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page t-17 旅に心は奪われて

おくればせながら、夏旅行の写真作品「sortie tot exit」をgarallyに載せました。
フランス語の出口から英語の出口へ、
つまりはパリからロンドン、また逆方向もあり。
ものつくり集団equinoxの伊織さんとつくっています。
音つきが断然おすすめ。時間のある時に遊んでみてね。

そして。
懲りずにまたもや!旅するわたし。
音楽も一段落しましたし、
そこにはデザインとかテキスタイルとか、気になるものが詰まっているし、
時間の流れ方とか、スロー、じゃなくてフローライフとかどんなかな、って思うし
そうそう、好奇心も鮮度があるうちじゃないとダメだと思うし。

とまあ、欲張りフォローの言い訳をするより
旅に理由なんてないわ、とスナフキンスピリッツにならうのが今の気分です。
行けるうちに、やれるうちに、興味のあるうちにね。

おひとりさま旅行は、潔く投資するわりに、
精神的にはどんどんストイックになっていくので
(時に、考えすぎてしまう)、なかなか困りもの。
だけど、やめられないのは、なぜかね。


なによりも、安全を祈りながら。
自由な時間とまわりの人に感謝。
また10月に。


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旅の予習film
「エヴァとステファンとすてきな家族」
ノーテンンキなタイトルにしては奥がある作品。
「キッチンストーリー」
ほんわりした気持になれるよ。
by akiha_10 | 2005-09-20 23:18 | Trunk

page i-11  一目惚れくま

一目見た時から2日間、ずっと頭を離れなくて、a0028990_2331463.jpg
また見に行ったら、やっぱりどうしても欲しくて、
買ってしまった、ぬいぐるみ…。
だって、この顏、ねむそう…。
しかも、
いつもボーっとしてるからボーっていう名前なんだって。
まんまですね。

こんなに引きつけられたのは、ちっちゃい頃のキティ以来です。
いちよ、大人になったつもりだし、
ぬいぐるみ、かわいいと思っても
実際なかなか買う機会はありません。
ボーは大人のためのぬいぐるみらしく、
私なりに大奮発です。
でも、最後のほうは値段とか関係なくなって、
引き取らなくてはならない気持になったんです。
恐ろしい力を持っています。

家に帰ってきて、ドアの隙間からチラっと見えたこやつと目が合うと、
ドキっとします。
よく、一緒にいる人と顏が似てくるとか聞きますが、
私もボーっとなったら困りますね。
いや、「類は友を呼ぶ」のル−ルが確かならば、
まさかすでに、わたし、こんな顏じゃああるまいかと心配しています。

日本人の女性のぬいぐるみ作家さんがいっこいっこ作っているみたいで、
他の動物も、なかなかにやける逸品となっております。
Fredericというブランド。

ダニの楽園にならないように、こまめにファブリーズしてお浄めしなくちゃね。
でも…黒ずんだかんじも、かわいいかもね、
見つめていたら、動きたくなくなります。
by akiha_10 | 2005-09-20 18:30 | item

page m-4   マンスリーパンフィクション 09

村上にとって、メンソールのような空気が秋のしるしだった。

バタバタと支度をし、飛び出るように家を出る。
早朝ならなおさら空気は澄んでいる。
単純に、地球にうかんだ同じ体積の空気をみんなで共有していると考えれば、
活動中の人が少ない早朝は、それだけ一人あたりに配分される空気は多く、
そんなつまらぬお得感もあって、村上は眠気眼をこすりながらも朝が嫌いでなかった。
贅沢な空気を深く吸うと、喉がひんやりした。
我に戻ると、手元の時計の針が挑戦的な角度になっていた。
エンジンをふかすように、身体の奥から緊急時エネルギーをむくむくとわかし、
階段をひとつ飛ばしで駆け上がる。
息がはずんで、喉のメンソールは乾燥で消えてしまう。
特にこの季節は通過が速い。
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ひんやりとしたフロアにそこだけ浮かび上がる会議室。
一之瀬は、首だけ机にのっけて、亀のようにペタっとなっていた。
首のすぐ下に置いた資料に目を通せるわけはなく、
どこか一点に目を置いていた。
村上に気付くと眠そうに目線だけを上にやった。
「おまえさ、俺だから遅れていいと思ってんだろー」
「いや、これでも始発ですけど」
「ふぅーん」
一之瀬はようやく身体を起こして、やる気のない手つきでぶ厚い資料をめくった。
「あー帰ってウイイレやりてー」
「はいはい。はじめますよ」村上は流した。
実際、欠伸と同時に喋った一之瀬の言葉は母音しか聞こえなかった。

村上と一之瀬は同期であり、なにかの仕事の際にはよく組まされている。
相性の良さが弱点だった。
先月の大ヘマにしても、タイプが似過ぎているがゆえの落とし穴だった。
つめるところも、見落とすところも同じなのだ。
2ケ月前から準備していた「夏のパン特集」は、膨大な試食や読者アンケートもむなしく、
二人のちょっとした、社にとって重大なミスによって他の記事にさしかわってしまったのだ。
二人は互いが自分のようだったので、誰を責めるわけでもなく、
こうして休日の早朝から出社してリベンジを試みているわけだ。
二人と仲の良い上司のとし子が、挽回の場をつくるために編集長にかけあった。
今日中にまとめることがミッションだ。

夏ほど大々的ではないが、二人はこりずに秋のパン特集を組んだ。
夏に通いつめたパン屋のデータや作成した資料を、
なんとかして使いたいというのが、正直なところであった。
「編集部が選ぶおいしい秋パン」という見出しではあるが、
実際は編集部というか、村上と一之瀬が選ぶ、いや村上が選ぶ秋パンになるだろう。

それにしても、机の端にまとめて置いてあるパン袋の数は半端なく、さすがの村上もひるんだ。
「ちょっと、一之瀬も動いてよ」
パンを移動させ、資料と照らし合わせながら試食をし、評価とコメントをメモする作業から始まった。
パンをちぎっては食べ書き、ちぎっては食べ書き、ちぎっては食べ書く。
はじめはお腹に余裕もあり、楽しさがあったが、
次第に会話がなくなり、もくもくとした処理になっていく。
これは夏の時と同じ展開である。
「あーなんか学生んときのパン工場のバイト思い出してきたし」
一之瀬は遠い目をしてなにかに耽っている。
夏の村上一押しパン屋、ルヴァンの新作野菜カレーパンはコクがあって、期待を裏切らなかった。
しかし好きだからといって朝一から本格的に食べてしまったことを、
残り40数個のパンを見て後悔していた。
これも夏と同じ失敗である。
「なんかさー村上ってさ、天然酵母とか、発芽なんちゃらとか好きそうだよなー、無農薬とか無添加とか。
ナチュラリストっていうの?ま。俺からしたら、なんか、ただのジコマン。」
一之瀬の久し振りの発言も、村上の返答も、二人は目線を上げずに交わした。
「まーいずれもハズれてはないかも、ま、でもそのジコマンが楽しんじゃん?」
村上はもぐもぐさせながら母音だけ響かせた。
「ふうーん。村上さ、パンはシンプルでかたければかたいほど美味しいとか言っちゃうんでしょ、
俺、村上の好きなものとかだいたい分かってきたし」
一之瀬は作業を止め、机に並んだ袋をガサガサと開けてはのぞく、を繰り返し、
クルミパンやらドライフルーツパンやら全粒粉パンやら、
ハード系のパンを袋ごと村上の手元にスライドさせた。
「はいこれむらかみーこれもむらかみー、おっと、これも、むらかみー」
「は?ちょっと!一之瀬も食べてよ、そんで書いて下さいっ」
「俺もう腹いっぱいです。なんとなく書くのはなし?」
「そういうの、気持はわかるけど、とし子さんにバレるよ。編集長は騙せても、
としぼー姉さんは気付くと思うよ」
「だよな」
一之瀬はまた亀ポーズをとり、はぶてた子供のようにしぶしぶとパンをかじった。

空調のジーっという音、袋を開けるガサガサっという音、ペンシルの音。
パンを口の中で砕く音と、時おり一之瀬がいじる携帯のカチカチした音。
時計の針の音は、妙に速くリズムをきざむ。

空調がひと休みモードにはいると、それらのビートがさらに研ぎすまされて聞こえた。
気付くと亀一之瀬の寝息がかすかにしていた。
村上は一之瀬の顏のまわりに、今ある数のきっちり半分のノルマパンを並べてやった。
午後から編集しなくては、と村上は作業の流れを逆算して少し焦る。
「ゴホン」村上は一之瀬の耳もとで大袈裟に咳払いをする。
手元の時計の針は重なる手前であった。
                        (つづく)

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今月のパン ルヴァン@富ヶ谷
by akiha_10 | 2005-09-19 19:30 | monthly

page d-22   幸せフリージング

今わたし、しあわせ!a0028990_1364982.jpg
という実感が、そこに在る時間って、
ほんの数分、いや数秒な気がします。
ほんわかした幸せは持続性があるんだけど、、
ピンと張った幸せ(至福というのか?)は
ほんとに一瞬で散ってしまう。
これこれ!と一番リアルな瞬間に
その感情を特殊フリーズドライ製法で
凍らせておけないかな、と思うのです。
それで、どうしようもなく気がのらない時に、
じわじわ解凍するんです。
それができたら、すごく頼りになるよ。



私の幸せの原料は、今のところ
すてき!かわいい!おいしい!おかしい!じゃないかと思います。
いずれかの感情に出会えたら、その日は充実した気になれます。
たまに、何もせず、何にも頼らず、ぼーっとしているだけで
ほんわか幸せだという菩薩のような日もあるのだけど、それはまだ稀です。
なんでもいいのです。
ちょっと時計屋をのぞくとか、コンビニスイーツをちびちび食べるとか、
四大原料は、時々意識しないと手にはいらないものだったりします。

四大原料のすべてをふんだんに使った、マックス至福とはどのような状態か、
くだらない想像にふける私。
そう、想像するときは、せっかく頭を使うのだから可能な限り、リッチに非現実なのが夢心地。
宝くじがあたった、とかさ、無駄であっても皮算用的な想像はわくわくするもんね。

えっと、わたしは、
水面きらきらなベネチアの運河に揺られて、(すてき)
クロエかなんかのワンピースを着てて(かわいい)
ゴンドラの上で迷惑にもチーズフォンデュを楽しんだ後、ぜんざいを食べ(おいしい)
船漕ぎがカンツォーネを唄う間に顔芸とかを小出ししてくれて、
うひゃひゃと笑わかせてくれれば(おかしい)
もう、これマックス至福です。
万が一、ゴンドラが転覆しても、わたし、寒天にぎって笑っているわ…。

と、思い描いてみました。(はげしく空想癖。)
でも、こういうのは実際叶っても、
期待通りの幸せを感じるのか、あ、そう。という感じなのか、
こればっかりは、わからなかったりするものです。

もしかしたら、つい2分前くらいに上の段落を書きながらにやけている瞬間が、
けっこうリアルでな、確かにそこに在るわくわくというものかもしれません。
幸せとおぼしきものは、いちいち噛み締めないと、氷らせる前に、ついつい逃してしまいますね。


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今日は制作中の楽曲の弦のレコーディングがあって、
楽しみにしていただけに、しあわせな一時でした。
この瞬間の音色は、CDにリアルに氷らせていれてます。うふふ。
by akiha_10 | 2005-09-15 01:50 | Daily thinking

page s-15 ぐまちゃんとランチ 3

暑さもしっかり居座っている頃、幼馴染みのぐまちゃんと御飯を食べた。a0028990_19465396.jpg
麻布十番で用事があるというので、
麻布商店街の「もち玉」で食べます。
太刀魚の骨と挌闘しながら話をしていると、
まわりに浴衣姿の人がちらほら。
そっか、今日は麻布十番納涼祭の日ね。
それにしても、今日は納涼しがいのある暑さ。
湿度がやたら高くって、じっとしていても汗がにじむ暑さって
いかにも祭りっぽい気候。
ベタベタを我慢してでも浴衣は着たいよね。
と、ぐまちゃんと眩しい浴衣姿を眺める。



a0028990_19472351.jpg麻布十番に来れば、食べずにはいられない、浪花屋総本店のたいやき。
甘味屋が多いこのあたりでも、群をぬいて人気のお店。
ここのたいやきは行列必至なので、たいやきに予約をするのです。
何時に何ひき、と。
「たいやきに予約!?」と驚きひいてるぐまちゃん。
ついでに、私の携帯に店の番号が登録されていたことを言うと
(自分でもちょいびっくり)
あまりの甘味に対する情熱ぶりに、呆れひいているぐまちゃん。
でも、案の定の行列をスルーして、
楽勝顔で4ひき捕獲している私を見て「さすが、うりゅうさんやね!」
と微妙に誉めてくたので微妙に嬉しかったです。



ぐまりーなも負けず劣らず甘味好きなので、行列のたいやきに期待は膨らみます。
夜店の準備にとりかかった商店街の通りを歩きながら、
あつあつのたいやきをパクリ。
肉まんやカレーバンと同じく、思ったよりも中の餡が熱いので火傷に注意です。
「うわ、なんこれ、すごいパリパリ!皮がこんなに薄いのははじめて!なんともいえんね!」
「こし餡ともつぶ餡とも、なんともいえん餡がいいね!」
「頭からしっぽまでギッシリなのが、なんともいえんね!」
と、結構色々言っていると思うのだけど、なんともいえんね!と繰り返していたぐまちゃん。
そんだけ喜んでくれたら予約しがいがあったよ。
胸焼けしそうなこの気候においても、二ひきを楽勝で食べられちゃう美味しさは、
さすが名物だけあります。



六本木ヒルズに見下ろされている商店街は
夜店の照明がはえる夕暮れに、さらに祭らしくなります。
人情にわく夜とスノッブな夜が、一本の道の延長線に存在することが
不思議で、おもしろくて、なぜか悲しい気持になるのです。
無駄なものを限り無く排除して暮らしてみたいと憧れながら
物が大好きであったり、
人と適度な距離を保ちたいと願いながら
それでも人の温かさを欲しがったり、
とにかく我がままで欲張りな誰かさんと似ているから?
とにかく我がままで欲張りな東京を嫌いになれない。



12府県の名産を集めた「おらが国自慢」コーナーが連なる夜店で、
皮だけ生八橋を買って帰る。
これ一枚一枚めくって食べるの、好きなのよね。
by akiha_10 | 2005-09-06 20:02 | Stomach