<< ニューヨークジャーナル 160 ニューヨークジャーナル 158 >>

ニューヨークジャーナル 159

a0028990_1164025.jpg

もはやメジャースポット(ちょっぴり観光地)になってしまったが、ハーレムにあるRed Rooster Harlemがよい。昨年の夏にミュージシャン友達に連れて行ってもらったのがはじめてだったが、月曜と水曜に開催される、バーエリアの隅で演奏される地元の人々によるライヴがものすごくよい。あったかくて、情熱的で、いつもいい気が湧いている。内装インテリアもハーレム文化を継承しながらモダンかつアットホームに仕上げていて、すごくセンスがよい。たまに一人でも一杯飲みに行っている。最近は、ステージと客席があるパッケージされたライヴよりも、表現している人の生活の一部を切り取ったような延長線上で、その人の素に近い形で、表現者の人生が映るかのような演奏をしている人を観るのが好き。

危うさあってこそのNYと、昔のNYを愛する人たちには残念な事かもしれないが、昨今のハーレムは、近寄るなと言われていた頃のハーレムではなく、非常にクリーンになってきていて高級コンドミニアムもたくさん建ってきている。そのエリアにスターバックスができた時点でエリア独自の個性を失う、と批判する意見も分かるが(ハーレムもスターバックスができて変わってきた)洗練されたRed Roosterのレストランは確実にハーレムに明るいイメージの灯を与えた。


レストランを仕切るのはスターシェフMarcus Samuelsson。カクテルも料理も非常に創意的で美味。興味深いのは、シェフはスウェーデン育ち。ハーレム文化(黒人文化)に敬意を表し、アメリカ南部料理(サザンフード、またはソウルフードと呼ばれている)にスウェディッシュ料理のエッセンスをフュージョンしている。南部料理といえばワッフルにクリスピーチキン、ビスケット(スコーンのようなもの)が代表的。それらに少し工夫をくわえて提供したり、新しいソースの提案をしたりして、どこかしらヨーロッパな香りを漂わせているのが面白い。そういえば夏に行ったスウェーデンでレストランを巡り、どこに行ってもハズレがなかったのが印象的。 味だけでなく、人との距離のとり方、衛生観念、笑顔の作り方、スウェディッシュの感性は日本に近いと感じた。「スウェーデンは"ヨーロッパの日本"と言われているくらい、人間的気質や感性が近いんだよ」と突然話しかけてきてくれたスウェーデン人が言っていた。


a0028990_117969.jpg

サザンフードで思い出したが、マイアミでも美味しいサザンフード食べた。Yardbirdというレストランで、こちらもスターシェフ Jeff McInnisが切り盛り。印象に残る美しいインテリアも、考えてみたらRed Roosterとコンセプトが似ている。お洒落サザンフードレストランはちょっとしたトレンドなのかもしれない。クリスピーチキンにマカロニチーズにビスケット…うーん、なんかたのしくなる。ファットフードって人を無邪気にさせるよね!


よくこちらで使われる”スターシェフ”という言葉、なにをもってスターなのかというと、リアリティ番組”トップシェフ”という料理トーナメント番組の優勝者、またはファイナリストであるかだ。日本でいうところの「鉄人」のようなもの。「料理の鉄人」もまた"Iron Chef"("鉄のシェフ"ってそのまんまやないかいっ)というタイトルでアメリカ版が数年前まで放映されており、「ここは"Iron Chef"のお店だよ」という描写もたまに聞く。


ところで、最近アメリカにおけるリアリティ番組の多さにびっくりした。というのも、もともとテレビはあまり観ないので、アメリカに来てケーブルをひいたことがなくTV事情には疎かった。アメリカのTV環境は、ケーブルテレビと契約してはじめてまともに番組を観ることができる。TV線を繋いでデフォルトで、無料で観ることのできるチャンネルは主にニュースをやっている2,3チャンネルと、質量共にかなり乏しい。アメリカで話題になるドラマやリアリティ番組、スポーツ中継はほぼ全て、月額を払って観るチャンネルばかりだ。NYにおけるスポーツバーの異常なほどの需要の高さは(テレビのあるバーの多さたるや!!)、単にスポーツ大国であるだけでなく、一緒に騒ぎたいというムードの共有だけでなく、単純に家ではケーブルに繋いでいないから店に行って観る、という現実的な理由もあったりする。わたしはネット環境を変えたタイミングでついてきた、期間限定のキャンペーンで一瞬観られるようになったのだが、色んなチャンネルをザッピングしていると、かなりの確立でリアリティ番組にヒット。アメリカンアイドルや、プロジェクト・ランウェイなど、スターはリアリティ番組から、という道筋は未だ健在のよう。わたしのお気に入りはフードチャンネル。一日中、24時間、料理対戦や料理番組を放映しているチャンネルで、これはもう本当に危険。危うく契約延長しちゃいそうだ。人気のないレストランをどうやって復活させるか、といったような番組、一日中観れてしまう。わたし、レストラン、だいすきだ。Uryuフードチャンネルも充実させます!のぞいてくださいね!
https://www.facebook.com/akihacurieux




a0028990_1175167.jpg

















おまけ。
マイアミを散歩していて遭遇したアンティーク市で一目惚れした英国の骨董。アンティークレースの入ったガラス台と鏡、ブラシ。朝見つけて恋に堕ち、でも予算オーバーで退散、昼もう一度見に行って、でもやっぱり予算オーバーで退散、夕方最終確認に行ったら、市を開いていたおばさまが、何度も通っていたわたしに呆れ笑って「そんなに好きならいいわよ」と予算内で譲ってくださった思い出のある品です。

「旅の各地で見つけたとっておきのモノを、いつの日かコレクション棚に飾って、ぽわっ〜とするんだ」と夢を抱いているが、プチプチに包まれたまま保管されている数々の旅のカケラたち。ここ数年仮暮らしのような生活が続いており、落ち着いた家でそれらを拝む日はいつ訪れるのだろうか、とふと思う。
by akiha_10 | 2013-11-11 11:30 | NY Journal
<< ニューヨークジャーナル 160 ニューヨークジャーナル 158 >>