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page t-18 週刊 北欧①

北欧より帰ってきました。page t-18  週刊 北欧①_a0028990_1702672.jpg

さて。北欧といえば
今でこそ建築やデザイン、スローライフやらが浮かびますが、
はじめて意識しはじめたきっかけはなんでしょう。
わたしの中では
皆川明さんのお洋服ブランドmina(現在はミナペルホネン)が
北欧を知るひとつの手掛かりであったように思います。



その当時(といっても3、4年前ですが)はお洋服への興味がもっと貪欲で、
たとえば雑誌の「装苑」が組んでいた、
ブランドのルーツや、生まれてゆく過程をフォーカスした特集を眺めることはひとつの疑似トリップでした。
昔からお菓子工場とか、石鹸工場とか、牛乳工場とかの社会見学の際には
心がふつふつとするような興奮があったもんね。コンベアとか、たまらんね。
そうそう、その時と同じ気持になるのです。

その頃最も印象的だったのが皆川氏やYAB-YUMのパトリックライアン氏の特集で、
静まった誌面から、ものづくりへの情熱やこだわりが湧き出ていました。
たとえばminaの洋服は生地からつくるこだわり様。
あのガーリーで繊細なテキスタイルはフィンランドのマリメッコにインスパイアされているのだと。
そのホタテ煎餅のようなブランドの名前は、
自分がすでに持っていたレターセットに印されており、その時確かにインプットされました。
どうも、マリメッコはブランドネームよりも、
デザインや柄が先立って浸透しており、知らす知らず認知されているような気がします。
あ、これマリメッコだったのね、と。

そんな具合に、北欧を思う時、ムーミンやヤコブセンよりも皆川さんとホタテ煎餅の名前が先にくるわたしです。
minaの本店に足を運ぶと気持が上がる経験の他にも、なにげに集めていたものが北欧食器だったとか、
バイト先のパン屋のコンセプトがたまたま北欧だったとか、好きな映画(マイライフアズアドッグやサイダーハウスルール)の監督が北欧生まれとか、…
北欧はこっちが求めるよりも先に、つかず離れず、
やんわりとわたしの周りにいて、なにかと波長は合うのかなぁとは薄々思っていました。




北欧への興味のさきっちょを探しているうちに
足はデンマークの島のさきっちょを踏んでいた。
スカンジナビア上空で気持が盛り上がったのはいいが、出鼻をくじかれる。
成田で遅れ、手配していたフィンランド乗り継ぎ便に間に合わず。




変更手続きをしたら、お詫びの100dkkの空港内お食事券をいただきました。
ついついドル換算してしまうわたし。
おつりが出ないということなので、
一万円相当!?を一度にひとりで食べるのは超豪華満腹だね、うふふ。
と食いしん坊な想像をして
「タック(ありがと)」と笑顔で5時間後に飛ぶ便の航空券をもらいます。
空港で一万円の食事ってどんなよ?とわくわくしていたら
あ。通貨がデンマーククローネだということに気付く。
計算しなおして、2000円くらいだと気付いたら(それでもすごくあり難いのに!)、顏が曇ってきました。
2000円で予定していたフィンランドの夜と取り引き…むむ。
と北欧に似合わないチマチマした考えで少しだけいかりました。


しかし。「ハプニングこそが旅」と意外とすぐに気持は回復。page t-18  週刊 北欧①_a0028990_1713212.jpg
レバーのパテやらニシンの酢漬けやら、
缶詰めを想像させる北欧っぽい食事も、これも味だねと舌つづみ。
お店の人がきっちり2000円になるように御飯プレートの他に
チョコとかガムとか小菓子を勧めてくれました。
親切に甘えて、デザートにスニッカーズチョコ。
あと4時間か…
コペンハーゲンの空港で缶詰になって夜は深けていく。
by akiha_10 | 2005-10-09 17:33 | Trunk
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