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page t-28  フジ子に首ったけ

ケミィが冬のフジ子を見に行こう、と言ったので便乗させてもらった。a0028990_22123982.jpg
フジ子とは、ケミィ周辺が親しみを込めて呼ぶ、フジヤマの愛称です。
たとえばフランス語の「海」が女性名詞であるように、
フジヤマもでっかくすわっていて、
優しく民を見守る母のような出で立ちなので、
フジ太郎ではなく、フジ子なのです。
若干色気もあっていいでしょ?

ケミィは相当フジ子が好きらしく、
車で西に出かけるときにはフジ子チェックを欠かしません。
曇ってフジ子がぼやけていると真剣にがっかりしていて、
「そこまで?」とわたしはびっくりするのです。

その日はフジ子日和。
乾燥して澄みきった空にくっきり。
おまけに雪化粧のフジ子はいつもより綺麗だ。ケミィは感激している。
さらにスペシャルなことに、山中湖が氷っているのです!
すごーい、ちらほらスケーティングしてるよ、エターナルサンシャインだよ!
フジ子+湖面のセットは奇跡のようで、
今年のこの寒さはこたえたけれど、
それはそれで、ここでこんな表情が見れるのね、と嬉しくなりました。
フジ湖激写!



帰りに美味しい蕎麦もいただきました。a0028990_2219611.jpg
林の奥に佇む家で、ひっそり誠実に
お蕎麦と向き合っている印象を受けました。
蕎麦茶をすするなり、「あ、ここ美味しいよ」とケミィが言った通り、
まず「水」が美味しいと思われます。
蕎麦粉100%の「田舎せいろ」も試しました。
なんというコシと香ばしさ。
わたしは、こなこな、もそもそ歓迎なので、
つなぎなしの十割蕎麦は得意なのですが、
あまり得意でない方でもツルツルいける絶妙加減。
まるで林の中の蕎麦アトリエ、「蕎林」で頂きました。





アトリエといえば。
去年の北欧の旅で撮った写真を「Andante」としてギャラリーに載せたよ。
無理なくクリエイティブで、工夫上手な北欧の暮らし、そこに居る優しい人々。

それから、またまたお手数ですが、
HPがhttp://a-curieux.com/に引越しました。
今までequinoxの一室を借りていたのですが、
一人暮らしになったのよ、でも今まで通りよ。
たまに遊びにきてね。
by akiha_10 | 2006-01-29 22:24 | Trunk

page m-8  マンスリーパンフィクション  01

急激な温度の変化によるものか、レッグウォーマーの下の足がむず痒い。
あーかゆいかゆいと足をくねらせながらミツコは郵便物を運ぶ。


「あーバイト、ついでにこれコピーとっといて」a0028990_2311652.jpg
売り上げ冊数がうんぬんと書かれた
グラフを睨みながら、
こちらをチラリとも見ずに原稿をよこした。
名前くらい覚えろよ、
副編集長だから頭いーんだろ、
とミツコは毎回思っている。
副編集長に代表される上むき女を
ミツコは苦手としており、
極力近付かないようにしている。
ミツコのささやかな楽しみは
毎朝郵便物を各机に届ける時に、
机で飼われている所持品で飼い主を想像することだ。
あ、柳宗理の鞄だ…
一之瀬さんってこだわってるよなー、
見ため力いれてるし、コヤジ予備軍なのかなー、
いやちゃう、ロハス?
ロハスって自給自足みたいなストイックなイメージで、
結構金かかってんだよな、ぼっちゃんなんかな、このひと、
とミツコは思っている。

「うわ、みっちゃんスパッツだし!」と一之瀬。
「レッグウォーマーでしょ、今日寒いもんねー」と村上。
「あ、でもすっごい痒いんですこの素材」とミツコ。
あはははは、と会話の運びで笑ってみる三人。
「村上さん、この小包机置いときますね」
村上さんの机、いつもきっちりしてんだよな、
シンプルイズビューテホーてかんじ、
すげー、消しゴムまで無印かよ
とミツコは思っている。

小包から取り出したパンをしげしげと眺める村上。
「うわ、思ったより大きいな。これ余りそうだから、食べてもいーよ」
どうも、とつまもうとした左手が原稿を握っていたことに気付き、
ああ、こぴーこぴー、とコピー機へむかう。
村上さん最近張り切ってんなー。
無添加友達と一緒にいると思いきや、あの上昇女と仲いいもんな、
あっち側にとりこまれんのかなー、
お、と、り、よ、せ、パ、ン、とくしゅう…げ、相変わらずちょーマニアック。
ナイススティックが一番うめーよ、
相容れないなーこの会社、やめよっかなー、
とミツコは思っている。
「コピ−10部ここに置いておきまーす」
ミツコは右足踵で左足をさすりながら言う。


〜系だとか〜組だとか、言葉が生まれることによってグループが生まれます。
グループが生まれると、さて自分はどこだろうと探し始めます。
自分では掴みにくい自分をなんとか掴もうと、どこのグループの所属か定めて、
自分の居場所と存在を確認するのかもしれません。
どこの所属か自覚が生まれると、その傾向がより徹底され深まっていき、
本来そうでなかったことも、そうであるかのように思い込みます。
そしてグループ内だけで共有される言語、価値観、身なりを守っていれば安心します。
棲み分けマップの縮図は本屋です。
一方でグループ内の結束が強まるほど、他のグループとの壁は厚くなり、
互いの行き来がなくなります。
そのうち異国に行くよりもよほど、異文化交流、みたくなるのでは?
とワタシは思ったりします。


これが今月号かー、後ろの占い&心理ゲームだけ見よっと、
ヨーロピアン淳子って誰だよ、
えっと天秤座は、上司に注意、やっぱりか、
そんで、AB型は、気力低下、やっぱりか、
③の絵を選んだ人は、飽きっぽい人です、やっぱりか、
マンガ買ってさっさとかーえろー、けっこー美味しいじゃんこのパン、
とミツコは思っている。
(fin)


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今月のパン
「まきのや」@湯布院
by akiha_10 | 2006-01-26 23:21 | monthly

page a-10 ストーリーを生んだ空間

好きなものを見にいったり、美味しいものを食べたりa0028990_231511.jpg
テンションを上げるために(少なくとも真ん中くらいに保つため)
日々工夫をするわけですが、
速効性をもってわたしを救済してくれるのは
お気に入りのレストランやパン屋やショップなど、好きな空間です。

代官山の裏通りにあるguild roomもそのひとつ。
ショップ兼ギャラリーであり、空間そのものもパッケージになっている。
ふらりと遊びに行ったときにはオーナーのあやさんが
それぞれの作品にまつわる作家さんの想いなどを話してくれる。
楽しかった場所です。
キャメレオンオブジェも、ここをきっかけに制作しました。

土地開発のために、この場所は閉店するそうです。
よく遊びに行っていただけに、感傷的になります。
すべてのことは、いつまでもあると思うな、ということ?
変化は楽しくって、悲しい。習慣を変えるのは体力と精神力がいる。




クロージングイベントのランプシェード展に行って来ました。a0028990_2333339.jpg
それぞれの作家さんが創ったランプシェードに包まれて光が灯った空間。
すべてのものに魂が宿る、というアニミズム思考が私には少々あるようですが
(それにしては扱いが大雑把だったりするけれど…)
まさに、ここの作品、小物はそう思わせるのよ(page i-8)。





ストーリーを生んだ空間は一度ブレイクをはさみ、再開を待ちます。
by akiha_10 | 2006-01-20 23:09 | Art

page t-27 帰福でもらいもの(後)

天神〜大名あたりは、相変わらずバスと自転車が元気(多い!)。
某日、街を眺めながら‘細麺かため’をすすります。

本当に変わっていないのか、
微妙に変わりつつも、集まるとおのずと当時に戻るのか。
あくる日、みんな全然変わらんねー、と久し振りに会った同級生と温泉につかります。





さらに次の日、博多から列車に乗って山のほうにむかいます。a0028990_23541929.jpg
祖父母の家があるのです。
車で行っていた時は、
景色の緑色の配分が多くなることや
街灯が少なくなることで、
田舎突入へのグラデーションがよくわかりました。
必ず通る道にひょっこりお地蔵さんがいました。
昼間に通るときには何気に願いごとをするのですが、
暗くなると恐いのでなるべく見ないようにします。
だってあの赤いべべが超こわい。調子のいいわたし。


また、日本に古くから伝わる怪談が
わたしの中では祖父母の家のイメージとセットになっていて、
まさに狐、狸、ざしきわらし、がぴったりの夕暮れのお座敷は、
幼心にヒヤリとさせるものをもたらしました。
夜の徹底的な暗さがそれを倍増させる。早足でお手洗い!は基本よ。
大自然と距離が近いと、不思議や神秘の存在もすこしリアリティを持つのです。
祖父母の家のすぐ裏は山なので、タケノコ掘りなんかもしていました。
玄関に大蛇が巻きついてわなわなしたり、残っている防空壕を見て感傷的になったり。
田舎の思い出はとても貴重です。

おあばちゃんは継続的に洋服づくりに励んでいます。
新作お披露目ということで、いろいろ見せてもらいました。
着物や紋付などの生地でリメイクをしているのですが、
なかなか、かわいい。
おばあちゃんは本当に裁縫が好きみたいで、母も好きです。
わたしはというと、学校のパジャマ製作の時に、縫うところを裾あげテープで貼っちゃおっかな、
とよぎったレベル(ひどい…)なので、どうやらDNAが薄れているようです…
色形を考えるのは大好きだけどね、縫うのがね、いまいちよ(とくに強制的だとさ)。
そうそう、いつもイメージはぶくぶく膨れて、常に先行しているのだけど、
この脳の中をスクリーンにうつして、
それを具現化できないかな(出来ないことは、してもらえないかな)っていつも思います。
音だと、イヤホンが脳に直結していて、片方のイヤホンをしてもらったら、
わたしの脳で鳴ってる音が聞こえるとか…すごい便利よね。





手作り帽子の作品が増えていました。a0028990_072712.jpg
ぼーし好き!
これハイカラね、と
キャスケットをもらいました。
どおかしら…
ありがとう、またいつか帰らせてね。
by akiha_10 | 2006-01-15 22:51 | Trunk

page t-26 帰福でもらいもの(前)

あけましておめでとうございます、a0028990_1683632.jpg
にもそろそろ飽きてきたころ、
例のめんどいマンが異常繁殖するのです。
「日常」にリカバる作業が、ほんっとおっくうよねぇ。
年末に考えるのです。
これから待っている、明るいぐうたらの未来の、さらに先には、
そこから這い上がる、あの、どんより憂鬱が待っている。
旅の準備の際には旅の後片付けを思い、
金曜の夜には日曜の夕方を思い、
祭りの準備の際には祭りの後を思い。
あの独特なギャップを埋める作業があるくらいなら、
あまりリズムが壊さないほうがいいのでは、、、とか。
そんなふうに思い悩むのも束の間、
なんの抵抗もなく餅のようにのびていたよ。
先生はよく言っていました、人間堕ちるのは速いと。




年末は二年ぶりに福岡に行きました。a0028990_15562742.jpg
初日から地元の友達と会って、
久々のあまりの喋りの速さにのまれていました。
みんなあんまり人の話は聞かないし、重ね重ね喋るし、ノリがよすぎるしで、
参戦するタイミングをはかっている間に
「なん都会人ぶっとんかちゃ」とかダメだされ
久し振りの登場なのに…、あんまり喋らせてくれない…。
でも、お腹が痛いくらいに、笑った笑った。





笑いすぎてものもらいができる。

とんだもんをもらってしまった!
翌日、目のあたりが重いと思ったら、片目がお岩さんやないか!
ああ。最悪だよ、と思いながら、
小倉の眼科で薬をもらうが、なんのやる気も起きない。
試しに眼帯なんかつけてみる。これじゃ怪しい海賊や…!はずす。
片目のずっしりは心まで重くする。
自分を励ますためにシロヤに行く。
小倉のシロヤパン、すごく美味しくて、
しかもおひとつ60円とかなので、大人買いができるの!
パンで得られる満足感が人の30倍くらいあってよかった。
好きなだけ買って堪能して、いくらかテンションも持ちなおしました。

その日は幼馴染みのぐまちゃん実家にお泊まりさせていただく事になっていて
「お岩さんやけど、いれてくれる?」とメールしました。
ぐまちゃんもぐママも「あんまり変わらんよ」と励ましてくれ、
それもどうよ、と思いながら、
いかに自分の変化には自分だけが敏感であるかを確認するのです。
よく友人も言っていました。今日ぜったいわたしむくんでるぅ!
そんな時は大抵「あんまり変わらんよ」とたしかに思うのです。



変化に敏感であれ。
ことしもよろしくね。
by akiha_10 | 2006-01-08 16:14 | Trunk