<< ニューヨークジャーナル 131 ニューヨークジャーナル 129 >>

ニューヨークジャーナル 130

a0028990_234214.jpg



こんにちわ!先週は自宅も停電、お湯なし、インターネットなしのイレギュラーな一週間でした。やっとマンハッタンはインフラが整い、通常モードになりつつあります。




a0028990_239178.jpg

しばらくは地下鉄も復旧しなかったので大量の臨時バスで対応、当然どこも長蛇の列。全線バスが無料。バスや地下鉄を運営しているMTAは創業以来最も深刻な被害、と発表し当ハリケーンでのNY市被害総額は500億円にものぼるのだそうです。

友人宅に避難していたため、週末停電中のダウンタウンにお洋服を取りに帰ったのですが、そこには見た事のない風景がひろがっていました。当たり前ですが信号も点かないので交差点のたびに人が交通整理。ここ数日でとても寒くなってきましたので通る度にThanks!と声をかけずにはいられません。


普段は歩くのも大変なほど賑やかなお祭り通りも静まり返ってゴーストタウン、店はほぼすべて閉まっているのでがらんとした貴重な風景。2日まるまる家待機でまともに身体を動かしていないこともあって、ヨガスタジオがけなげに営業していた事は嬉しかった!電気はないのでキャンドルヨガ。同スタジオの通常夜に開催されている「キャンドルナイトヨガ」にも参加したことはありましたが、本当の意味で電気というものが街から消えた本当の暗さや静けさは再発見でした。


通常「静か」と思っている静さかには、実は冷蔵庫や冷暖房のもーんという低温や遠くから伝ってくる地下鉄や車の音、なにかしら稼動している音が存在している。静寂とは、そこに「静けさ」が有るように感じるほど無音。うつくしい時間でした。自分の息づかいが一番近くなるような静寂はレコーディングのボーカルブースやノイズキャンセルのイヤホン、水中や砂漠で体感する以外なかなか味わえない。


ヨガスタジオを出る頃、まさにちょうどその時、3、4日ぶりに街に電気が戻る瞬間に立ち会ったのです。どこも灯りをオンにしたまま突然停電になったので、電気が戻るタイミングで、ぱっぱっぱっと順に建物に光が点くという、まるでショーのような瞬間!人は少ないとはいえ、どこからともなく「ぅいえーい!!」「やっほー!!」と湧き上がる声。路上では通りすがりの人と笑顔でハイタッチをし、窓からは人々がタオルを振って歓喜。携帯電話の電波もダウンタウンは止まっていたので、人々は携帯を取り出すなり同時にピコン!と立った電波じるしに「Wow!」と声が重なってくすりと笑い合う。まるではじめて火をおこす事ができたような、水路が通ったような、一日かけて一生懸命つくった砂山のトンネルを掘る過程で山の真ん中で友達と指が触れ合った時のような、この歓びは一体なんだ!底冷えして曇天だった街に灯がともるだけでこんなにも感動的だなんて!そしてその瞬間を共有する人々の美しい笑顔!涙がでるほど感動的でした。そして同時に、いかに通常の生活で、こうした基本的なことの喜びが分かち合いにくくなっているかということにも気付きます。

a0028990_242359.jpg

インフラが整わなかった先週は人々が皆で助け合い、SNSなどを通じて「シャワーがなければ我が家でどうぞ」とほとんど被害のなかったアップタウンの方が家を開放したり、ボランティア団体による無料食料提供があったり、他の州から発電するためのトラックが駆けつけたり、たくさんのやさしさに遭遇しました。



そういえば、争いはモノが少ないところより、充分に足りているところ、過剰にあるところに起きやすいのだそうです。それは生物学的にも言われているそうで、例えば昆虫や鳥の世界でも、複数いる中に僅かなエサを与えるとその小さなエサをほとんどの場合、いたわりあって分け合う傾向にあるらしいのです。

次に、まったく同じグループで有り余るほどのエサを与えてみると、まるで性格が変わったかのように、すでにお腹いっぱいであるにも関わらず、自分はより多くより多くと奪い合い、熾烈な争いが起きて攻撃しあうのだそうです。

今回の「足りない状況」で人々は「分け合って、気配りあって」という優しさと感謝に意識が働き、そこに豊かさがありました。街全体がやさしかった。ヨガの帰り道、ひょっとしてこの世に存在できるパワーはいつも一定で、そのパワーを二種類、「物理的なモノのパワー」と「人々の心のパワー」とした時その総和はいつも同じで、最大値が決まっているのではないかと考えたのです。

物理的モノ(食料や衣類、情報、インフラ)が足りないと、それを補うように人からアイデアや活気、工夫や会話、前向きに解決しようとする明るいクリエイティブなプラスのパワーが湧き出る。その反対に物理的モノが満足以上、過剰に増えると、総和は一緒ですから、モノで溢れたパワーを抑制しようと、人の気持は相互に精神を擦り減らすマイナスな方向(争いや足の引っ張り合い)に働く。モノのパワーが勢力を増した今、人が少し疲れているのは当然で自然なバランスなのかもしれません。人がより幸せになるために、人によって生み出されたモノたちが、もし自分たちの心をマイナス方向に誘発しているならばとても皮肉なことです。人は本来「みんな、すこし足りない」状況が本当のところで一番多くの人が幸せを感じられる状態なのかもしれませんね。


だからといって生かされている現代を嘆くのはもったいない。たとえばインターネットで得られる情報を収集して工夫次第で世界を観察できることも、現代に感謝すべきことのひとつです!現代最高!心持ち次第でどの時代、どのような環境でも惑わされず、自分に一貫性を持って豊かに生きて行くことは可能だと思っています。そして本質的に心を打たれる瞬間や素朴な感情を大事にしたいですね。たとえば今回の電気復活のようなとてもシンプルなもの。本質的でシンプルな喜び、底から湧きあがる笑顔にお互いが触れあえる瞬間、そういったものは「発見」と「気付き」次第で日常に見出せるものですが、もっと分かりやすい形でそのような機会をどうしたら創り増やせるだろうかと考えています。



最後に、ハリケーンですっかり飛んでしまったアメリカ国民的大イベント、ハロウィーン、当日はまさに停電中で街はかぼちゃ祭りどころではありませんでしたがサンディ到来前の、直近の週末の街の様子をすこし。個人的にはお色気シスターズがツボ。でかかぼちゃの衣装用意してたのになぁ。家の中で着てクルクルしようかなぁ!

a0028990_240497.jpg


NYバタバタの中、今日は大統領選!
by akiha_10 | 2012-11-07 03:16 | NY Journal
<< ニューヨークジャーナル 131 ニューヨークジャーナル 129 >>