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page f-15              「インセプション」

「シャッターアイランド」から早くも、またもやディカプー。
「インセプション」!久々にわくわくする愉しみ方ができた!



ともすれば偏屈哲学的になりそうなテーマを、エンターテイメントで。
監督のクリストファー・ノーランは知的な闇の住人だと思う。
直接的な恐怖や驚愕で人を試すのではなく、
もっともっと、三層くらい下へ下へと潜った深層に陰湿なダークな世界があったことを、
それは誰しもにあったことを、同類を集めるように提示してくる。
だから、このインセプションに出てくる夢の階層は、
彼の分析し尽くせぬ心のエレベーターの投影であるような気もする。


ちょうど数日前、実家の夏のクリアランス大掃除祭にお呼びがかかった。
思い出ボックスに入った中学から続く歴代の手帳のトラップにはまって、
掃除がなかなか進まないのはいつものパターン。
2003年あたりの手帳に記した150本ほどの映画記録の中で、
10本にも満たない赤◯のついた(印象的だったもの)タイトルに「メメント」があった。
一昨年「ダークナイト」を観て、戻って来れぬほど落とさた感触とすべては一致していた。
そんなもんじゃない、もっともっと、深いとこが痛いんだよ。
そういう感じが、独特。


「インセプション」に出ている俳優のジョセフゴードンレヴィットが気になる。
「500日のサマー」にも出ていて、映画そのものもよかった。
恋をしている人は、ぜひこれと、
イーサン・ホークの「痛いほどきみが好きなのに」をひとりっきりで観て打ちひしがれましょう。
by akiha_10 | 2010-07-28 22:13 | film

page f-14               ディカプーまつり

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銘菓まつりに行く前に、ブレイク。





最近偶然たて続けにディカプリオを見ました。
一瞬「レオ様」とか書こうとした自分に、
照れた。


ひとつは「ワールドオブライズ」、
これはまあ、何気なく入ったのに
視覚的にヘビーで(拷問とかね…)
コーラとポップコーンが似合わない映画でした。
内容は骨太でしたが、いかんせん恐くて指の隙間から見た次第です。



そして、今回すごく印象的だったのが
「レボリューショナリーロード  燃え尽きるまで」。
このサブタイトルにつっこまずにはいられなかったのですが、
(そこは大人になって)
心に黒い石ころを落としていく映画でした。
「アメリカンビューティー」のサム・メンデス監督。








はっきりいって、地味で暗い。


しかし、色褪せたパステルカラーを多用したファッションや
全体的に彩度の低い映像、
コードを微妙に変えながら、すくっと佇む音楽、
それらが丁寧に丁寧に、
紡がれていったような上質な手触りがあります。
実際はダークな出来事が重なるのですが、
後味としては、
なにも事件の起きないクラシック音楽を聴いたような。




心に印象的に残ったシーンがふたつありました。
静かな朝食風景と、おわりのシーン。
ところどころに散らばっている脇役の
表情から汲み取れる、嫉妬や安堵や見栄。

絵と空気感、で残る映画はわたしにとっていい映画です。





自分自身への期待は
自分を高めるものであリますが、
同時に自分を苦しめるものでもあります。
ずうずうしいことながら、
「ペテルブルグの夏」にケイト・ウィンスレットを重ねたのです。








今更ながら、
やっぱりディカプリオはいい演技をするんだな、とファンになりました。



「虚しさは誰でも感じることができるが、絶望を感じるには勇気がいる」
と言う台詞をこころの中で寝かしている。





ちょっと一杯飲みながら話したい、という気分に。
そうえいばキャシーベイツもクロエの香りくらい最近よく出くわす。
ひさしぶりによかった。
by akiha_10 | 2009-02-01 00:30 | film

page f-13   旅先シネマ

なんといっても、
旅の移動での楽しみのひとつが機内映画。
ビバ!テクノロジー。
貧乏性になって観て、
さらに旅先でフルに活動し、
寝不足のスパイラルになってしまうのが毎回のパターン。






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今回は一番エコノミーな航空券を取った結果、
はじめての大韓航空だったのですが、驚くほど快適。
機内がキムチ臭…なんて噂は単なる噂でした。
機内食のビビンバは美味、
シートに固定された画面はタッチパネル!、
ドラえもん風カラーもさわやか。




観たもの。
「マンマ・ミーア」はミュージカルほどの興奮はなかったのだけど、
メリル・ストリープがとても頑張っている。やっぱり素敵。
映画館で観たい。

「Meet Dave(原題)」というエディ・マーフィーのコメディが
あんまりにもバカバカしくて結果的には印象的に…。
エディ・マーフィーがひとつの宇宙船になっていて(ガンダムちっく)、
中でちっちゃい人間(宇宙人)が働いているという、Z級映画。

「ウォンテッド」
「ベネロピ」を観てジェームズ・マカヴォイは絶対来ると思う!と宣言していたら
やっぱりスターの一歩を。アンジーは10年前の「ジーア」という作品が一番好き。

「Step Brothers(原題)」
「俺たちフィギュアスケーター」のウィル・ファレルと「シカゴ」のエイモス、
ジョン・C・ライリー主演の映画。
40歳ニートのパラサイトを描いた作品、脚本はどうであれ、
この二人が動いているだけで面白い。





旅先ではないのですが、最近のロードショーより。
はりきって初日に観に行ったミシェル・ゴンドリーの
「僕らのミライへ逆回転」、好きでした。
読めるけど、まんまと感動しました。
ジャック・ブラックと子ともたち、はずるいよね。
ミシェゴの映像の工作感、コラージュ感が、
自分がうちこみしている時の気分と近い。

「ダークナイト」
その夜身震いする程ジョーカーが凄かった。
ただならぬ凄みを持った映画。久しぶりにこんなに世界に引き込まれた。
ジョーカー役のヒース・レジャーが撮影後亡くなっただけでなく、
続々と関係者に不幸があるようで、ますます闇が深まる。



「レッドクリフ」
三国志を読破しようと決めた。





そして、映画つながり。
わたしが主題歌を担当した、
FN系列のラジオドラマ「泣きたいときのクスリ」(2007年秋放送)が映画化されました!
ラジオドラマに引き続き映画でも、ショパンに歌詞をつけて唄った
「Tears Like A Rain」が使用されています。
ちなみに「Tears Like A Rain」は新しいアルバムにもはいっておりますよ。


映画「泣きたいときのクスリ」は、09年1月10日よりシネマート新宿ほかにて全国
順次公開。そして、わたしもちょこっと映画に出ていますので、観てみてね。
映画詳細
by akiha_10 | 2008-11-10 00:49 | film

page f-12   「ぜんぶ、フィデルのせい」

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カフェドカンパーニュで抹茶ラテを飲んだときも、
エキップで中古家具をパトロールしに行ったときも、
彼女が居た。
(NIEMSとコラボレーションをしていたらしく、いたるところにチラシが)
「ぜんぶ、フィデルのせい」
タイトルがいいと思う。
ぶくっとした少女の顔と、タイトルが
いつしか頭の隅に住み始めたので、
恵比寿ガーデンシネマに行ってきたのです。






おフランスのお嬢様として毎日過ごしていたのに、
パパとママが突如「キョーサン主義」に目覚めてしまう。
それもこれも、フィデル・カストロのせいだわ!!
と、終始ぶすっとした顔で小さな反抗を繰り返すアンナがとってもキュート。
「大人になったら見るノート」
を書いていたわたしには、共感するところ多し。
ミッション系の学校に通うアンナの、
ぴしっとひっつめた髪の制服姿は、立派なレディー。
思想やら文化やら、社会的背景は結構しっかりしたものだけど、
視覚的にポップで、ユーモアがあってよし。
「グッバイレーニン」に近いものを感じました。
あの頃わたしも、大人は、すごい大人、
だと思っていたのだけど、、、。









それからね、なんといっても、
三月は大好きな監督、
ウェスアンダーソンの「ダージリン急行」がやってきます。
いつも小道具見たさ半分だったりもしますが、
今回はマークジェイコブスなんぞも参加しているとのこと。
予告からも、既にかなりゆるい空気が伝わってきますが、
相変わらず色彩や小物が、とてもいいと思います!
脚本にローマンコッポラも関わっているのですが、
それはどうかなあ、、、と思いながら。









明日はライヴです!
あしたね、おやすみ。
by akiha_10 | 2008-01-31 00:24 | film

page f-11   film 「幸せのレシピ」

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夏のNYのバス停広告でパチリ。

映画「No Reservation」、邦題「幸せのレシピ」。
観てきました。
わたしは食いしんぼうで、
なによりレストランという空間が好き。
だから
料理がたくさん出てきたり
レストランが舞台になっているお話はとても好き。
ディナーラッシュ、バベットの晩餐会、
ギャルソン!、マーサの幸せレシピ…
はっ。今書きながら気づいたことがある。
「幸せのレシピ」は、
ドイツ映画「マーサの幸せレシピ」とお話いっしょ!
ハリウッド版リメイクだったのね。




キャサリンゼタジョーンズは綺麗だし、
アーロンエッカートは今までで一番好感持てたし、
なにより子役のアビゲイル・ブレスリンが可愛すぎます。
登場した時、あ、オリーブだ!!と声をあげて喜ぶ。
そう、あの「リトル ミス サンシャイン」のオリーブです。
まだ観てない方はぜひ。
可愛いのよ。
今回も演技がすばらしくってね、
大人の二人が呑まれていたほど。
すっごい美少女というより、
子どもらしい子どもなのよね。
そこがまたぐっとくる。
媚びていないぬいぐるみ好きのわたしには、
たまらない、いとおしさ。
どうか、ティーンになっても
やんちゃは程々に、
素直な女優さん、大人になりますように。






それから、ゼタジョーンズが暮らしている
マンションの内装のセンスがもの凄く良くて(好みで)
それにも見いってしまった。
でも、いくら一流とはいえ
雇われシェフ。
NYのあんなに立派なお宅には
なかなか住めないのでは、、
とリアルな疑問はお口チャック。
そこはハリウッドのお約束なのです。




ベタだけど、
それも望んでいて、
素直に、
幸せな気分になって、
とても良かったのだけど、
心の刺さり具合でいうとやはり
ドイツの欧州バージョンには負けてしまう。
じめっとしていて、もっと地味なんだけども、
空気感が残る。
フランス映画の「アパートメント」が
ハリウッドで「ホワイトライズ」としてリメイクされた時も
ちょっとがっかり。
悪くないけど、
わかりやすく、後腐れなく、
さっぱりして、通り過ぎる。

これは例えばエスプレッソが、
味わうまでに時間がかかり
苦みとともに余韻がまとわりつく
美味しさであって、
コカコーラが
一口目から美味しく
喉越し良く
爽快にはじけて、
跡形なく
終わっていく美味しさであることと、
とても
似ている。











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近所のアンティーク家具やさんで
マガジンラックを買う。

インテリアショップをまわると思いだす。
学校の帰り道、高校の制服を着てひとりで
近所のモデルルームに入って行っていた。
受付のお姉さんも困惑。
今考えると、変ね。
by akiha_10 | 2007-10-11 18:10 | film

page f-10   「それでもボクはやってない」


「それでもボクはやってない」を観ました。
ひさしぶりに真面目な映画。
ひさしくかたい言葉に触れていなかったので、
後頭部地帯が、ぎゅぎゅってなった。
その内容は、日本の司法制度、
裁判制度を問う。
そうだ、思い出した。
小さい頃って、司法って、法律って、
なんだか漠然とすごいものだと思っていた。
絶対的なものだと思っていた。
しかし、当たり前のことだけど、
所詮みんな、感情を持った人間、赤ちゃんだった人間、
裁判官たろうが、おなじ。
法律をつくったのだって、そんな人間。
言ってみれば単なる「決めごと」の中で、
人が人を判定するという限界。
裁判での、
両者の言葉の揚げ足取り、
例えば傍聴席の感情をもって優勢にさせる演出、
わたしはテクニカルなことを知るうちに、
これはまったくもってショーのようだと思ったことがある。








大学4年間は法学部だったので、
僅かなりとも法律に触れていました(ちょっと弱気)。
特に刑事訴訟に触れるなかで受けた、
とっても「人間っぽいなあ〜」という印象は
この映画がリアルに描いている、まさにそのとおり。
ばっさばっさと論破して、はい無罪を勝ち取りました!
というようなかっちょよさは、ものがたり。
裁判の現実はもっとねっとりで、根気づよさが要求される。
弁護士や刑事の、ヒーローものの映画やドラマを観て
その職業に憧れることもあるようだけども、
この映画はとてもリアルで、
少年少女へのハローワークとしてはヘビーかもね、
と友人と感想が一致。
刑事事件の、「裁く」ということ自体を、
自分の中で裁ききれない違和感をふたたび思い出した。
いまいち熱血になれない自分も思い出した。
つまり学びを深める前に、はじめからつまっていた。
どう生きるかを模索する前に、
なぜ生きているか、につまるように。
そういうわけで、
「あきちゃん理屈っぽいし、弁護士とかどう?どう?」
と小さいころたまに聞いた、
とってもドリーミーな親の、密かな願い、破れたり。
(民事に望みも残さずあっさりと)
それ以前に、
好きなショップのセールに並んだり、ふらふら旅にでたり、空想にふけったり、
こうしてあまり授業に出ていなかったわたしが、
「違和感」とか言う資格も、まずはっきり言ってないのです。
そして今、「もっと好きなことがあるの!」と
なんの巧妙な説得術もなく、
もう、真正面からいくしか、ないのです。
ありがとう、父母。
早速、
好きなはなし。
















a0028990_0203145.jpg恵比寿のジュエリーのお店
「noguchi」に行きました。
去年の末「DRESSTERIOR」のショーケースで
初御目見したときから、心は奪われていたのです。
それでね、毎回はりついて見てはね、何度も何度も試着。
どうしようどうだろうと、賛否両論争う中、
ああ、かわいいな、ああ、素敵だな、と
これだけ思うならば、この物欲は無罪!
これ、ティアラがモチーフになっているピンキーリング。
ん。かぼちゃの馬車にもみえてくる。
どっちにしろ姫気分なんよ。うふふ、うふふ(手をひらひら)
真ん中にブラウンダイヤがついていて、
ゴールドを加工しているような、絶妙な色。
まるでアンティークのような仕上がり。







件のオンリーショップにはもっといろんな種類がありました。
マルジェラの隣のビルにあります。
お近くの方はぜひ。
星座をモチーフにしたリングは、
ダイヤがちらばっていて、指上で星座を描くようになっている。
大人で可愛い。
射手座のわたしは、
まさに手に弓持って、
好きなことばっかに狙いを定めている。
by akiha_10 | 2007-02-16 13:44 | film

page f-9  「リトル ミス サンシャイン」

すき。
さして大きなことは起こらないのに、
わたしにとって、心に残る映画でした。
綺麗すぎず、湿りすぎず、泣かせようとせず、寸止めに。
あーすごいよかった、と駐車場あたりでじわじわ。





ポンコツのワゴン車を、
エンジンがかかるまで
家族みんなで後ろから押す。
じわりじわりと加速したところで、
ひとりずつ走ってはとび乗っていく。


繰り返される象徴的なシーン。
このワンシーンが、映画のすべてを物語る。
前に進もうとするたびに、
家族みんなの力がいる。
うまいこと進まないワゴン車の、
車輪をみんなで転がして、
どうにかこうにか乗っていく、やっと前進、
それは綺麗ごとではすまされない人生のようで。
ほころびだらけの
ギリギリ自転車操業の「家族」から、
フッと笑いがこぼれた時、
こういうことだよなあ。
と。心が解き放たれた気分になる。




娘のミスコンの会場を目指す道すがら、
家族のそれぞれが、
目下の夢や道を断たれてしまう。
ただでさえチグハグな家族は、
もうガタガタ。
だけども、
個人が違うベクトルで掛けていたハシゴが外されたとき、
そこではじめて、
今実際にあるもの、遠い未来ではなくここにあるもの、
同じもの、を見つめはじめる。
そうだ。
「幸せ」とは、目指すものではなく、気づくものなのである。
だめーで、とてもいとおしい家族が、教えてくれるのだ。
クラクションまで壊れちゃった、
どーしょーもないフォルクスワーゲンバスの顔をみてほしい。
いろいろあっても、
口がにんまりしてて、
とてもチャーミングだから。







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今年はまた映画が楽しみ。
ソフィア コッポラもたのしみ、
そしてそして
ミシェルゴンドリーとアルモドバル作品も
くるそうで。
しかもミシェゴ作品の主演はガエル氏(ちょっと注目している)。
うー。たのしみ!
こちら、「ディルズ」を買い足しに
デニーズに寄ったときに。
色の組みあわせがいい!!
と、パチリ。
いちごジュースと、抹茶白玉。



film「リトル ミス サンシャイン」
by akiha_10 | 2007-01-13 19:39 | film

page f-8   「記憶の棘」

映画強化月間を掲げて、
体感時間としては一週間くらいなのに。
もう終わっちゃうね九月。
いつもの3倍で時間が過ぎている気がします。
やばいよやばいよ、、、(一体なにがやばいのかは不明)もう10月。
ここ2日間の口ぐせ。
そう言っていたら、それはね、エイジングだよ、
と返って来ました。うーん。
みなさんいかがお過ごしでしょうか?








朝晩の澄んだ路を歩くとき、
乗り物に揺られるとき、
いつもぼーっと物思いにふける。
物思いの材料は、記憶である。

(材料)昨日聴いたあの言葉、飲んだもの、交通整理のおじさん、
    今朝のバター、肌のつっぱり、天気予報、つまらぬコメント
    
記憶は、工場のコンベアのスタートのところで
ぽとんと落とされます。
そうして流れにのって、
それを一度開いてみたり、こねてみたり、畳んでみたり、
伸ばしてみたり、焼いてみたり、
最後はパッケージして、リボンをかけて仕上げて。
くれぐれも温度に注意して。




あ、乗り遅れる。
で、駅まで小走り。















記憶は「今」の邪魔をする。
記憶は、足枷である。



記憶は主観的なものだから、
事実と少々異なる。
いや、だいぶ異なる。
ほら、すごく傷付いたこととか傷つけたこと、
胃がお腹の下までさがったこととか、
平行線のあの晩のことを、排除してるでしょ。
事実の残酷さを、記憶でファンタジーに。
これだから生きていけるのね、
「でもあれって、今考えるとすごくよかったんだよね」って。



そんな曖昧でいい加減で気まぐれなものに、
わたしたちは、びっくりするほど、
とらわれる。
びっくりするほど、
縛られる。
記憶は感情と仲がいいから、
ずいぶんと偉そうに脳細胞を占領する。
消そう消そう、って、消そうとしてない。
一応、折り合いをつけようとするんだけども、
そのうちまた、剥き出てくるのね。
切っても切っても、また爪が伸びるように。













薔薇のような記憶。
痛いのに、綺麗だから手放そうとしない。
記憶は「今」を薄くする。
もうそこにはなにもありませんよ。
それでも記憶はきもちい足枷である。







ニコールキッドマンの相槌と、a0028990_0253059.jpg
音楽のベースに居座る音が
体液とぴったりで気持いい。
静かで、クラシカルで、冬っぽい。きれい。
薔薇のような映画です。
そう、昨晩はモンスーンで好きなお茶、
仙桃(センタオ)を飲んだのよ。
テラス席は今が旬、って言ったもんだから、
ひさしぶりに毛布に対面して、それでそれから、ええと。
コンベアはシナプスつたって、コンベアbセクションへと移動する。





film「記憶の棘」www.kiokunotoge.jp
by akiha_10 | 2006-09-26 00:34 | film

page f-7  「美しい人」

音楽創作に取り組むかたわら、a0028990_0225871.jpg
今月は、個人的に映画強化月間でもあるのです。
常日頃より映画を欲していることもあり、
自然と観てはいますが、
特に今月は、
意識的に集中して鑑賞したい、
そんな気分なのです。





思えば大学に入ったとき、
これで映画を観まくれるね、、と
わくわくしたものです。
なにしろ、
一番自由時間が多い大学、
というポイントを最重要条件にして進路を決めたこともあり、
護られた自由を手に入れたその瞬間は、
あれやってね、これやってね、と
したいことリストはキャンセル待ち状態でした。






だけどね、よくある話よ、
時間があればあるだけ、
いつでも出来る感についつい流され、
なんとなくグダグダしてしまうものです。
そしてグダグダし飽きてくるころ、
やっと自分の純粋な興味が見えてきて、
そこではじめて重かった腰もひょいっと上がる。
今は、健康的な欲望と好奇心と、
ほどよくつかえる時間とが、
とてもいいバランス。
感謝です。
「今だーっ」と、
心の住人が言っとるのよ。






たまに、
なにが好きなのか、
なにをしたいのか、
わすれてくる。
ぜーんぶどーでもよくなる、
あの恐怖はいやだから、
好きなこととか、したいことは、
わすれないうちに、
抱き締めておかなきゃね。














映画「美しい人」は、
ぜひ女性に観てほしいのです。
9人の女性が素材だから、
当然かもしれませんが、
女であるわたしは、
とても刺さるところがある。
女性は、時の流れを男性よりも、
敏感に刻んでいるような気がする。
体内時計の感度がよく、
それを受けいれていく
強さだとか柔軟性も、
生きていくうえで必要とされていて。
「女性は生き物として強い(言葉をかえると、冷たいとも)」、
そう言った男友達の言葉も、
この「今」を受けいれる(なければならない)
覚悟の、はじめから埋め込まれた半端ない強さ、
というところに、ひとつはある気がした。
それから、父と男はわりと近いけれども、
母と女の行き来は、遠足のような旅である。
だから、女性は遠足の途中、すこし疲れてしまう。
長い長い距離は、
ドキドキした遠足の熱をさますのに、
充分な時間を与える。
そして、もう、遠足には出向かなくなることも。









最近、
人間の「感情」とか「気持」を表すのに、
既存の言葉はあまりに少な過ぎる、
ということを言っているのですが、
まさに、
これを観た感想はそんなかんじ。
心にUSBケーブルをつないで、
あなたの心に直接つなげられたら、
正確に、伝えられるのにね。
全部が分かりあえないからこそ、
重なる歓びがひとしおなのだけども。








邦題はちょっと、
大人になりすぎているかもれません。
もとは「9 lives」。
そうであっても美しい、
という見方は素敵なのだけど、
救いすぎかもしれない。
この邦題を知らない、
ニュートラルな状態で観たら、
もっと違ったかもしれない。






寝る前に、何気ない
ひとつひとつのシーンが、
浮かびあがり、
目頭があつくなる。
感じるところは、あなただけのもの。
きっとまた、10年後に観るよ。






film「美しい人」www.elephant-picture.jp/utsukusii
by akiha_10 | 2006-09-09 00:33 | film

page f-6  「キンキーブーツ」

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「インハーシューズ」から待つこと一年弱、
靴もの映画がやってきました!
「キンキーブーツ」。



こうして、首を長くして待っていたように見せかけて、
実は、ノーマークでした、ショック。
どうやら巷では話題ということで、
マネージャがわざわざおすぎ?のモノマネでその評判を教えてくれました。
とても伝わりました、ありがとうございます。
早速行きました、月曜の昼の満員、巷の話題は本当のようです。





しょっぱなから、靴と工場のシーン大放出で、
靴好き、工場好きのわたしにはたまらないです。
ソファとソファの隙間のような
狭く、深いツボを、くすぐられてるような感覚を味わいます。
そんなマニアックな嬉しさに酔いしれ、
コンベアはいいよね、しかも運ばれてくるのが靴…いいよね、と
かなり個人的に、満足度の高いすべりだし。







ストーリーはというと。
なぜ単館なんだろう、
もったいないと思うほど、
はいりやすくて楽しめる、
先読みを裏切らない展開。
心温まるものでした。
しかしドラッグクイーンはずるい。
いつも愛すべき存在なんだもの。
複雑ゆえ繊細。
切なさと優しさに溢れていて、
それを覆い隠すかのようにまとう、
きらびやかなドレス。
それではまるで武装ではないか。
「プリシラ」や「ヘドヴィグ アンド アングリーインチ」
に通ずるものもありました(どちらもすき)。
外側が華やかであればあるほど、
内側ダークなところが際立っていく。
その深く掘られた溝と対峙せざるをえないとき、
なんともやりきれない、
宙ぶらりんな孤独をあじわう。
ライトを浴びて唄い踊り、
ステージを降りたとき、
あのふっとしたギャップ、
控え室に戻ったときのローラが流す涙ほど、
やり場のないものはない。









ローラが靴屋さんに行って、
その場に居た女性たちの靴を見定めるシーンが印象的でした。
ある女性の靴を見て、ローラは言うのです。
「あれはチープだけど楽しそうな靴」。
またある女性の靴を見て、
(その女性は、都会好き、モノ好きの主人公の婚約者だったりするのだが)
「あれはピカピカだけどつまらなそうな靴」
とローラが言います。
肝心なのは、靴そのものではなく、履く本人、そして気持。a0028990_332185.jpg
マノロであろうがジミーチュウであろうが、
本人がそれで生かされていなければなんの意味も持たないのです。
友人は「美容師と靴だけは、かならず値段に比例する」
と言い貫いています。
いいものはいい、それは真実、
だけど、それだけでもなさそうですよ。
はい。わたしも、肝に銘じました。















ブーツを履いた季節の足音が、
クレシェンドしている。
そんな朝と夕方、
今一番幸せな時間帯です。


film「キンキーブーツ」www.movies.co.jp/kinkyboots
by akiha_10 | 2006-09-05 08:48 | film