「けっきょく、こうなるんですよねー」
『そうそう、いつものパターン』 「宴もたけなわになってくると、それぞれ小宇宙を作って。 結局誰と語りたかったのか、見えてきちゃったりして。器用な人は惑星を行き来したりして」 『で、ここも、おきまり、二人きりの小宇宙』 「そしていつもなぜか端っこだし。 喫煙者はなんとなーく、おいやられてる感ありますよね、街でも宴でも、、、、」 ふぅ。 『あーあ。少女よ、すこし頬を赤らめて、その視線の先は…』 「え。別になんにもないですよ」 『いや、結構バレてるんだな、これが』 「いやいや、気のせいです。ほんとに。いやね、単純にいつも仕事で一緒にいる人がですよ、こーゆう宴会の席で、飲んだくれて、無邪気に少年になってる感じとか見るの、いーじゃないですか。こうして、遠ーくのテーブルで」 『だから、それは特別だからなんじゃないの?だって編集長の少年の姿は見たくないっしょ?』 「あ。たしかに全然勘弁です」 『ほらね。どこらへんがいいの?そういえば彼が入社した時さ、今の男の人って綺麗って思ったの覚えてる。でも私はPCおとした後にウィンドウにうつる自分見て髪をいじる人とかは、ムリ』 「いや、そんなもんですって、へたしたら今、男の人の方が鏡見てますもん」 『あームリムリ。綺麗にこしたことはないけどさぁ』 「ムリムリ言わないでくださいよーそういう時代なんです」 『時代…。なんかさ、男も女も歩み寄ってて、 中性的なんだよねー男らしさとか女らしさとか、もう死語なのかもね』 「めずらしく真面目ですねーわたしたち」 『ま。時代、とか言っちゃってる時点で村上もいっちょまえのオトコンナだね』 「なんですか、オトコンナ!?」 『おとこおんなだよ』 「嫌ですよ、なんかそれ!」 『嫌でもそうなの、村上さん。パン特集がそこそこ評判で一息ついたのに、次の日また企画書持って来てるのとかを見てると、きみもオトコンナ!て思う。なんていうか、仕事をそこそこ真剣にやってる人は、そん時はオトコンナの顔になってるのよ』 「いやだあー」 『そうは言ってもオトコンナ。でもピュアオンナでもあるし、ワイフオンナにもママオンナにもなれる可能性があるから、常に迷うわけよ。選択肢が多いと迷うのよ。でもだから楽しいんちゃうん』 「すごい前向きですね、って、目は後ろ向きですけど…方言出て来たところで、もうお酒やめたほうがいいです、のサインだと思いますが…」 『だいじょぶ!あの遠ーくで少年してるやつに送ってもらう!』 「もーう、あんまりつかわないでくださいよー、いっつもじゃないすかー」 『そうでした、反省してます…あ、今の言い方、自分の所有物みたい。ぷぷぷ』 『あ、靴入れの板わすれた』 「ほらぁ、酔ってるじゃないすか!」 『だーじょぶだーじょぶ』 「さっぶ!いつものように次あそこ行きます?ホットチョコレート始めたらしいですよ」 『あーごめん、次行くとこあるんだな』 「イミシン…え、なんですか。聞いてないですけど!」 『オトコンナ同士でつるむばっかはよくないね。村上は二次会に行って、少年を眺めていなさいな』 「そんな、つめたい!」 『切りかえ速いのもオトコンナよ。てなわけで、さらばっ』 「ああ、そうだトシコさん!これ持って帰って下さい!」 『え、なんで、パン?』 「いや、ここ来る前つい寄っちゃいました、で、いつものように買い過ぎてしまい。 見て下さい、穀物ぎっしりです。」 『はあ…なんかいろいろ無理矢理だけど、まあもらっとくわ、さらばーよいお年をー』 「(って、明日も会うけど… どれだけ小宇宙を共に作れる人がいても結局ひとりよね ああ星がよく見えるな、 DVDでも借りよっかな、 果てしなく、さぶい。)」 <fin> 今月のパン ブーランジェリーナイーフ@中目黒
by akiha_10
| 2005-12-19 17:56
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瓜生明希葉/INFORMATION
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