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page t-16  「アール ド ヴィーブル」

すこし長めの旅に行っていました。
パリの空気はすでに秋の気配。

パリ…a0028990_23594659.jpg
ああ。もう、どうして、こんなにひかれるのだろうと、
テラスに座ってゆっくり考えてみました。
パリはゆっくりが似合う。
美術館のような街並と、そこを颯爽と歩く人々の雰囲気や、
街角にちらばった芸術…とか歴史?色?いろいろ?

目に見える「好き」を挙げたらキリがないね。
だけど、多分一番大きな魅力は価値観だと思います。
もしかしたら、フランスに流れる価値観が自分に合っているか、
またはそうありたいと思っているのか、そんな感じではないかしら。
なんせ前世は思い込みミシェルやからね。



着るものを工夫したり、食を楽しんだり、居心地のよいものに囲まれる。
たしかにね、衣食住の量的な充実ぶりなら、日本は負けない。
けど、なんか違うのね。
日本は、生活を豊かにするための衣食住が、
手段を越えて、本来の目的をのみこんでしまいがち。
とにかく短気で、求めてもないのに、いつもお腹いっぱいなの。
こっちは、自分の(じぶん、というとこが鍵。)生活を豊かに楽しくするための
手段として、求めてはじめて用意されるかんじ。
だから自分の好きな物も事も、自然に見えてくるし、
それに対して周りもほっといてくれる。
いっぱいあるのは選択の練習をさせてくれる環境と、考えるための充分な時間。
だからさ、街全体が自由で気ままで、無理がないんだよね。

フランスには「アール ド ヴィーブル」という言葉があるんだって。
日常生活を芸術として楽しむっていう意味らしい。
隣でワインを飲みながら誰かを待っているマダムとか、
お客とずっと話して鼻歌まじりに笑うギャルソンとか、
メニューを「マドモアゼル」と言ってさらりと置いちゃうウェイターとか、
あー、この言葉が根底に流れているのね、と思う。

フランス人は働かないとかいい加減とか言われるだけに、
なるほど、さっきお会計を頼んで、全然来る気配なし、
いやいや街行く人が絵画になるなら、それを楽しまなきゃ。a0028990_0134514.jpg
すべてのことは必ずプラスとマイナスを持っているからさ。
ビジターだけに、きっと見えてない部分もあるんだろうけど。
あらためて、豊かさってなんだろね。

こんな具合に、さんざんまどろんでも伝票が来なくって、
ウェイターを呼んじゃうあたりが、まだまだ私、短気なビジター。


旅の写真は残暑のギャラリーにて。



by akiha_10 | 2005-08-16 00:36 | Trunk
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