り扱っている商品についてよく知っている。その中でも「ジア」とわたしが勝手に名前を付けて心の中でそう読んでいる、レジに立つショートヘアの長身の黒人の女性はコスメフリークだ。金色や原色のブレスレットをじゃらじゃらとさせながら、喜々としておすすめを紹介してくれる。こういう雰囲気を知ってしまうと、なんでも手に入りやすくなった世の中で、現実的には価格やスピードも重要だが、誰から買うか、も大切な選択肢のひとつだと思うのだ。本当にそれが大好きで、それについて話すことが楽しくて仕方がない人とのコミュニケーションはその買物のモノ以上に、その一時を幸せにしてくれる。そうして考えてみると、「今日いいの入ってるよ!」と教えてくれる魚屋や、八百屋、個人店の靴屋、文房具屋など、それだけを専門的にやっている店が並ぶ昔ながらの商店街は、実はとても気持のよい買物環境といえるかもしれない。





おすすめされたのがBumble and Bumbleのヘアトリートメントとコンディショナー。随分前に髪の綺麗なコリアンアメリカンの友達が教えてくれていたものと同じだった。一ヶ月でなくなりそうなコンディショナーボトルが30$と値は張るが、確かに手触りが変わって来た。ORIBEのオイルトリートメントは、今までつかっていたAVEDAと効果の違いはあまり分からないが、とにかく香りがすばらしい。ジャスミン、エルダーフラワー、ライチ、カシス、サンダルウッド…、この精神的な楽しみのためにしばらく使い続けるであろう。


こうして髪補修強化期間のまっただ中だったためか、たまたま雑誌で見たBrazilian Blowoutというものにひかれた。ブラジル発?らしいストレートパーマで、トリートメント剤としてケラチンをアイロンで髪の内部に浸透させながら、まとまりやすいストレートにする、というものらしい。

「よし、これ行ってみよう!」と早速リサーチしてみると、日本クオリティの雰囲気のヘアサロンで施術してもらうとカット込みで300-500$とのこと。これでは今までほとんど投資していなかった髪がびっくりしてしまうと思い、もう少しお手頃で、まったくお洒落ではないけど清潔そうな、おっちゃんがきびきび動いている近所のサロンに飛び込んでみたのだった。ウィンドーには「ぶらじりあん ぶろーあうと はじめました」といったテンション感の安っぽいシールが、陽に当たって色褪せてしまった美容雑誌の切り抜きと一緒に貼ってあった。店員は皆スペイン語かポルトガル語を話していた。わたし以外の客もまた、主にスペイン語を話していた。



そうして始まった地元ヘアサロン体験。シャンプー台の椅子がリクライニングではなく、ふわっとした椅子だった。シャンプー台というか、ただの洗面台とふわっとした椅子、といったところであろうか。首を直角にして洗髪という斬新なスタイルで、ガムを噛みながらフレンドリーに洗髪をしてくれたのはブラジル人らしきおねえちゃんだった。事前にお湯の温度を確かめることもなく開始するので、冷たかったり熱かったりで、蛇口をひねる度にもれなくドキドキ感がついてきた。受付の電話が鳴る度におねえちゃんは「ちょっと待ってね」と作業を中断して電話に出る。何度かの中断をはさみながらざっくりとしたシャンプーは終わり、トリートメントをつけて浸透させるため「5分置きますねぇ〜」とまた受付へと立ち去っていった。なにしろ首が直角だから、たったの数分でもどうにも居心地が悪くて、ベストポジションを研究すべくもぞもぞと身体を動かしながら「今か今か」とおねえちゃんが来るのを待ちわびていた。



だが、5分、いや10分以上経ったと思われるのに、おねえちゃんが来ない。遠く鏡越しに映る受付にいるおねえちゃんは、未だガムを噛み続けながら、熱心に……携帯でメールを打っている?


おねえちゃん??おねえちゃん??直角、痛いよ?

そしてついには、パニーニらしきものを受付で食べ始めた。

おね、え、さ、ん? 忘れてませんかー??
直角一名いますよー??放置ですかー?


体勢が苦しくなってきてすこし首を持ちあげると、ツーっと水が首に流れてきて、なんとも言えない気持になった。鏡越しに時計を見つけ、あと少し待って来なかったら高らかに声をあげようと決めていたところ、パニーニを食べ終わったおねえちゃんがシャンプー台の横にあるお手洗いにやって来た。そして、「あ」と思い出したような一瞬の表情を見せ、何食わぬ顔で袖をまくって、トリートメントを流してくれた。


シャンプーが終わり鏡の前に行くと、ほとんどタオルドライもなく水の切りが悪いため、前髪から顔へ、後ろ髪から首へ、ツーっと水が流れてくる。そうして流れてくる水を拭いているわたしの姿を見ても、どうやらそこでは普通らしく、結局ドライヤーをかけるまで流れてくる水と戦うことになった。



ヘアアイロンをあてる施術をしてくれたおっちゃんは陽気にテキパキと仕事をするが、精度が高いとは言えない雑な機敏さで、2,3度わたしの耳の端に熱いアイロンをあてては、わたしを「あちっ!」と飛び跳ねさせる。自身の経験からして、日本であれば、ごく少量ずつアイロンを当てて念入りに髪をまっすぐにするため、アイロンの行程は30分以上はかかるというイメージ。だが「今日ははじめてだから、弱めにかけておくね。気に入ったらまた一ヶ月後くらいにおいで」と分かりそうでよく分からない事を言われ、全体にざっくりと10回くらいストレートアイロンを通しただけで、ものの10分で終わってしまった。首直角で待っていた時間のほうが長かった。


まっすぐにサラっとなった髪をまとめながら、「すごいだろう、ブラジル発なんだぜ」と得意そうに言っていたが、その行程も仕上がりも、10年以上も前に試したことのある縮毛矯正ストレートパーマと同じ(その雑バージョン)だということは心の中に閉まっておいた。実はアメリカのヘアサロンでも「Japanese straightening」という名で、日本の縮毛矯正ストレートパーマが知られている。Brazilian Blowoutは後発だと思うが、よく考えればブラジルには日系人がたくさんいるので、日本の縮毛矯正のアイデアがブラジルで人気で、それがBrazilian Blowoutという名前に取って代わってアメリカに渡って来たのではないかと勝手な推測をするのだった。





久々の、まっすぐ!a0028990_3175257.jpg
こうして数日はストレートになったのだが、ざっくりとしたアイロンのかけ方を見てわたしが懸念していた通り、数日で自然な状態(ゆるいウェーブがある状態)に戻ってしまった。残ったものといえば、サロン特有の強いパーマ剤の香りで、通常1,2日もシャンプーすれば消えるものが、洗えど洗えど10日以上余韻が残っていた。寝ようとしてベッドに横になった時、なんか異臭!!とあたりを見回したら、灯台下暗し、自分の髪だっ…。数日の間、非常に強いケミカルな香りに包まれて寝た。



結論としては、やっぱり日本っていいなー!

NYのハイエンドなサロンに行けばまた違った印象かもしれないが、日本のヘアサロンの雰囲気、スタイリストの技術、コストパフォーマンス、サービス、おもてなしの文化、とにかく全部がすばらしい!
by akiha_10 | 2013-05-31 03:44 | NY Journal

ニューヨークジャーナル 152

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先日女友達アイラに「ワインでも飲みに行こう」と誘われた。ユニオンスクエアあたりで会おうとなった時、わたしの頭に浮かんでいたバーを指定してきて、なんだか嬉しく思った。



アイラとは去年の夏、地下鉄の駅で出会った。地下鉄を待つ手持ち無沙汰な時間をただぼんやりと潰していたところ、同様の気配を持って隣に佇んでいたのがアイラだった。彼女があまりに自分のことをよく知っているファッションに身を包んでいたので「I like your taste」(taste=センスや趣味)と声を掛けてみたのだった。長身ですらりとした体つきに、シンプルな細身のパンツ、糊の利いた白シャツの七分袖から出る褐色の細い腕にかかった鮮やかなオレンジの革のバッグがとても素敵だと思った。どれも仕立てのよいものだと一目でわかった。彼女はそれに喜んで、わたしを上から下まで一瞥するなり「I like yours, too」とNYの常套句で返してくれたが、それはどう見てもその場の会話の流れで、まるでわたしがそう言わせてしまったかのようで恐縮してしまって、ヨガパンツの腰についているルルレモンのロゴはシャツをぐっと下にひっぱって隠しておいた。地下鉄に乗って会話がはずみ「わたしたち、一緒に飲みにいくべきよ」と番号を聞いてくれたのは彼女だった。



それから何度か飲みに行き、彼女が南イタリアで育ち、世界各国を家族と共に点々とし、ケンブリッジ大学で院まで過ごしたこと、彼女の一番好きな街はNYだけど、心の故郷はイギリスだということを知った。現在はフォーシンズホテルのスイートルームでだけ行われる、とてつもない価格のダイヤモンドの外商をまかされつつ、ビジネスパートナーと飲料水のビジネスを立ち上げて世界を飛び回っている。世界を股にかけ仕事をし、8カ国語も話せ文化や芸術に精通している彼女は洗練という言葉がよく合う。侘び寂びに欠けるアメリカ人男性には「一度も魅力を感じたことがない」と言い放ち、彼女の運命はアジア~トルコギリシャあるという。そのあたりの出身の男性は”Mistique”(神秘的)なのだそう。世界中に散らばる友人や恋人の経験データベースをもとに、その国ごとに男性の傾向を明晰に分析している様子はさすがマーケティング専攻仕込みで、彼女の話を聞いているだけで比較文化の講義を受けているような気分になるのだった。その独断と偏見とユーモアをふくんだチャーミングな毒舌がワインのペースを加速させる。




彼女のボトルワインに付き合った後「一緒に来てほしいところがあるんだけど」と連れて行かれたのはノースオブイタリー(リトルイタリーの北)、通称”ノリータ”にあるレストランだった。以前そのレストランの前を通ったことがあって、賑わっているなぁという印象が残っていた。その日もやっぱり賑わっていた。


店内に入るやいなや、そこに居た女性とアイラは大きなハグを交わし、わたしにそのプロモーターである女性を紹介してくれた。軽く談笑をしているうちに、存在感抜群の容姿端麗なモデル、一目を引く斬新なファッションに身を包んだ男女が続々とレストランに入って来た。皆プロモータの女性と挨拶するなり、ガラス張りのレストランの一番窓側にある長テーブルへ着席しはじめ、わたしたちもそのテーブルに座るよう指示された。シャンパンや料理が続々と運ばれて来て、とにかく食べて飲んで盛り上がって欲しいという。そこにいる誰もが雑誌の表紙になれそうな迫力と個性を持っていて、スキンヘッドの女性のモデルの横でそわそわしながら「なんなのこれ?」とアイラに耳打ちした。

それはレストランのプロモーションであった。わたしが、まんまとそう感じたように、通行人に、いかに店が賑っているかをガラス越しに見せ、いかにクールでエッジィな人々が集っているかを演出しアピールするのだ。無料で料理とお酒がふるまわれる代わりに、わたしたちはクールなパーティー風景のため一芝居打つというわけだった。


NYではトレンディな場所を目指しているほど客層が重要になる。そのレストランはといえば地下には踊れるクラブがあって、いかに”モデルやセレブリティ、アーティストやクリエーターが来る”ハイエンドな場所であるかを定着させるかに奔走していた。NYのレストランやバーでは、なによりそのエリアに適した、その場所が目指すターゲットの客層をマーケティングすること、ブランディングすることがビジネスのキーのようだ。



そういえば、アバクロ店員の女友達アンドレアに、NYでハイエンドと言われているミッドタウンにあるナイトクラブ「LAVO」に連れて行ってもらった時にはパリス・ヒルトンがフロアで踊っていた。彼女はその場所に顔を出すだけで何百万、時には何千万円という報酬があるらしい。こうして来てもらうだけで、セレブリティが来るクラブ、というブランディングができる上、パパラッチが来て撮影した写真とともにゴシップ誌に店名が載るがことで、圧倒的な宣伝になるのだとか。

また知り合いのモデルは「高級ホテルのスポーツクラブが利用無料で、行く度にチップをもらえる」と言っていた。グッドルッキングであることや、クールなファッシンといった表面的なことがこんなにもてはやされる街もないのではないか、と思う。それはまた、そうしたクールさが世界中から期待されるNYであり、またそういった雰囲気に弱い人々が観光客も含め、いかにNYにたくさんいるかということでもある。わたしがそうであるように、基本的には、NYはタフでミーハーな田舎者の集まりなのだ。




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くだんのクラブ「LAVO」のエントランスで繰り広げられる一部始終も、美しさとお金、というまた表面的なパワーがこの街でいかに重宝されているかというNYの真髄を見る。それは人間を含む生物界の摂理を極端に浮かび上がらせた縮図のようで、行列を待つ間、わたしは普段履かない細身の10cmヒールの靴と葛藤し、片足ずつ少し浮かせながら考えを巡らす。クラブに入場するには、まず並ばなくてはならない。リストに載っているパーティーの予約者やVIPは並ばずに入っていけ、その他大勢のゲストはバウンサー(IDチェックや入場制限を管理する強面の黒人)によるチェック、ドレスコードや女性の人数(クラブでは女性を多くいれたいので、女性が多い団体ほど早く入れる)といった審査にさらされる。


入場困難と言われている超人気クラブのバウンサーによる人選については、女性に関しては容姿ヒエラルキーが存在していると思われる。モデルもしくはモデル体型の美女、典型的であるがプロンドであればなおさら好感度が高く、頂点に君臨する。並ばずともバウンサーにすぐに入れてもらえる、もしくはパリスのように報酬すらある場合もある。その次に、ほとんどのゲストがそうだが、それなりにお洒落をして来た女性や、とにかく露出をしたセクシーな女性などが続く。間違ってスニーカーやペタンコ靴を履いて来てしまったら、もうほとんど望みはないといっていい。男性はといえば、モデルやセレブリティはのぞいて、とにかく高いボトルをいれた順に入れてもらえる、というくらい拝金主義の経済力ヒエラルキーが存在する。男性二人が入ろうとしたところ、2000ドル分ボトルをいれる事を交渉しているのを耳にしておののいた。女性が持つモデルのような美しさや若さと、男性が持つお金やステイタス、双方が持ち寄る頂点のパワー同士が取り引きされている様子を見ながら、そのわかりやすさがNY、とわたしなりのNY考をアップデートした。

そもそもここに限らず、男女関係なく(クラブではその特質上、女性の美しさという通貨があるが)アメリカではほとんどのことが「お金」によって動いているように思う。例えば、日常生活のあらゆる場面でアップグレードの選択肢を目の前に差し出される。追加チャージをすれば宅配便が速く届いたり、いい席に座れたり、予約できたり、審査を速くしてもらえたり、と「お金」によって高待遇を買う。ほとんどの場合平等に、とてもよいサービスが受けられる日本とは違う。こうして頻繁に選択を迫られる度に、まるで自身で「普通です、エコノミーです」と自分のポジションを確認させられているようで、このような日常的な追加チャージによる階層システム、競争心をあおるシステムがまたアメリカのお金に対するモチベーションになっているのかな、と想像するのだ。














与えられた時間はこの世の社会見学ができる時間。一瞬一瞬を楽しみながら、時にはその経験以上に、それら経験に基づいて、そこから浮かび上がる世の中の仕組みや人間について、わたしなりに考える時間が実は一番のお楽しみだったりする。行く前楽しい、行って楽しい、帰って楽しい、それはまさに旅の気分だ。
by akiha_10 | 2013-05-23 19:52 | NY Journal

ニューヨークジャーナル 151

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友人から誘われたリアーナのライヴ。
Jay-Zのこけら落としライヴでも行った、ブルックリンにあるバークレーセンター(NBAのブルックリンネッツの本拠地)。最近スターのNYライヴ地はバークレーセンターがトレンド。


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自分で改めて聴いたことはなかったけれど、アメリカにいるだけでリアーナが唄った曲の半分くらいは知っているというのは彼女がポップである証。バーやお店でかかっていて刷り込まれているのだ。行く前まではちょっとした好奇心くらいで行ったつもりが、リアーナのパフォーマンス、そのセクシーさに惚れ惚れし、いたって普通に感動した。

ダウンタウンやブルックリンでアーティなもの、実験的なもの、自己陶酔系から一流(でもポップではない)まで音楽に触れているが、スターはまた別もので、音楽の好みや細かいことをふっとばしてスター枠というのがあるのだな、と思った。メインストリームってすごい。ポップってすごい。音楽関係の友達が、アメリカに行くならアンダーグランドで小粋なもの(またはぶっているもの)より、分かりやすくお金がかかったスターのショーが観たいと言っていたのを思い出す。わたしも今後機会があればスターは拝んでおこう、と思った。




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新聞で読んで気になっていたハーレムで行われたミュージカル「MAMA, I WANT TO SING」にも行ってみた。1983年にハーレムでできた当作品は今年で30周年。チャカ・カーンも歴代キャストだったという歴史ある作品は日本にも来日し、ゴスペルを日本に伝えたとも言われている。教会でゴスペルを唄っていた少女がシンガーを目指す過程での母親との対立を描いた作品。ブロードウェイミュージカルのように大きなセットや仕掛けがあるわけではないけれど、ソウルミュージックを堪能するにはとてもいい機会だった。


実際にゴスペルを聴きに何度かハーレムの教会に行ったことがあるが、その人間の根源的なパワーと音楽に満ちた空気には圧倒させられる。何人ものスピーカーやシンガーがでてきて熱くパフォーマンスをしては、観客があいのてのように「Yes!」や「God bless you!」などと声をあげる。神に訴求するような身振り手振り、どこまでも響き渡るその深い声は、スピーチにしても歌にしても、「言霊」という意味を体感させてくれる。


礼拝に来る黒人の方々のファッションも興味深い。女性は大きなツバのハットをかぶって、ここぞとばかりにドレスを着ておめかし、男性もびしっとしたスーツでいらっしゃる。これは神への敬意とも言われているし、昔は他にお洒落をする場所がなかったので、教会だけはとびっきりお洒落を楽しむことのできる晴れの場所だった、という説もあるよう。
by akiha_10 | 2013-05-16 07:46 | NY Journal

page t-171     レイチェルのウェディング   サバンナ 3

夫婦となったレイチェルとブライアン。
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ご両親はどちらもアイルランド系で、もとはレイチェルはとても白い肌をお持ちだが、ラテン女かと思うほど健康的な色に!数ヶ月前に式を挙げたギャビーも言っていましたが、「式本番までに灼けなきゃ!」と。白いドレスを着るのに、美白を目指すアジアと真反対の対策!美白への執念と、ところ変われば日焼け信仰。以前チャイニーズの女性とこの話題で盛り上がったのですが、中国では肌が白い=働く必要がない富裕層または屋内で働くエリート層、というイメージがあるのだとか。欧米では灼けている=バケーションに行く余裕のある富裕層=ゴージャス。一体美しさってなんだろうなぁ、と笑わせてくれます。皮肉なことに灼けることを気にするアジア人のほうが灼けやすく、白人は肌質的に灼けるのが難しくまた肌が弱い。総じて灼けやすい肌質を持つアジア人の中で、ケアをして美白を保っている方への羨望があるアジア、皆灼けにくいのに、こんがり灼くことができる方への羨望がある欧米、とつまりこの美しさの価値観は単純に希少価値からきているのかな、とも思います。これは貧しい時代にはふっくらとした女性が美しく、飽食の時代には細い女性が美しいとされがちな価値観にも通じますね。黒くても白くても体型がどうであっても、「わたしは美しい」と思っている人が美しい、NYに生きる女性達の謎の自信に触れて、そう思います。


そうして「現地では評判は悪くないんよ」と開き直って自分の見事な灼けっぷり(意図的ではなく)で日本に帰ると毎回びっくりされる。「残念ながら日本にその黒さを受け入れるマーケットはないよ」と女友達。ぬーん。たしかに、わたしの灼け方はゴージャスというより運動会または夏休みの虫取り合戦の後みたいなわんぱくさがあって、自分でもどうかと思っている。




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今回およばれの定番、いわゆる「リトル・ブラック・ドレス」を買ってみました。黒のワンピースって案外持っていなかった!喪服扱いだった黒いドレスを「着こなす人によってシックに見えるモード」として発表したのは、かの有名なココ・シャネルですね。フォーマルな席やパーティーの多い欧米では女性は数通りの「リトル・ブラック・ドレス」を持っているらしい。なにより黒はきちっとして見えるし、着こなしによってはゴージャス、主役を引き立てるゲストとしてのポジションを色によって表明することができる。黒はまず間違いない、と思っていたところ、つい数日前バーソナルカラー診断をした友人から、セラピストのアドバイスによると「アジア人で黒が似合う人はほとんどいない」らしいと聞いて、なんと黒がレイシストだったなんて!




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パーティーではふたりのファーストダンスの後、新婦はお父様と、新郎はお母様とダンスを。そして、最終的にはやっぱりクラブ会場のようになり踊り狂う展開。嫁も暴れて、おひらき。

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最後は花火でおむかえ。おめでとう!
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by akiha_10 | 2013-05-06 06:24 | Trunk

page t-170     レイチェルのウェディング   サバンナ 2

お式とパーティーは歴史地区から30分ほど車で行ったTybeeアイランドにある一軒家で行われました。

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欧米のお式では伝統的な、ウェディング・パーティー(一団)とよばれるサポート係がずらり。新婦側につく新婦の友人や親戚からなるブライズメイド、新郎側につく新郎の友人、親戚からなるグルームズメン。女性は皆同じドレス、靴、ネックレスを身につけてかわいい!このブライズメイドのドレス選びなども、女性にとってはウェディングの大きな楽しみのひとつなんだそうでうす。最近は日本でもブライズメイド、グルームズメンをたてるお式も人気だと聞きました。男性側も同じタキシード、お花を身につけます。 サポート役とはいえ、主にウェデイングを盛り上げる視覚的に華やかな役割かと思いきや、側で見ていると本格的に細々と働いている様子がうかがえました。




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ブライズメイドは新婦側のドレスのことや、会場のお花やカードのこと、と細やかな面でサポート。グルームズメンは会場をおさえたり予算を管理したり、衣装を借りに行って戻しに行ったり、と日本でいうところの二次会の幹事に近い役割でしょうか。日本だと式場がとりしきるところを、大変だけど友達や親戚のサポートのもと本人達がつくるというのは自然な形のような気もします。細やかな対応でウェディングサービスもビジネスとして体系化している日本のように、会場自体には、良くも悪くもウェディングをパッケージ化したりオーガナイズしている様子があまりなく「ここでウェディングをしたい」と決めたら、本当に場所だけ借りることが大半のようです。だから本当の意味で、お花や衣装、お料理は?という手配に精通している「ウェディング・プランナー」というものが必要になってきて、周囲のサポート(ウェデイング・パーティー)が必要になってくるのかなと推測します。







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挙式ではまずグルームズメンと新婦ブライアンが袖からぞろぞろと並んで、女性方を待ちます。この男性方がびしっとした恰好で女性を出迎えるというシチュエーションがジェントルマンズシップを感じさせ、ドキドキさせてくれますね。新郎はこの瞬間まで新婦のドレス姿を見てはいけないことになっているので、ブライアンの嬉しそうな顔といったら。一番素敵な瞬間だと思います。



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ブライズメイドが一人一人入場してヴァージンロードを歩いていきます。
定番だけど、曲は誰もが幸せになる、この雰囲気にふさわしいBruno Marsの「Marry You」でした。







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かわいらしいフラワーガール。


















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こうして全ての出迎えの準備がととのって、



















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嫁入場!
レイチェル!
by akiha_10 | 2013-05-04 02:52 | Trunk

page t-169      レイチェルのウェディング   サバンナ

友達のレイチェルとブライアンの結婚式に出席するため、ジョージア州のサバンナに行ってきました。サバンナはアメリカ国内旅行として人気の旅スポットなんだそうです。ジョージア州はフロリダの上にあり、耳を澄ますと、芝居「熱いトタン屋根の猫」でほとんど聞き取れなかったあの南部訛の英語が聞こえてきます。


レストランやホテルなどで感じた、NYとはまた違った種類の社交性(一度話し始めると止まらない田舎のおばあちゃんに会ったような感じ)の印象について話していると、これは「サザンホスピタリティ」と呼ばれているものだと教えてくれた。両手を広げて誰でも心から明るく歓迎する南部のもてなし(押し出し強め)、なんだそう。これって、回覧板を渡しに来た近所の方にも、宅急便のお兄ちゃんにも「ちょっとあがりんしゃい」と声を掛けては世間話をはじめて、最終的には煮物なんか出し始めちゃうおばあちゃんやん。これから福岡のおばあちゃんのもてなしは「サザンホスピタリティ」って呼ぼう。なんかかっこいいやん。




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中心地である歴史地区内は歩いてまわるのにちょうどよいサイズで、24もの広場、公園があるのです。全体が公園でできるかのようで、どこを歩いても木陰できらきら、葉擦れの音が清らかで、なんとも美しい場所でした。並んでいる家はどれも意匠が凝っていてとても素敵です。アンティークショップやギャラリーがならび、どこかしら知性と品を感じさせます。鎌倉と印象を重ねました。




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サバンナで1,2を争うレストランがMrs. Wilkes' Dining RoomとOld pink houseと聞きつけました。Mrs.のほうは予約ができず、しかもランチだけという難易度。11時の開店前に行ったにも関わらず100人以上の行列。アメリカ人(かは知らないが)もこんなに並ぶんだ…!二時間以上は待つと言われ、わたしは待つ執念がありましたが周りの友達の空気を読んで今回は断念。伝統的な南部料理、フライドチキンやビスケット、マカロニチーズという高カロリーパワーフード(ケンタッキーフライドチキンはここから来ていますね)が食べられるようで、あとから調べてみると朝9時半に並んだら一回転目に入れる、のだそうです。すごい人気!



一方Old pink houseは予約ができたのでなんなくクリア。名の通り歴史的な古いピンク色の家がレストラン。シックな内装でした。なにがなんでもサザンフードを食べたいイメージだったのでフライドチキンはオーダー。自動的とマカチーもついてきた。「サザンスタイルSUSHI」という、どうにも無視できないメニューを見つけたのでトライしてみると、あなご巻きを油でかりっと揚げていました。やっぱり揚げちゃうんやね。揚げちゃえば基本的においしい、そもそものポテンシャルが高いフライドチキンの、グルメなフライドチキンと、そうでもないフライドチキンの差ってどんなものかな、と思いながらも、普通にジューシーで美味しかったです。




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川沿いは石畳ということもあり夜はヨーロッパのよう。







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トレンディなルーフトップバーもあったり。温暖な気候ということもあり、基本的には観光地、バケーションの地であることから、バーも朝方まで空いていて盛り上がっています。




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しぶい。
by akiha_10 | 2013-05-03 07:19 | Trunk