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page t-172      アイスランド、レイキャヴィク。

アイスランドのレイキャヴィクを訪ねた。

この先ケミィとブリュッセルで待ち合わせることになり、ヨーロッパに飛ぶならその前にパリに少し滞在しようと計画。NYからパリ行きの航空券を調べていると、様々な乗継ぎスタイルがわたしの心を踊らせた。ヨーロッパに限っては、早くて便利な直行で割高になるよりも、時間に融通が利くのであれば、あえての経由がたのしい。

アイスランドの手がかりは音楽でしか知らないが、想像しがたく興味をそそった。NYの夜に出てアイスランドに朝到着、その日の夜中にパリへ飛ぶ、とまる一日ある乗継ぎ時間も効率的で魅力的だ。結果的には航空会社のストライキでパリ行きの飛行機が飛ばず、翌日朝の便に変更になった。NYからアイスランドの5時間ちょっとの夜間飛行は睡眠をとるには全く物足りず、寝不足のまま一日アイスランドで活動的に過ごした後で、二夜連続のレッドアイフライト(しかもパリまではたったの3時間)で着いた途端、再びパリの朝が始まるかと思うと、体力的にとても無理がある旅程だと途中で気付き、予定外のフライト変更は逆に有り難かった。








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アイスランドの首都レイキャヴィクは、ゴツゴツとした岩、広大な大地、山脈に囲まれ、とてものんびりとしている。牧歌的な能天気さではなく、剥き出しの岩の塊が大地に広がっているせいなのか、それとも分厚い雲が空を占領した灰色の天気だからなのか、一言でいえばやや暗い。Sigur Rósやmum、ビョークの内省的で神秘的、そしてDNAレベルで語り継がれているかのようなプリミティヴなグルーヴやメロディを使った音作りにただ納得するばかりだ。以前にも書いたことがあるが、気候は人の気質や創作するものに、おおいに影響すると思う。厳しく憂鬱な気候に影響された作品には洞察力やインテリジェンス、皮肉さを感じることが多い。太陽に恵まれている場所から産み出されたものには、リラックスした音や、やれパーティーだとかやれ踊っちまえだとか、少々おバカなノリなものも多い。全然好きだけど。







a0028990_07361824.jpg街の中心部は小さく、徒歩でまわれる。
寿司屋発見、その名もスシバリン。シップの名前風。
ここだけ見ると、日本の商店街風。









a0028990_07370151.jpgラーメンやさんも発見。一杯約1200円。北欧全体に言えることだが、全体的に物価は高め。人がとってもナイスでフレンドリー。英語は問題なく通じる。そうえいばストックホルムに行った時、スウェーデン人は”ヨーロッパの日本人”と言われている、と現地で出会った人たちが言っていた。スウェーデンでの衛生観念やサービス、彼らの気のつかい方、笑顔の作り方、話し方などはどこか日本人に通ずるところがあり、とても心地よかった。その居心地の良さを、ここアイスランドでも感じた。ごはんも口に合い(白身魚やサーモンなどを好む傾向)快適に過ごすことができる。








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小さな中古レコードやさん。
お宝を掘りだすキッズが微笑ましい。
アイスランドという国名がビビらすほど寒くなかったのは意外。ダウンジャケットも持って行ったが、他の北欧諸国と同じく涼しい夏、という感じであった。


















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世界最大規模の露天風呂、ブルーラグーンに行って来た。レンタカーで行くか、ホテルから申し込み、バスがピックアップしてくれる。市内から1時間弱のドライヴ、往復のバスとブルーラグーンの入場料で約1万円と、しっかりするお値段。でも行く価値はある。

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これだけの大きなスケール、開放的な露店風呂などかつて見たことがない。世界最大規模らしく一周ぐるりと歩き回ると10数分かかる。まさかアイスランドで湯巡り気分になるとは思ってもいなかった。男女共用で水着着用、ビールバーなどもあり老若男女で賑わう。ここは厳密に言えば温泉ではなく、近くにある地熱発電所がくみ上げた地下熱水を再利用した施設なんだそう。白濁したお湯は皮膚病に効くらしく、効果としては温泉らしきもの。足元はというと、砂浜のような柔らかな感触であった。奥に行くと「シリカ」と呼ばれるまっ白い泥が置いている場所がある。木の箱の奥に泥が溜っていて、スプーンのようなもので掘り出して使う。なにやらそれを肌に塗ってパックをすると美肌効果があるらしく、皆顔や首、身体に塗りたくっている。もくもくとあがる湯煙の隙間から見える、真っ白なマスクを被った人々がウロウロしている光景はただただ不気味。




a0028990_07344047.jpgわたしもシリカに挑戦。顔にべったりとシリカを塗ってみる。一人で行ったので、「あはは、まっしろー」などど無邪気に戯れる周囲を横目に、一体自分がどんな姿か分からぬまま黙々とただ塗りたくるストイックな時間。しばらくぼやっと放置。どれ腕なども塗ってみようかしらね、とカピカピになりそうなシリカマスクで顔を覆ったまま再びシリカを調達しに出掛けた。すると学生時代の雰囲気を取り戻しに来たかのようなノリの、ビールを抱えた同年代の男子(多分”男性”だが、ノリが男子。)たちもやってきて、シリカをご親切にエッサホイサと掘り出してくれた。スコットランドからやってきたという彼らと、何事もないかのように爽やかに談笑し忘れそうになるが、わたしの顔といえば真っ白な能面である。最も放っておいてほしい瞬間ともいえるこの状態で、今なにかしら恋心が生まれたとしたら、この恋は永遠だなと思ってひとりで可笑しくなった。顔を洗ってみると、あらまあ、トゥルトゥル!





アイスランドは郊外もいいらしい。むしろ郊外で火山やゴールデンサークル、オーロラなどの大自然に触れてこそのアイスランドらしい。日程的なことや一人旅という条件もあり、周遊はできなかったけれど、アイスランドの香りらしきものの一片には触れることができてよかった!




by akiha_10 | 2014-06-19 08:25 | Trunk
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