<< page m-10  マンス... page t-33 ... >>

page t-34   into Snow 6

寝坊した。a0028990_22333393.jpg
昨日の優雅なバスタイムにおほほ、うふふ、
と自分に酔って眠ったら、うっかり起き忘れ。
いけてない目覚まし時計をしげしげながめる。
一応役目を果たした痕跡がある。
止めたのは誰だ!
予定していた列車の時刻から逆算し、
いけてない時計を再度見つめた。
朝食タイムを省いて、
超巻きで準備をすれば間に合うかもしれない。



まとまらない髪を帽子で抑え、荷物を大慌てでまとめ、素顔のままに表へ出た。
そうそう、旅先では時たま自分へのOKレベルがとてもゆるくなってしまう。
いつもも決してキメキメではないのですが、旅先ではさらにありのまま。
ありのまま、自然体、という前向きな言葉で、
単に「なにもしない」をポジティブにごまかしちゃおう。うひひ。
ちなみに、いつも指先のネイルまで完璧にしている親友は、
やっぱり旅先でもばっちりです。決して甘やかさない。
どれだけ洋服の数を持っている人よりも、どんな高品質を持っている人よりも、
こういう気持をいつ何時でもキープできる人が、本当のおしゃれさんだね、
としみじみ尊敬するのです。


半年ぶりくらいに猛ダッシュをしたら、なんとか間に合いそうだった。
ドレスデン行きのチケットを購入すると、
ブースのおばちゃんは「さっき出たよ」と言う。
どうしてどうして、と思って時刻表を見ると、
プラハにはその列車が停まる駅が二つあるようで(!)、
わたしが見ていた時刻は次に停まる駅の時刻。
つまり、東京行き新幹線に「博多」で乗るのに、
「小倉」時間を見ていたわけです。
成田で調べ、プラハ本駅の掲示板で調べ、よしよしと思いこんでいたのに、
それはもともと違う駅だったみたい。
情けないよ、こういう失敗はわたしっぽいよ…。
次のドレスデン行きは二時間後らしい。
目に入ったマックの看板に導かれ、チェコマックでつぶすことにした。
20㎏あるスーツケースのコロコロで、
いまだ踏み入れられてない、道の端っこの雪キャンバスに曲線を描きながら、
自分の情けない具合をちょっと反省して、まいっか、と復活させた。
チェコマックはバロック様式の建物に囲まれた一角に位置する。
ひときわモダンなつくりが、まるで白黒映画に添えられたカラーのように映えており、
意図したわけではないだろうが、時間を錯誤させ、タイムスリップ感を演出していた。
朝からバタバタしていたので、カプチーノはとても美味しく、
パンケーキもむしょうに愛おしかった。
どこマックでも見たことのない、チーズ揚げのようなものは、
かなり味が濃かったが、寒いので少々血糖値を上げるくらいがちょうどいい。
なんとなく窓の外を眺めてぼーっとしていたら、
今回の写真の編集はあーゆうのにしよう、とかモクモク浮かんできたので
忘れないように乗車券の裏に書き留めた。
これはこれで、よかった。(今、ちょっとずつ制作中)



車窓はすばらしかったです。列車最高です。a0028990_22345897.jpg
目の前に拡がる、雪に埋もれた森、
気配のない真っ白な広場。
どれも、しんと静まっていて、
煙突のある家から揺らめく煙を確認するまで、
静止画ではないかと騙されてしまいそう。
陽が運良く雪を照らし、
生じか親子が陽にむかってタッタッタと雪を蹴って走る姿…。 
追いこし追いこされ、二頭の影。
うわぁ、なまじか、かわいい…。
ドレスデンまでの3時間半、静かなる興奮は止む事なく、
びりびり感動して、ついでにモクモクと音楽も浮かんできたので、
乗車券裏にさらに書き留めておいた。
ドイツの国境をまたぎ、ドレスデンヘ。





お昼過ぎに着いたものの、すでに心いっぱいで満足だった。a0028990_2238671.jpg
お腹がいっぱいの時と同じように、感動したり泣いたり
落ち込んだりして心をフルに使うと、体力消耗して眠くなる。
ちょっと眠った。
目覚めると「ちょっと」ではなかった。
いそいそと起きて、
のんびりツヴィンガー宮殿のまわりを歩いたり、
ふらりバスに乗ってみたりした。
エルベ川の近くの、
ノイエマクルトという場所の雰囲気がとてもいい。
おいしそうなカフェやバーが並んでいて、お腹がすいてきます。
なにがしの伯爵の息子が住んでいた邸宅をカフェレストランにした、コーゼルパレー。
元邸宅だけに、フロアごとに絨毯や壁紙が違い、
それに合わせてインテリアが異なっていて、興味津々。
重厚なつくりに、フォーマルなにおいがしますが、広くて開放的なカフェには、
遅めのランチやアフタヌーンティーをするお客さんの陽気な声が響き、
気軽に利用されているようでした。
やっぱりショーケースはかわいい、レモンケーキをたのみます。
そしてふたたびカプチーノ。
そう、ここを探して来たのも、
食器がすべてドレスデン磁器だという情報にひかれて。
マットな黒や赤に金色の模様、
配色やたたずまいが、どこか漆の器に似ているなーと感じました。
横目でちろっと、運ばれてゆく様々な食器を楽しんで、とても満足。





陽の落ちたドレスデン。駅近くのモールで食材を買って帰る。
ごはんを食べ終わると、長い長い一日の疲れがどっとおそってきた。

「たのむよ。」
いけてない目覚まし時計を拝みながらセットした。
by akiha_10 | 2006-03-27 09:04 | Trunk
<< page m-10  マンス... page t-33 ... >>