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クリスマスを祝う、ところどころの
目映いイルミネーションを横目に、
ホテルに着いたのは日本時間の朝方で、
体内時計が狂ってなんだかふわふわしている中、
なにげにつけたテレビでは好きな映画、
仏語吹き替えの「ラブアクチュアリー」放映中で、
できすぎた、にくい演出。
こんなことひとつにしても歓迎されている気になれてしまう、
勘違いだらけの、お手軽しあわせもの。









パリにきました。
「東京からですか?」
機内でたずねてこられた隣になったご婦人。
婦人のご自宅が、以前のわたしの自宅と近所で、
親近感もわき、たくさんお話してくださった。
37年間、仕事で休みをとると必ず
フランス、パリを中心に欧州を旅しているとのこと。
ご趣味の染織画のこと、お勧めの場所、いろいろ。
プラスチックのコーヒーをすすりながら、
「ヨーロッパはいいですよねぇー」うんうんと頷いた。
深まったのはカフェインだけではない。
もとは福岡出身だと話すと、
「やだあ!わたしもよ、やっぱりあなた雰囲気が南っぽいと思っていたの」
とご婦人は急接近。
みなみっぽい…。
同郷を見つけると
驚異的なスピードで打ち解け合う…福岡の人、多いね(大学で実感)。
母世代のご婦人と乗り継ぎのモスクワまで小盛上がりした。








page d-46     時間差のパリ 1_a0028990_18582799.jpgモスクワの空港で、
母からたのまれたマトリョーシカを物色する。
ひょうたんの形の、
どんどんちっちゃいのが出てくる、シュールな人形。
どれも顔がいまいちやね、、、と思った。
解体してみて、なお不気味。
おかーさん、ほんとにこれいる???
目を中心に寄せたら、
可愛くみえるかもしれないと思って試したけども、
それはなかった。
購入却下。
すこし、どんよりしたイメージの
モスクワの空港。









「東京からですか?」
今夜のわたしは話しかけやすいらしい。
乗り継いだパリ行きの便で隣になった男性はたずねられた。
その方のご自宅が、わたしの前の前の自宅と近所で、
なんだか可笑しな夜ね、と思う。
50年間、墨絵を続けていらっしゃること、
今回はルーブルのホールの展覧会に出展し、さらに個展をひらくこと、
実は僧侶であり建築事務所をやっていること(ミラクル)
とにかくいろいろ話してくださった。
わたしもものづくり好きです、、と言ったばかりに、
ものづくりとはなんぞや、と日本の伝統文化について、
深夜の熱いトークが続くのです。


ちょっと睡魔に負けそうな瞬間もありつつ、
興味深い話もり沢山でした。
生き方がダイナミック。
ルーブルの展覧会に訪ねてみようと思います。











パリはレピュブリックのホテルより。
レピュブリックはマレ、11区と3区あたりに挟まれていて、
雑誌から切り抜いてアドレスをスクラップしたオリジナルマップ上では、
このあたりに行きたいお店が密集していた。
パリは宝箱をひっくり返したみたいで、
いつも後ろ髪をひかれて帰る。
だから、パリに「居る」ことがしたかったのです。
なにをするわけでもなく。
といいつつ、血の気の多い予習済みのオリジナルマップが、
わたしを足早にさせるのでしょうか。
とにかく自分の足で歩きたい。
好奇心のままの散歩を、
ほやほやの気分で綴れたら、と思います。




今回の旅を現実的にした、
破格航空券との出会いと、
数日アパルトマンを貸してくれる友人と、
周囲の理解に感謝して。
またね。
散策してくる。







page d-46     時間差のパリ 1_a0028990_18593036.jpgパリはくもり。
by akiha_10 | 2006-12-13 19:18 | Daily thinking
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