<< ニューヨークジャーナル 137 ニューヨークジャーナル 135 >>

ニューヨークジャーナル 136

a0028990_16165162.jpg

目の前を通る度に内装が気になって、ずっと行きたいと思っていたソーホーにある「Antique Garage」。
クリスマスも近く、また一段とデコレーションが可愛くなっていた!

NYの"先輩"とソーホー付近で飲もうという時にリクエストをして、ついに行くことができた。ダウンタウンの主、先輩はさすがにこの界隈には詳しく、彼によると、もとはこのお店はアンティーク家具屋だったのだそう。その名残でレストランとなった今もアンティークの家具や照明が美しく、あたたかく店を演出している。


生演奏もしている。
実はこのお店の前に、友人のジャズピアニスト、かよさんが弾いているレストランに寄った。彼女から「今からどこに行くの?」と聞かれ、答えたこのレストランに、彼女の友達のミュージシャンがたまたま今日弾いているということだった。かよさんは演奏をする勤務地のレストランに行く途中の道端でばったりその友達に会って、「今日僕はAntique Garageで弾いてるから遊びにおいでよ」と言われたばかりだったという。「こんな偶然ってあるんだね!」とかよさんも一緒に「Antique Garage」で一杯飲むことになった。NYって本当にせまい。

a0028990_16173010.jpg

先輩が誕生日を覚えていてくれて、「Paris versus New York」のイラスト本をくださった!これにはちょっと驚きのばっちりなチョイス!というのも、このイラストを使って音楽とミックスした映像が好きで、つい最近元ルームメイトのパリジェンヌ、カミールにもURLを送って「わかるわかる!」と笑って話をしたところだった。


パリとNYという二大都市の対比がキュートに可笑しく描かれていてセンスがいい。Vahram Muratyanさんのイラストのタッチも素敵だが、目のつけどころがいい。マカロンvsカップケーキ、シャンパングラスvsプラスティックカップ、下を見下ろすパリジャン(油断していると色々な汚いものを踏むからだと思う)vs摩天楼を見上げるニューヨーカー、ルーヴルのピラミッドvsアップル社のキューブ、ゴダールvsウッディ。クロワさんとベーグルさんもいつか仲間入り希望。チップも笑える。チップの制度があるパリ(ヨーロッパ)では、その額といえば合計の端数だったり、気持の数ユーロというお気持ち程度であることに対し、NYでは有無も言わさず総計の20%置いて行くのが、ほぼ決まりである。この感覚が日常として刷り込まれたニューヨーカーやアメリカ人が「世界のホテルサイトが選ぶ「最もチップの気前がいい」の項目で圧倒的首位になるというのも納得。ちなみに、同じ調査で「宿泊後の部屋の綺麗さ」の項目の一位はジャパンだった。それも納得。







NYで「フグ」が食べられるお店があるとのことで、友人が誘ってくださいました。その名もずばり「日本」。ああ、この空間よく知ってるよ、というNYとは思えない安心感に包まれる。そして、下関直送のふぐ!!ひれ酒!まさかひれ酒がNYで飲めるとは!!にっぽん最高。わたしは多くの時間を下関に近い北九州で過ごしたので、冬になる今の時期、特に年末年始などの特別の日は、物心がついた時からフグが食卓にあがっているとういう、今考えるととても生意気で贅沢な経験をさせてもらいました。門司港市場で買って来た、発泡スチロールに並んだカジュアルな装いをしたフグのお刺身はなにより「ああ、冬が来たなぁ」と思わせるアイテムでした。

a0028990_16175855.jpg「おいしいもいしい!!」と刺身や唐揚げに続き、てっちり、〆の雑炊と楽しませていただいたのですが、次のステップに行く要所要所で、「いかがですかぁ〜」と料理長が声を掛けににやってくる。「おいしですね」から始まり、「NYに何年いらっしゃるのか(40年在住なのだそう!)」なんて定番のトークに続き、「さて、僕は何人兄弟がいるでしょう?」と尋ねてもいないのによくお話してくれるもんだから、フグコースが終わるころには料理長の半生にやたら詳しくなりそうだった。デザートの頃にはお客さんも少なくなり、料理長ものんびりと私たちの席の近くにポジショニング。よーく喋る人やなぁ、と会話を楽しんでいた。
そして名前を聞かれて「瓜生」と答えると、「あら、福岡の人でしょ?」と料理長。瓜生は福岡に多い姓なんですね。で、料理長も(やっぱり)福岡のご出身ということで盛り上ったのですが、しかも、飯塚の嘉穂がご出身という、まさにわたしの祖父母が今現在も居る、母の田舎だったのだ。それには二人で驚いて「麻生スーパー」や「山田高校」という、わたしはよく知らないが、母周りで耳にする地元キーワードを挙げてはNYのミッドタウンでクスクスと笑ってしまった。なんだ、このエンドレストークと非常に親近感のあるこの喋りは、祖母そのもの。飯塚独特の話し方なのかなぁ。


a0028990_16182045.jpg




チーム福岡、柴田料理長と記念写真。40年もいらっしゃるってすごいなー!「じゃあね、瓜生さん、また来ないかんよ」と最後は親戚?のようなお見送りをしていただいて、すっかり胃も心もあたたまり田舎モードに。




レストランの外に出て見上げた狭い空と飛び込んでくる早口の英語は、数分前とまるで一貫性がなく、どこでもドアくらいを開けたかのように唐突だったのだが、デリカシーのないタクシーのクラクションをきっかけに「ああ、そうでした」と脳内にNYが雪崩込んで来たのであった。今日も美味しいものに感謝、ごちそうさまです。
by akiha_10 | 2012-12-16 16:40 | NY Journal
<< ニューヨークジャーナル 137 ニューヨークジャーナル 135 >>