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page t-6  フランス初上陸 3 

ちょっとした小道に入ると、知る人ぞ知るお店に出会えるかも…
そんな期待に応えてくれたのはモンマルトルの少し東、レピュブリック。
初心者のくせして、どうしても中心地よりも、小さめで、個性のある街が気になってしまう。
ここはパリ流下町の雰囲気。活気があって、安くて、生活が見える。

裏路地に入ると、ブティックが点々と並ぶ。
おそらく中心地よりも土地が安いのもあって、若手デザイナーのギャラリーや、
トライアルのセレクトショップみたいなものが多い。
「モノより思い出。」そう、強く意志を固めていたはずが、
目に飛び込んできた「SOLDE」の文字は、強力な引力で足を運ばせる。
「どうやらセールらしいよ。ま、見るだけよ。」友人に言いながらも、自分に再度意志確認。

全面白壁のシンプルなお店に、少しデザイン性のある、生地質にこだわった洋服が並ぶ。
「大人になったら、こうゆうのいいな。」
そんな想いと共に何気なく見ていたが、ハンガーに掛かった洋服を掻き分ける手が止まった。
破格だわ。
なんだ、よく見ると70ー90%OFF?物によっては0ひとつ消せる。
強かったはずの意志は瞬時に飛んでしまい、現実味のあるその価格設定に、その手の動きは本気になり始めた。
なんでも去年立ち上げたデザイナーズらしく、次のコレクションのために店内は一掃セールにしてしまう、というような事を言っていたと思われる。

手にとった服を試着してみる。
試着室でこっそり、その値札に書いてある元値から赤文字の値段を引いて、アメリ風ニンマリ。
「こういう時は、買っていいよね。」と自分を弁護する。
いかにも仕事ができそうな、オーナーらしき女性が素材やデザインについて説明してくれるが、
キャッチできず、とりあえず「ウイ」を連呼する。
意味は分からなくても意志が通じたのか、なんとなく仲良くなった。
「これにしよう。」とオーナーに告げる。
しかし、周辺も散策してから戻ってこようよ。というよくある買い物パターンをになり、一度店を出る。
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ほんの少し周りを歩き、再びその店の扉をくぐる。例のオーナーはにこやかに迎えてくれた。
お?一瞬、アパレル関係者かと思ったが、その抜群のスタイルと仕種で、そこにいるパリジャンがモデルだと推測できた。オーナーとカタログを見ながら、何かを相談している。その美しさに圧倒されていると、試着室から、さらにオーラのある女性が。
しかも彼女、私が買おうとしていたトップスを着て、店内を颯爽とウォーキング。
この二人はモデル仲間だと、確信に変わる。
とても綺麗に着ている。すっかり見とれていたが、オーナーがそれに気付いて事情を彼女に説明する。
「オ〜!ソーリー。」と顔の半分を占める大きな瞳をパチパチさせながら言う。
「でも、私も欲しいのよ、あなたもう一度着て、考えてみてくれる?」というようなことを感じ良く言われるが、
とんでもないです。
「よくお似合いっす、わたし、いいっす どーぞどーぞ」
心でそう叫びながら、単語と身ぶり手ぶりで譲る意志を伝え、
とりあえずモデルの彼女の前で再び試着することは免れた。
ある種の緊張と焦りで、ヘコヘコしてしまった。
彼女は申し訳なさそうにお礼を言う。
ああ、パリ・コレモデルと同じ服について争奪するなんて…参戦するまでもなく惨敗。
でも、そのお買得服一枚より、その美しい方々と偶然出会い、一瞬の交流があったことが、
一番ラッキーだったのよね。思い出、思い出。

日が落ちたレピュブリックは、大通りに並ぶ路面食材店の灯りがよく映える。
閉店前のデリカッセンで「SOLDE」のお惣菜を買って、ホテルへと向かう。
by akiha_10 | 2004-09-17 03:06 | Trunk

page t-5 フランス初上陸 2

「セ… コンビアン?」 『twenty.』
「あ…アン カッフェ エ クロワッサン シルヴプレ」 『anything else?』
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前世のミシェルは完全に勘違いのようだ。
基本フランス語会話はあまりのカタカナ発音に、虚しく英語で返され、
それでも、それっぽく言ってみて、カプチーノをゆっくり飲んでみる。
「それっぽい」感じを楽しめれば全然いいのよ。

今や日本でも、カフェは街中のあちらこちらで見かけるけれど、
なんだかやはりファッション感覚が抜けない。
「なーに小洒落れっちゃって。」とつっこまれそうな。
そう言いながらも、テーマがあって完全に演出された心地よい空間は、
やっぱり落ち着くし、たまに行くといいよね。
食べ物が美味しくて、コーヒーにこだわりがあったりすると、さらに良い。
でもね、パリのカフェは、やっぱりもっと身近な存在で、シンプルスーツのパリジャンが、カップを片手に、ルモンドを広げている姿は板に付いている。もちろんオープンテラスで。
そう、カフェの概念が違うと思うのよ。

オドレイトゥトゥのファンとしては、モンマルトルのカフェは当然押えとくべきよね。冬ソナ韓国ロケ巡り並みにミーハーだけど、ちゃんとやったよ。
アメリと同じ、クレームブリュレのカラメルをスプーンでパリっと割るやつ。
そして、上目遣いでニヤリと笑ってみたよ。
店内にはアメリポスターも貼ってあった。
そういえば、ジャケ借りした「ヴィーナスビューティー」という仏映画に、
若めのトゥトゥが偶然出ていました。
ドキドキするような大胆な役だったので、エンドロールで名前を確認したほどです。

モンマルトルは若手アーティスト達が多く住む街。
どこかしら文化的な風が、丘の向こうからやってくるような。
しかしそう浸ってもいられない。
怪し気な絵書きさんが「こんにーちは こんにーちは」と話し掛けてくる。
相変わらず、ここでも基本仏語も話せない現地民を出来る限り装おってみた。
by akiha_10 | 2004-09-10 18:05 | Trunk

page t-4 フランス初上陸(2002年 冬) 1 

シャルルドゴールの空港に着く直前、機内でクロワッサンとチーズの軽食が出た。
パリ関連の情報の切り抜きを見つめていた。
心はすでにパリに飛んでいたため
ほんのり香るクロワッサンに「粋なことをするなぁ」とちょっとした幸せを頂く。
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飛行機を降りると、目に入るもの全てが「フランスっぽい」から、ますます高揚した。人も、文字も、流れる空気も。

まず、直行したのはパン屋。
有名なチェーン店より、小道にある現地民御用達のパン屋のほうがいいね、とパン屋のためだけにメトロに乗った。
行列が目印となり、すぐに見つけることができた。
周りには店がほとんどないのにこの繁盛ぶりは、
間違いなく美味しいという証だ。
行列のおかげで、いつでも焼きたてのバゲットを食べられるらしく、
買ったバゲットは素手で半分にするのが熱いくらい。
肉まん割る時みたいなかんじよ。
「あちぃ…あつっ」と言いながら割ると、ふんわり湯気が。
フーフーしながらパクり。パリモチっとしていて、やっぱりおいしいじゃん!!
「おいしいよぉ〜」と言いながら、長い長いバゲットを一本その場で、友人といっきに食べてしまった。恐るべし。

絶対行きたかった蚤の市。
アンティークなど高価なものからガラクタまで売っている、週末のフリーマーケット。
「あなたの要らないものは私にとっての宝物」というものだ。
一番興味のあったのは、モントレイユの蚤の市。
というのも、そこでは「泥棒市」と呼ばれるほど安く、くだらないものが売っているらしい。
いかがわしい程、発掘心が掻き立てられる。
いかがわしい程、治安はとても悪い。
お財布はコートの下の、セーターの下の、小さいバックに忍ばせた。
「現地民っぽく振る舞おうね」と友人と対策をたてる。
物珍しさに、キョロキョロオドオド。どこから見ても観光客だ。

期待通りのガラクタぶり。使い古した電化製品の部品や、ドアノブ、錆びた釘まで売ってある。
ゴミにしてしまう前に、とりあえず出してみるのかな?
何かに使えるかな、と値下げ交渉をしてみるが、頑におじさんは譲らない。
その釘によっぽど思い入れがあるらしい。

古着が1ユーロという看板の下で山積みになっているではないか。
2ユーロコーナーでは少し質の良いものが。
あんまり周りが安いので、5ユーロともなると悩んでしまう。
地元のパリっ娘や、バイヤーらしき人達に交じって掘りだす。

戦利品は古着が数着と、雑貨や古本、ステーショナリー、置き物など。
両手に袋を抱えるほど買っても、とても安かった。
ホテルに帰って、「PAUL」のタルトを頬ばりながら収穫物の品評会。

気を張っていたので、満足感と共にドっと疲れが出る。
「おじさんの釘」についての想像は羊よりも眠気を誘った。
by akiha_10 | 2004-09-06 23:19 | Trunk

page t-3 フランスに魅せられて

なんでフランスが好きなの。
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お洒落なイメージだから?
街並がかわいいから?
美術館がたくさんあるから?
やっぱりパン?
私の中でも、これらはもれなく理由に挙がるけど、
私はなによりフランス人のモットーに魅力を感じるのです。
そう、「食を楽しむ」というとこ。どうやら気が合いそうだね。

フランス人の友達と食事に行くと、彼女は決ってその食事に合うワインを頼む。
そして、デザートの欄までしっかりとチェックする。そしてオーダーの際、少し私に気を遣って「だってフランス人だもん。」とお茶目に言う。私も食いしんぼう王国の住人なので、結局彼女のペースに合わせるのだけど。
少し気取ったブルジョアの話というわけではない。だって彼女は自分でコーヒーショップでバイトをして暮らしていたし、洋服もだいたいジーンズとTシャツで、とてもラフ。だいたい私も彼女も高いお店に入れるわけもないし。
きっと、それはパリっ子の彼女にとっては、ふつうのこと。

フランス人の恋人を持つ友達も、「彼、頭の中の六割は食べ物のこと考えてるよ。」と呆れて言っていた。
ちょっとドキッとした…。なにやら気が合いそうだね。
男性が進んで料理をもてなしてくれるのも、フランスではよくあることだとか。
映画「シェフと素顔と、おいしい時間」を思い出した。
フランス人の多くは、日曜の休みは青空市場、マルシェで材料を厳選して簡単に調理し、おいしいブランチタイムを過ごす、ということも教えてくれた。いいねぇ。
でも、これ、さっきも言ったように、決してただ高級なものを口に運ぶ贅沢というものではない。今日食べたいものを真剣に考えて、食材を選んで作ったり、または素敵なお店に足を運んだり、こういった一連の流れを徹底して楽しんでいるのだ。
素敵ね。

でも、私は日本の伝統的な、繊細な盛り付けや味、世界から入ってくる豊富な食材を生かした食文化も、誇れるものだと心から思う。フランスに負けない「食の楽しさ」はいっぱい。
そして、食べることが好きな人も増えている気がする。これってとても豊かなこと。
食べることが楽しい人には、明日確かな楽しみがあるってことだもんね。

フランス人の友達が日本に来たら、お刺身と共に今日の気分の焼酎を頼もう。
「だって日本人なんだもん」って言いながらね。
by akiha_10 | 2004-09-04 18:40 | Trunk