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page t-173   ヨーロッパ、蚤の市巡り


趣味であるヴィンテージ/アンティーク収集。 ヨーロッパに行く一番の楽しみといえば、食事と並んで「蚤の市/フリーマケット」!オンラインショッピングも普及し「今そこでしか買えないもの」の究極は地元フリーマーケットで見つけたものではないかと思う。



そういえば、何気なく使っているヴィンテージとアンティーク。その違いは100年以上も前のものがアンティーク、25-30年以上前のものがヴィンテージ、それ以前のものはユーズドと言うそうだ。NYマンハッタン内にはThrift Shop(着なくなった服をお店に寄付して、それを安価で売っているお店)がたくさんある。時には5ドル以下で掘り出しものを見つけることもできる。それらのお店にふらっと寄ってお宝を探すの事が、わたしにとって時にNYライフの1つのエンターテイメントとなるのだが、単なるユーズド(古着)を”ヴィンテージ”と言い聞かせてフワっとした気分になっていたのは大きな間違いだったというわけだ。



ちなみ、多くの一般的なThrift Shopは”ヴィンテージ”や”アンティーク”といった、しゃれた響きの内装ではなく家具や小物、衣類からゴミ同然のものまで、大量に雑然と置かれている。決して快適とは言えない店内から、上手におしゃれアイテムを掘り出すことができたら、その嬉しさはひとしお。ただし、ベッドバグ経験者としては、衣類を購入した場合は2重のビニール袋を硬くしばって帰宅し、ランドリーに直行させ、乾燥機を多めにかけて除菌することに気をつけなくちゃね。

THRIFT SHOP題材の唄、その名も”Thrift shop”。店内の様子が出てくる。(多くのヒップホップ同様、内容はだいぶダーティーです。)
http://youtu.be/QK8mJJJvaes

古着(フリマやThrift shop)だけでスタイルを確立しているお洋服大好きお洒落さんもいる。”Wearing nothing new”。寄付された洋服を安価で買って、また着なくなったら寄付するという洋服”レンタル”思考。(TED講演、日本語字幕や英語字幕を"subtitle"から出して聞き取りの訓練にもお役立^^)






さて、ヨーロッパ、ヴィンテージツアーの巻。
①パリ
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パリでは日程的なこともあり三大蚤の市のうちの二つ、ヴァンブとクリニャンクールを半日ではしご。ヴァンヴとクリニャンクールは南北で離れているので時間通りに催行できるかちょっとしたミッション気分で、前日の夜は眠る前にぐっと気合いが入った。ヴァンヴはこじんまりとした規模なので1時間もあればまわれる。クリニャンクールは大規模でいくつものマーケットがあって全部まわろうとすると大変だが、かわいらしい小物やアクセサリーはMarche Vernaison(ヴェルネゾン)に集中していて、時間がなければこちらだけで充分。こちらでヴィンテージレースのブラウスをゲット!(味といえば味な)汚れが目立っていたことを指摘し、値切ることも忘れずに。ごはんと買物の時だけ少しだけ登場する、わたしのへなちょこフランス語、その数少ない表現方法のすべてを駆使して。


a0028990_11123348.jpgサンジェルマン・デプレをぶらぶらと散歩していて見つけた、Place Saint-Sulpiceの広場で開催されていたマーケットが非常によかった。店の数は30-40だが、品揃えが上品でセンスよし。Place Saint-Sulpiceを調べてみると、こちらの広場では時期によって変わるアートフェアやマーケットを催している様子。ノエルマルシェ、というクリスマス市場も名物のようだ。NYでいうユニオンスクエアのようなものらしい。こちらで50年代のコロンとしたバッグを購入。バッグ、バッグ、マタバッグ。「なんで女はそんなにバッグが必要なのか」というクレームを男性からよく頂くが、それは「なんで男は女にモテたがるのか」という質問くらい無意味なものだと思う。(もっとも、そのギラつきは減少傾向なのだろうけど)。女性特有のホルモンがそれを欲するからである。理由なんてない。だから、男性は彼女や奥様に対しその疑問を持つ事それ自体をやめることをおすすめする。(もちろん、女性の皆が皆バッグホルモンが高いとは言わないけれど、ね。)













②ブリュッセル
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ブリュッセルがアンティーク、ヴィンテージの宝庫だったことを思い出した。こちらは食器や置きもの、陶器関係が充実!しょぼかわいい手巻き時計を思わず2つもゲット。よく見るとメイド・イン・ジャーマニー。社会主義時代をにおわせるレトロなデザインで、おそらく東ドイツ時代のものであろう。ついでに4ドルの止まっている腕時計を、デザインの可愛さに2つも買ってみた。しかし、NYに戻って、そのうち一つを時計修理屋のおじさんにバッテリー交換を頼んだところ、「こいつは、もう動かないよ」と返されてしまう。しょぼん。ブレスレットとして使うかな。他にも恐ろしく可愛いカップとソーサーのセットなども魅力的だったけれど、仮暮らし感のあるNY生活において所有することは現実的ではないので、食器類は定住を決めてからの楽しみに取っておこう。










③プラハ
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蚤の市というわけではないが、街にヴィンテージショップが点在していたプラハ。おびただしい数の品々が所狭しと並んでいるBric a Bracはその光景を見るだけでも価値あり。アート、工芸品、ゴミ風なものまで。観光地ど真ん中ということもあって、値段がやや高い印象。品揃えも値段もとても素敵だったのがHrudka Stylle。上品で素敵なおばさまが切り盛りしており、わたしが興奮して「これもあれも」とケースに入ったものを見たがるのを、嫌な顔ひとつせず丁寧に接客してくださった。NYでよく行くヴィンテージアクセサリー屋さんPippin vitage jewelryでNYの相場はよく知っているが、そこで買うものの3分の1以下のお値段!ブローチやレースなどをたくさん買い込んで、本当に満足のいく買物ができた。おばさま、ありがとう!

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④ワルシャワ

ワルシャワに寄った日がたまたま土曜日だったので「ひょっとして」と思って調べたところKoloという場所で蚤の市が開催されている情報が。これは行くしかない。ただ、ガイド本なども持っておらず、ネットでも曖昧な行き方しか調べることができず、とりあえず街の中心地であるCentrumへ向かってみる。ワルシャワ中心地では、地下鉄路線は一本しか走っておらず、トラムとバスが主な交通手段である。ネットで調べて頼りにしていたのkolo行きのバス路線がCentrumからはどうやら出てないようで、ホテルから頂いた不親切なトラムの路線図もよく分からず。

トラムといっても、巨大な交差点であるCentrum広場の四隅のそれぞれにたくさんのトラムの停車場があり、何番がどこから出ているのかが分からない。すべてのトラム停車場をまわってkoloに止まるトラムを探すことにしたのだが、地上の道路を歩行者は渡ることができず、あちらへと渡るには、地下道をくぐって渡らなければならない。むー。しかも四隅といっても道路の地上内側/外側に出る階段というのがあり、地下道で方向感覚が分からなくなり、出たいところに出れなくて何度も「あれ?」と顔を出してはまた潜るという、もぐらの気分になったものだ。天から「そっちじゃないよっひひひっ」とおちょくられている気分にもなった。そうして4つめの地上パトロールでkolo行きのトラムを見つけた時はガッツポーズ小躍りだ。(トラム24番、Centrum北東内側のトラム停車場から出ていた。)


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そうしてCentrumからトラムに揺られること約15分、koloについた。この蚤の市、かつてなく渋い。軍系のグッズらしきヘルメットや、デザインが可愛いから、とうっかり身につけてたら超タブーになりかねない意味深な紋章のバッチや、まあとにかくディープ。そして、ヨーロッパでこんなに英語が通じない場所もなかなか貴重。挨拶や、数字の10くらいまでの数字だったらなんとか大丈夫だろう、と思っていたけれど、まったくのゼロ英語の地元のおじさんおばさんとの交流がとても新鮮。外国人として外国に住み、良くも悪くも少し外国慣れしてしまって、パリであってもブリュッセルであっても、日本を出て海外に行った時に比べるとフワっとした高揚感や異邦人感が薄れてしまったことに気付いていたが、ここでは確かに「外国」を感じた。


ゆっくりと堪能し、一番印象的だったアールヌーヴォー調の小瓶を買うことに。蚤の市では現金支払いが基本。ポーランドの通貨であるズロチが残り1000円分くらいしかなく、手元にあったユーロを足しても足りず、店主がそれでも良いと言うのでドルを足して交渉することになった。3つの通貨を合算するものだから、売る方も買う方も、互いの頭の中でそろばんがパチパチと弾かれる音が聞こえる。ズロチ→ユーロ→ドルとわたしの頭の両替機関がフルに活動し、店主は店主で人差し指でちいさな虹を描きながらユーロとドルをズロチに換算している。店主が提示するドルの総額を足すと、ズロチで提示された始めの値段よりも、かなり多めに換算しても値段が高くなっていて、なんだか辻褄が合わないような気がして「だって、このユーロは◯◯ゾロチで、これにこのドル、つまり◯◯ゾロチを加えたらさ、、」と計算しながら言い合っている風景はだんだんと「壷算」の様相を呈して来た。最終的にはお互いの折衷案でなんとなし、まとまる。もう計算するのをやめることにしたのだ。



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NY生活は油断すると殺伐としやすいので(NYでは観光客以外は皆基本的に、日常的になにかに対して怒っている)最近のテーマは”細部にエレガンスを”。飾ったお花を愛でたり、良い香りのハンドソープでいちいちうっとりする事が時に厳しいNY生活を豊かにする。そんな事もあって、エレガント小物調達に満足し帰りのトラムの中でビニール袋の中をチラリチラリとのぞきながら、「この小瓶で我が家もハプスブルグ系よ、うふふ」と思ったのも束の間。”綿棒入れにシヨッカナー”という発想がよぎって、それがどうにも現実的で生活感まるだしで、頭に浮かんだ、ハプスブルグ家からだいぶ遠のいた「綿棒」の二文字を黒板消しで勢い良く消したのだった。摘みたてのミントを入れるようにします。(←おしゃれ利用法のイメージ)





by akiha_10 | 2014-07-14 11:40 | Trunk
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