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page t-131        うみやまツーリズム 6

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コルマールからTGVで30分ほど揺られてストラスブール。
ガラス張りのストラスブールの駅。でっかいオウム!すごく綺麗!
フランスの建築家Jean-Marie Duthilleulの設計。
CDG空港でも感じる、いつか映画で見たような未来空間です。
川沿いに建つ欧州議会も見応えあり。
町を歩けばおなじみの中世のアルザスの街並がひろがる一方で
ストラスブールのところどころにある近代建築は町を不思議な印象にする。
木造屋根の酒場でびしっとキメた欧州のビジネスマンがビールを飲んでいる風景は
まるでアニメと実写の合成のようだ。



ストラスブールの旧市街を囲んだイル川をまわる遊覧船に乗ってみた。
これが、とんでもなくあっっつい。
まるで大地全体をオーブンで焼いているかのように、
空にいる宇宙人が大地の水分を見えないストローでちゅうちゅう根こそぎ吸い上げているかのように
激しく照りつける太陽。

日本の湿度のある暑さは嫌いだが、ひょっとするとあのもわっとした湿気が空気を柔らかくして、
太陽が我々に届くまでに、水分が幾重ものベールのクッションとなって光を和らげているのではないか。
湿度がないカラっとした気候は空もくっきりと青く快適ともいえるが、
出発点から到達点までまったくなにも媒介せずに太陽が直に肌を射すような感覚にさせる。
この容赦ない太陽のことを
昨年エクス・アン・プロヴァンスのセザンヌのアトリエに行く際、
日陰がまったくない坂道を痛く照らされながら15分ほど登らなければならなかったことから、
(とはいえ恵みと陽気をもたらしくれる太陽に敬意もこめて)我々はセザンヌSUNとよんでいる。

使い方例文としては「ああ、ついにセザンヌさんのおでましだわよ」とか
「マックスセザンヌさんの2時はデパートで涼もうや」など。
敬意を表しているわりには完全に避けられているセザンヌさん。
どんなに暑くてもテラスで食べる西洋人はセザンヌさん好きでしょう、
実際にアジア人と西洋人では同じ温度や光に関して、体感温度が違うらしいです。

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遊覧船には屋根もないので、セザンヌさんと全面対決。
防御対策として、頭にさす傘を販売している始末。
頭周りにでハチマキのように固定すると
ちょこんと頭上にレインボーパラソルがひろがる。




ナイ。




このだいぶマヌケで、他にいつ使うんだという突っ込みどころ満載のアイテム。
しかし、あまりの暑さ、出発まで15分ほど船上待機していることを考えると
このまま天日干しになってカラカラになるくらいなら
いっそ傘の一本や二本頭から生やしてもいんじゃないかと、あわや購入しそうになる。



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とりあえず思いとどまったが、
せめてもとカーディガンでセザンヌさん対策せずにはいられない。
こんな具合に。




なにも見えんじゃん!

カーディガンをカーテンのように見立て、開けたり閉じたり、
そっとその隙間からチラリチラリとチラ見るその風情は
さながら駕篭で運ばれながらそっと小窓開けて城下町の様子を眺める娘の気分じゃよ。
ただし、汗でべっとしりた浅黒い娘だが。





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座っているだけなのに体力を消耗させた後、お昼を食べに。
今日のおすすめ「Plat du jour」とフォアグラサラダを。
アルザスはフランスで随一のフォアグラ名産地。
フォアグラサラダはどのお店のメニューにものっているほど国民食。
だいたい10ユーロ前後と、日本に比べるとかなり手頃!
そして町の至るところにパテや量り売りのあるフォアグラ専門店があります。

昨年もフォアグラや一部食材に感じる、
「食物と官能そして罪」の関係ついて書かずにはいられませんでしたが
遅ればせながらそれを明確に表現していたあまりにも有名な伊丹監督の「タンポポ」をわたしは鑑賞し、
その実感は個人的なものから普遍的で根源的なものへとコマを進めたのです。
たいめいけんにオムライスを食べに行った際
とろとろのオムライス「タンポポオムライス」の名前の所以がそれだとしって
いざ観てみると、あれはまさに「食と官能」の世界だったのですね。
すべての感情や事柄を結果としての末端とし、毛細血管を逆流させていくと
結局は心臓部にある「欲望」という中枢に辿り着くんですよ。
無欲に近づくほど安楽というこですね。
むろん対極にいるわたしは欲に翻弄され自己中心的で、時折自己嫌悪に陥るものの、
せめてそれをあたかも掌握しているようなふりをして許されようとするその欲もまた卑しい。



この日飲んだアルザスワインはピノ・ブランとミュスカ。
ミュスカは鮮やかなマスカットの味。色も濃い。
ピノ・ノワール(赤)はよくあるけども、ブラン(白)もあったのね!
びっくりするくらいサラサラしていて若い。
数年前ワインに精通されているミュージシャン先輩に出会った頃
「瓜生さんはピノ・ノワールっぽい」と言わたことがありました。
少し飲むようになって味を知ってきた今
どうやらそれは気分屋(栽培に手がかかる、面倒だ)とか、
未完成だといかいう意味だったのではないかと感じています。
あれから数年、そのままでいたくないような、いたいような。
熟したといわれても複雑やもんねぇ…ふふ
by akiha_10 | 2011-07-04 21:46 | Trunk
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