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page a-14   惜しみないハコ

page a-14   惜しみないハコ_a0028990_23324819.jpg韓国のリウム美術館をたずねました。

好奇心旺盛ケミィのミニ連休に合わせて、短い時間で行きました。
ケミィがチャングムグッズなど買いまくらんように、
わたしが見張らな!
と鼻息をあらくしていたものの、ケミィは意外に淡白でした。
食にうるさいケミィはやはり、なんといっても韓国ごはん、
に興味がいっているようです。
わたしのリクエストも盛り込んでもらい、リウム散策は実現。
訪問10日前には予約が必要という、
すこしお高くとまっておられる印象もありながら、
「あっ、あにょはせよぉ…」と日本から電話をしてみる。
オペレーターの方が日本語ベラベラだと途中で気付き、
カチコチの韓国英語をその気で喋っていた自分に照れる。



リウム美術館はスイス、フランス、オランダの世界的建築家が、
それぞれのインスピレーションでデザインしたという、
ふたつのミュージアムと、児童教育文化センターという3塔で成り立つ。
韓国の財閥サムスンが建てた美術館で、
とにかく惜しみない美とマネーが注がれているのがよく分かります。



page a-14   惜しみないハコ_a0028990_23421627.jpg記憶に残ったのは、
フランス建築家ジャン・ヌーベルのMUSEUM2、その床や壁。
なんだ、この材質は、とホームズのようにしゃがんで触ってみる。
錆びたステンレスのような、すっごい微妙ないぶし銀が、しぶい。
そして、壁や階段は黒なんだけれど、
ただの黒ではなく、炭っぽい黒。
階段は、ステップごとに照明が煌々と炭にあたっていて、いとうつくし。
建物自体が美術なんだな、
と歩く瞬間瞬間を四角に囲んだ指の額にいれてみた。



そのかわり、惜しみないハコの中身、
韓国の伝統美術と現代美術の展示物そのものは、
どちらもそんなに印象に残っていなかったりする。
おそらく、ひとつひとつ見ると素晴らしいのだろう、
贅沢なハコに、贅沢な美術品、と、多少おなか一杯の構成だからね。
みんなが主張していて、しぼれない。
自分の貧乏性もあるのだろうけど、
未完成の部分やほころび、が無いというのも、いまいち集中できない原因なのかも。
完璧ばっかりだと、ちょっと息つまるもんね。
でも、建築そのものはすばらしいと思います。
財閥サムスンの「どうよ」という空気を、存分に楽しませてもらったよ。
ありがとう、サムスン!



展示物(現代)のなかで、唯一じっと見いってしまった映像作品がありました。
マシューバーニーのクレマスター3というやつです。面白いねぇこれ。
そんな中、ケミィが居場所のない空気を漂わせているので、
「お茶でもしよっか」と退出。
本気モードで美術館をまわりたいのならば、
一人かB型気質と行くべしよ。




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こちら、MUSEUM1、スイス建築家マリオ・ボッタの吹き抜け螺旋階段。
上から自然光がはいって優しく、ひたすら真っ白、幾何学模様、
ぐるぐる降りて、不思議な気分、
ヒッチコックの「めまい」がここによみがえる。
by akiha_10 | 2006-05-21 20:31 | Art
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