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page t-7 フランス初上陸 最終章

ラッキーの連続。
パリが迎え入れてくれているのか、前世ミシェルのお導きか。

特に日程を合わせていたわけではないが、ルーブル美術館も凱旋門もオルセー美術館も、
訪れた日が偶然月一回の無料開放デイ。うひひ。
なぜか私達がレストランやパン屋に並ぶと、そこから列が出来始め混み合う。
単なる勘違いなの?でも、あまりにそういったことが続くので、
友人と共にパリの幸福の神様の存在について認め合った。

よく聞く話ではあるが、美術館はオープンと同時に入場するのがベスト。
私みたいな初心者は混み合う前にささっと巡るのがよい。
一日では到底鑑賞しきれない美術品が所狭しと並ぶ。
これら全てに、歴史的背景やアーティストの強い思い入れがあるのだが、
よく分からない私には直感でピンときた作品をじっくり鑑賞するのがちょうどいい。
また、キャンバスの大きさが半端じゃないからそれだけで圧倒される。
まさに、絵の前で立ちすくむ、という経験をした。

上野で開催される美術展もたいしたものだけど、決定的に違う点は、宝物を入れておく宝石箱。
つまり美術館の建物そのものだ。ルーブルはもともと12世紀に城塞として建てられたもの。
もう、歴史が違うよね。敵わんよ。
細部に施された彫刻、天井の壁画、なんちゃら様式の柱、などなど、
建物そのものが美術品だから空間にまず感動する。
修復工事は行われているにしても、未だに頑丈に構えた建物、高い天井を彩る色褪せぬ絵画の数々、
人間ってなんでもできるじゃんね、と思う。
この感動、鎌倉の大仏鑑賞や京都のお寺巡りのときと同じもの。
でも2、3時間圧倒され続けると、目の慣れと疲れで、もう全部すごいねってまとめに入って早足になる。
美しいものは一度に見過ぎるのは、あまりよくないのかもね。

パリ最終日に昇った夕暮れの凱旋門。放射状になった道路が遠くまでよく見える。
真下ロータリーのごったがえす車にも驚く。相当のドライバーズテクが必要だ。
なんだか、いろんなラッキーに恵まれて、最高によい気分で、なんかドラマチックで、
そんな自分達に酔ったりもして、「いいねーいいねー」とひたすら浸ってパリの夜は更けた。
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が、しかしお話にはオチというものがあって。
今までのラッキーは帰りの便で相殺されたのだった。
着陸体勢の際、もう、最強に揺れた。映画のような乗客の悲鳴が飛び交う。
子どもは泣くし、隣のおじさんは目を瞑って耐える。耳を澄ませばなんかお経なるものを唱えているではないか。
頭上の荷物入れから荷物がボトボト落ちてきて、なにかの液体が漏れてポタポタ流れてきたときは、
一瞬家族の顔が浮かんだ。
フランス人機長の「シートベルト締めてください」という言葉は、もはや幻聴に近い。
蛸に振り回される船体みたいで、身体的にも最悪な状況、心はこんな時だけ神様仏様をただただ信じる。
そんな自分達は完全に酔った。
30分以上の最悪なデッドコースターは、人生嬉しかった事マイベスト10を振り返っている途中に着陸したようだ。
機内は勇敢なサバイバーとしての連帯感が生まれ、盛大な拍手が起こる。いや、その時は必死だったからさ。
青ざめた友人は「サ、サイアク…」という言葉を吐いてトイレに駆け込んだ。

ラッキーの後のアンラッキー。プラマイゼロ?
いや、今となっては最高の思い出、笑いばなし。
メルシー、フランス。
by akiha_10 | 2004-10-03 00:31 | Trunk
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